星から来たオッパイ

Part H (4)


 「『パチ子』再起動!」

 スコアボードに映し出された『パチ子』は、手足をバタバタと動かし『アップルシード』の前に再び立ちはだかる。

 ”『アップルシード』に動きなし”

 新実験棟の屋上にいる天文部有志の観測班から報告が入る。

 「さて、どうする?」

 川上刑事がエミに聞いた。 (スコアボード裏までついて来ていた) エミはマイクを取り上げ、グラウンドスピーカへ出力するよう指示を出した。


 ”『パチ子』、先端を掴んでねじる様に力をかけて! 裏返しにするのよ!”

 『パチ子』は無言で『アップルシード』の先を掴み、指示された方向に力を加える。 しかし、『アップルシード』の全長は『パチ子』の倍以上、わずかに

揺れるがそれ以上は動かない。

 
 「電力負荷がピーク!」

 計器盤を監視する電気科学生が告げた。

 「よーし出力……」

 バコッ

 出力調整ハンドルを回そうとしたミスティをエミが殴り倒した。

 「あんたは、学習能力がないんかぁぁぁ!!」

 「ふぇぇ……でもぉ、100%以上にしちゃだめなら、なんでハンドルの目盛りは100%以上にできるの?」

 ミスティの言葉に、エミと電気科学生が顔を見合わせた。

 「それは……ブレーカーは安全範囲を超えれば落ちますけど……」

 「安全係数を見込んでいるから、電力の供給を100%以上にしても、すぐには壊れないはずね。 よし、ミスティ!」

 「はーい」

 「ブレーカを手で押さえてなさい」

 「はい?」

 「さっさとやる!!」

 ミスティが慌ててブレーカに取りつき、スイッチを手で押さえる。

 「麻美さん! 出力を105%あげて、そこからゆっくりとあげて!!」

 「え? あ、はい!」

 ブーン……

 計器盤の向こうで、不気味な唸りが聞こえてきた。

 
 「ん?……んがっ!?」

 『パチ子』は、体に力がみなぎってくるのを感じた。 グラウンドをしっかりと踏みしめ、渾身の力で『アップルシード』をひっくり返そうとする。

 
 ”『アップルシード』が少しずつ傾いていきます……あ!?”

 「何?」

 ”『パチ子』が転倒しました! 『アップルシード』が開いていきます!”

 
 『アップルシード』が口を開き、中から白い巨人『マザー』が姿を現した。

 ”БГД……”

 何事か呟きながらグラウンドに仁王立ちになる。

 
 ”『アップルシード』から白い巨乳女が現れました!! 目測で身長30m、バスト20m!”

 「おおっ!?」

 制御室にいた学生がどよめき、グラウンドを映すスクリーンにくぎ付けになる。

 「おおっ、生乳だ!」

 「なんという巨乳!」

 アホな感想を無視し、エミは観測班の観測値を確認し、ランデルハウス教授を振り返った。

 「潜水艦と交戦したときの身長は50mはあったと聞きましたが?」

 「サイズが変えられるのかもしれんな」

 「あっ、『パチ子』が!」

 エミが振り返ると、『パチ子』が自分の胸に手を当て、地面に座り込んでいる。

 「自信を失ったようです!」

 「アホー!! 胸の大きさで勝負するな!」

 「うーむ、着物の似合う純和風体形では不利か?」

 「教授まで何言ってるんですか!」

 
 ”БББ(何者か知らんが、邪魔はさせない)……”

 『マザー』が『パチ子』につかみかかった。 バストサイズの差だけでなく、身長も『パチ子』25m、『マザー』30mと差が大きい。 両者は互いの両手を

ガッチリと掴み、押し合い始めた。

 

 「『パチ子』が押し負けそうです」 電気科学生が悲鳴を上げる。

 「麻美さん! 出力150%!!」 エミが叫ぶ。

 
 バリバリッ!! 

 『パチ子』の体から火花が散り、その着物の胸がグッと、膨れ胸元がはじけ飛ぶ。 『パチ子』の胸が、AカップからB,C,Dと急激に膨らんでいく。

 
 「おおっもうちょいだ!」

 「それ、もう一息!」

 「あー……裏切者ぉ……アチチチッ!!」

 ブレーカーを押さえているミスティが悲鳴を上げた。

 「エミちゃん……熱いんですけど……」

 「煙が出たら教えて」

 無情に言い放ったエミは、さらなる出力増加を麻美に指示した。

 
 ムクッ、ムクッ……グニャッ

 膨れていった『パチ子』の乳房が、ついに『マザー』の乳房とぶつかる。 二人は手と乳、がっぷり八つで組み会う形になった。。

 「ん……むっ!!」

 『パチ子』は息を大きく吸い込み、一度身を引いて体をひねる。 急に支えを失い前に出た『マザー』と『パチ子』の谷間が『松葉崩し』の形にかみ合った。 

『パチ子』はバランスを失った『マザー』の軸足を足で払い、腕と胸で『マザー』の体をひねった。

 
 「やった! 『足払い、乳ひねり、体崩し』!」

 
 ズズーン!

 地響きを立ててグラウンドに転がった『マザー』に『パチ子』がとびかかった。

 ボッヨーン……

 しかし、互いの乳がスプリング代わりになり、『パチ子』の体が跳ね飛ばされた。 攻守入れ替わり、今度は『パチ子』に『マザー』が飛びかかる。 しかし、

またも互いの乳房で体が弾かれる。

 
 「巨乳同士で正常位の寝技は無理よ! 69に持ち込んで!」 エミが指示を飛ばす。

 「それでいいのか?」 ランデルハウス教授が首をひねった。

 
 ドッタン、バッタン

 二人の巨乳巨人女は、地面を揺らしながら弾みまくり、ようやく『パチ子』が上『マザー』が下の69体位で落ち着いた。 『パチ子』が不安定に揺れながら、

『マザー』の太腿を捕まえ、彼女の下半身に顔を埋め、同時に『マザー』が『パチ子』の秘所を咥える。

 史上最大のキャットファイトは、寝技勝負にに持ち込まれた。
  
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