星から来たオッパイ
PartE (5)
−−日本 マジステール大学 新実験棟 琴研究室−−
「太鼓腹君! 『パチ子』!!いる!?」
「あたぁ! いきなり何ですか?」
研究室でだべっていた太鼓腹は、突然飛び込んできたエミに驚き椅子から転げ落ちた。
「エミさん。 貴女は部外者なんですから、もうちょっと遠慮ってものを……ああランデルハウス先生もご一緒ですか」
エミの後ろにランデルハウス教授の姿を見て、太鼓腹が文句を言う。
「研究熱心なのは判りますけど……」
太鼓腹の文句をエミが遮った。
「教えて欲しいことがあるの。 『パチ子』をTVや液晶画面から出現させる実験の、成功時と失敗時にどんな機械で経由していたか、それを教えて」
「藪から棒になんなんですか」
文句を言いつつ、人の好い太鼓腹は机の上のノートPCを叩き、実験の記録を呼び出した。 もっとも、医学部や電気科が、興味本位に行った実験なので、
報告形式がまちまちで整理されていない。
「えーと、医学部は……USBのビデオチューナーとPC経由で液晶……これは不可。 電気科はと、アンテナ線直結で旧式のモノクロTV……ははっ白黒の
『パチ子』が出てきた? ついでに旧型のビデオカメラのファインダ用の小型ブラウン管……ちっちゃい『パチ子』が出た……どうやらブラウン管からしか
出られないみたいですねぇ」
「液晶ディスプレイ。 いえ、液晶TVのアナログ放送モードで実験したことはない?」
「え? 待ってくださいよ……それは……あ、機械工学科でPCモニタ兼用の液晶TVで『パチ子』が出てきたって……」
太鼓腹は首をかしげた。
「ということは、液晶でも出て来られるのか?」
エミは目を輝かせた。
「やっぱりね。 『パチ子』が出て来られないのはデジタル回線でつないだのが原因じゃないかしら?」
「デジタル回線だと出て来られない? 何か思い当たることでも?」
「多分だけど、『パチ子』はVTRテープの封じられた地縛霊、いえ『磁縛霊』じゃないかと思うの」
「『磁縛霊』!?」 怪しげな造語に太鼓腹が目を剥く。
「『パチ子』の本体はVTRテープの中に閉じ込められていて、TV画面から出てくるのは画像信号に乗せた『分身』で、本体とオンラインでつながっている、
と仮定しましょう」
「はい」
「アナログ回線の場合は、搬送波に画像信号を乗せ、それをTV受像機で再生するのよね」
「確かそうです。 いじったことはないですけど」
「デジタル回線の場合は……例えば、CPUを搭載した最近の液晶TVで、デジタル放送を受信する場合は?」
「電波に乗ってくる点では同じですけど……画像データを分割し、データパケットで送信し、受信側は受け取ったデータをビデオメモリに展開しますね」
「つまりデジタル回線はデータを『分割』して送る訳よね」
「ええ……つまりエミさんの言いたいのは、『分割』するところで『パチ子』の分身と本体が切れてしまうと?」
「じゃないかと思うの」
太鼓腹は考え込んだ。
「『セイレーン』ちゃんは? 彼女の場合も『セイレーン』システムの中枢にいて、学生に乗り移っていたのは、分身みたいなものだったでしょう?」
「コンピュータには詳しくないけど、彼女の場合は分身を『ダウンロード』させていたのじゃないかしら」
太鼓腹は頭をかきむしって唸り出した。
「理にかなっている様な、かなっていない様な……でも、『パチ子』が出て来られない条件については当たっているような気がします。 この次『パチ子』が
実験に参加するときは、アナログ回線で接続するよう助言しましょう」
「そう言えば『パチ子』は今どこに?」
「民俗学の教授が持っていきました。 VTRに取りついた経緯を知りたいと」
「人気者ねぇ」
−−北極海 謎の『カプセル』−−
5人の子供たちがドローン女に『カプセル』に連れ込まれ、一日が経過していた。 女達は、子供たちに『おっぱい』状の寄生生物を寄生させたり、催眠術の
実験台にしたりしていた。
”溶解処置した子の具合は?”
『カプセル』の中に声が響くと、ドロンー女達が一斉に顔をあげ、一人が答えた。
「マザー。 ポッドに入れて培養処置しました。 もう、完了していると思われます」
”では出してあげなさい”
『マザー』の命に従い、一人のドローン女が巨大なおっぱいに歩み寄る。 ミイラの様にやせ細った子を入れた、あの『おっぱい』だ。
「さぁ、出してあげる」
『おっぱい』の乳首の部分が大きく広がり、その中から白い乳液にまみれた少女が転がり出た。 この少女が、ポッドの中に入れられた少年の今の姿
だった。
「……」
少女はゆっくりと立ち上がり辺りを見回す。 10代後半に見える少女だが、その胸には二抱え程もある巨大な乳房が揺れている。 「…あの……ボク?」
不安そうに少女が声を発すると、それに応じて『マザー』の声が響く。
”歓迎するわ。 貴女は私の新しいドローン”
声を耳にした途端、少女の体が震える。
「マザー……ああ」
顔から不安の色が消え、恍惚の表情に変わる。
「おおせのままに。 私はマザーのドローンです……」
”よろしい。 先輩たちと共に、私のために行動なさい”
「はい」
ドローン少女は、彼女をポッドから出したドローン女について行った。
「やだよう……助けてよ……」
力ない声でべそをかいているのは、催眠術の実験台にされた2人のうちの1人だった。 椅子のような膨らみに座らされ、1人のドローン女に監視されて
いる。 そこに、ドローン少女を伴ったドローン女がやって来た。
「どうですか?」
「催眠実験は失敗しました。 不安や恐怖心が強いと、催眠状態に入りにくいようです」
監視役の答えに、少女を連れてきたドローン女が頷いた。
「では、この子は催眠術の実験台から解放しましょう」
監視役は頷き返し、座っている少年の前にひざまずく。
「怖がらせてごめんなさい。 実験は終わりにしましょう」
「……」
少年は、わずかにほっとして様子を見せた。 しかし、女の次の言葉で再び恐怖に敷き落される。
「これから貴方を私たちと同じ、ドローン女にしてあげます。 そして貴女はマザーのために働くのよ」
「えええ!?」
少年には、ドローン女の言葉が理解できなかった。 その時、女の背後にいた少女の顔が目に入った。
「まさか……キィ?」
それは、ドローン女にミイラの様な体にされた友達の名前だった。
「そうだよ、ディ。 ボクはこんな体にしてもらったんだ。 これからディもこんな体にしてもらえるよ」
にこやかに笑うキィに、ディと呼ばれた少年は震えあがる。
「……や、やめて」
「怖がる必要はないわ」
ドローン女はディの前に自分の胸をさらけ出す。 豊かな乳房が重々しく揺れる。
「貴方には、彼の時とは別の方法を試してあげる」
ディは震えながら背を反らし、乳房から距離を取ろうとした。
「べ、別って……」
「貴方は私のおっぱいを飲むの。 そして、女の子に変わるの」
「そ、そんな……」
「気持ちいいわよ……女の子になるのは。 その可愛い男の子の証が、トロトロに蕩けて、気持ちよくなるから」
「ひ……」
「さぁ……お飲みなさい……・」
目の前に、親指ほどの太さの赤い乳首が迫ってくる。 良い匂いを放つ、柔らかそうなそれが、今の彼にとっては恐怖の存在だった。 立ち上がって逃げ
ようとしたが、背後にまわったもう1人のドローン女が彼を抱きしめ、立ち上がれない様にする。
「さあ……」
柔らかい頬の上に、ヒルのように赤い乳首が吸い付き、頬の上をじわじわと滑ってきて、彼の唇に吸い付いた。 そして、唇を割って口の中へと入ってくる。
「おあがりなさい……」
口の中に、生暖かく甘酸っぱいクリームのようなモノが注ぎ込まれる。
「いや……や……」
甘酸っぱいものが口から体へと染み渡ってくる。 体から力が抜け、目で見ているものが動きを止める。 いや、止まっていくのは彼の思考の方だろうか。
「あ……」
股間の辺りにねっとりとしたモノを感じる。 それが暖かく、そして……気持ちよく……
「はぁ……はぁ……何……蕩けそう……」
「蕩けるわよ……ほら………」
「!」
股間の辺りから熱っぽいものがせり上がり、それが暖かい快感になって体を満たす。 ディ自身がヒクヒクと脈打ち、気持ちよくなり、そして蕩けていく。
「気持ちいい……いい……蕩けちゃう」
ディは体の力を抜き、目の前のおっぱいに顔を埋めた。 驚くほど柔らかいそれに、顔が、頭が、そして彼自身が沈み込んでいく、そんな錯覚を彼は覚えた。
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