星から来たオッパイ

Part.A (2)


 三人は穴をくぐって謎の物体の中に入り、携帯ライトで辺りを照らす。

 「なんだ、ここは?」

 中は人が立って歩けるほどの『通路』になっていて、緩やかに下っている。 もっとも壁面は波打っていて、一見して人工物には見えない。 辺りには湿った

空気が充満し、水がしたたり落ちる音がしている。 パイロットは、壁面に触ってみた。

 「うわっ! 汚ねぇ」

 手袋が黒く汚れている。 壁一面が湿った泥で覆われているようだ。

 「これ、海の中にあったんじゃないのかい」 『姐さん』が言った。

 「そうかもしれませんがねぇ……お?」 

 若い男が足元にかがみ込んだ。

 「これ、足跡じゃありませんか」

 床にも泥が積もっていて、そこにくっきりと足跡が付いている。 パイロットもかがみ込み、足跡を調べる。

 「新しいな……誰かいるのか?」

 「誰かって……誰です?」 若い男が尋ねた。

 「ねぇ、ひょっとしてあたしらが捜してる連中じゃないのかい?」

 『姐さん』の言葉に、パイロットと若い男が振り返った。

 「ここにですかい? 飛行機でブツ運んでいた連中が、なんでこんなところに?」

 「北極探検してたわけじゃないんですぜ」

 「そうだけどさ。 あたしらはどうなんだい? 飛行機が動かなくなって、降りたところにこんなものがあって、その中に入っているじゃないか」

 そう言われたパイロットも考え込んだ。

 「あっしらと同じことが起こって……ここに? 奴らの飛行機はどこです?」

 「外は霧がひどかったじゃないか、10mも離れていたら判らないだろうよ。 ここが何かは判らないけど、寒いの外にいるより、この中に避難したんじゃ

ないかい?」

 「そうですねぇ」

 同意して見せたものの、パイロットは納得していない様子だった。 辺りは湿った泥で覆われているし、明かりがなければ真っ暗だ。 お世辞にも快適

とは言えない。

 「足跡はこの先に続いていますぜ。 とりあえず行ってみますか?」

 若い男が提案した。 他にいい考えもないので、三人は『通路』を進む。

 
 「と……」

 50mほど進んだところで先頭を歩いていたパイロットが足を止めた。 『通路』の壁が見えなくなったのだ。

 「なんだい?」

 「広くなってる。 『部屋』かな」

 携帯ライトで辺りをぐるりと照らしてみた。

 「な、なんだぁ、これは」

 パイロットの言った通り、そこは直径10mほどの丸い『部屋』になっていて、『通路』に比べると天井が高い。 しかし、その壁面には……

 「き、気色悪いっすね」

 若い男が壁面をライトで照らしながら言った。 なにしろ、壁一面にスイカぐらいの半透明の塊が、所狭しと張り付いていたのだ。  「クラゲですかね」

 「ああ、本当に海の中にあったのかもな……おおっ」

 パイロットが驚きの声を上げた。 部屋の中央に人の背丈ほどもある大きな『クラゲ』が一つ、その周りにその半分くらいの『クラゲ』が幾つか、デンと鎮座

していたからだ。

 「これもクラゲか? 随分でかいなぁ」

 「大きなクラゲは、人が入れるほどでかくなるそうでいけど……食いついたりしないでしょうねぇ」

 若い男が薄気味悪そうに大中小の『クラゲ』を見ている。

 「阿呆な事をうな。 触るんじゃねぇぞ。 毒があるクラゲもいるからな」

 三人は『クラゲ』を回り込むようにして、部屋の反対側まで行った。

 「ひぃ!」

 突然『姐さん』が声を上げ、床を照らした。 照らし出されたものを見て、パイロットと若い男も驚きの声を上げる。

 「こいつは……」「ひ、人の死骸ですかい!」

 赤と黄色の防寒服を着ている、人の形をしたものが床に転がっている。 もっとも、昨日今日死んだようには見えなかった。 何しろ、骨と皮ばかりになって

いて、ミイラと表現してもよさそうな姿だったのだ。 パイロットは死骸の脇にかがみ込み、詳しく調べた。

 「……変だな。 腕時計が動いている」

 「どういう意味だい?」

 「そんなに古い死骸じゃないってことですよ……」

 パイロットの言葉に、『姐さん』は無意識のうちに後ずさっていた。 ポヨンと背中が何かにあたる感触がする。

 「?」

 振り返ると、彼女は大きな『クラゲ』のすぐ前にいた。 ぎょっとして『クラゲ』から離れようとしたとき、突然『クラゲ』が動いた。

 「きゃぁぁ!!」

 『姐さん』の悲鳴にパイロットと若い男が振り返った。 部屋の中央にいた『クラゲ』がパックリと丸い穴の様な口を開け、『姐さん』を頭から呑み込もうと

している。

 「ひぇぇぇ!」 若い男が腰を抜かした。

 「『姐さん』!?」

 パイロットは、ライトを左手に持ち替え、右手を懐に入れて拳銃を取り出し、大『クラゲ』に狙いをつける。 が、発砲はできなかった。

 プシャーッ!!

 「うわぁ」「ペッ! なんだぁ!」

 壁に並んでいた『クラゲ』がパイロットと若い男に向けて、水のようなモノを吹きかけてきたのだ。 しかし、それは水ではなかった。

 「う……うう……」

 「し、しびれる……」

 二人の体から力が抜け、床にへたり込んでしまった。 どうやら、体を痺れさせる毒液か何からしかった。 そして……

 「きゃぁ……ぁぁ……もごもご……」

 『姐さん』は大『クラゲ』に丸のみにされてしまった。 大『クラゲ』はしばらくフルフルと震えていたが、やがて動かなくなった。 半透明の『クラゲ』の中に、

黒っぽい影の様に『姐さん』の体が見える。

 「うう……うごけねぇ」

 「た、助けてくだせぇ……」

 だらしなく床に這いつくばっている二人の視線の先、大『クラゲ』の周りに並んでいた、中くらいの『クラゲ』が震えだした。

 「こ、今度は何だ……」

 バシャン!

 中『クラゲ』は、なかから水のような液体を噴出しながらはじけた。 そして、はじけた後には……

 「……子供だと?」

 中『クラゲ』のあった所に、裸の子供がうずくまっていた。 その子は、ゆっくりと立ち上がると、パイロットと若い男に視線を向ける。

 「あの子も『クラゲ』に喰われていたのか?……い!?」

 その子の顔を見たパイロットは直感した、人ではないと。 その瞳は真っ赤に染まり、口元には冷たい笑みを浮かべている。

 ビシャッ、ビシャッ……

 子供はパイロットに歩み寄ってきた。 眼以外は、人間と変わらない。 10歳ぐらいの女の子に見える。 ただ、その年にしては胸が膨らんでいるが。

 「お……おまえ……お……」

 毒が回ったのか、パイロットは呂律が回らなくなってきた。 女の子は1mぐらいの距離で、パイロットの様子を観察していたが、パイロットが動けないと見て

とると、彼の頭を自分の胸に抱いた。

 「むぐっ?」

 口の処に、女の子の可愛い乳首が当たる。 こんな幼女の乳首を咥えさせられても、嬉しいはずもなかったが。

 チュルリ……

 (なんだ……おぁ!?)

 口の中に微かな甘み……と思った次の瞬間、それは暴力的な甘さに変わった。 口の中に広がる甘さが、たちまちの鬱に全身へと広がっていく。

 「ぐはっ!?」

 パイロットが悶えた。 厚い防寒着のズボンが、くっきりと膨らんでいる。

 「……」

 幼女はしばし首をかしげていたが、すぐに納得した表情になり、ズボンのジッパーを引き下ろした。

 ズム!

 空気を割いて、パイロットのモノが外に飛び出してきた。 かって覚えがないほどに、それはそそり立っていた。

 「……フ」

 幼女は幼い顔に、淫靡な笑みを浮かべ。 パイロットの腰に自分の股をこすりつける。 一筋の割れ目しかない幼い女が、欲望に震えるパイロットのモノを

じらす様になぞる。

 「よ……う……」

 声を絞り出して、拒絶しようとするパイロット。 しかし痺れた体は思うように動かない。 それなのに、幼女の乳の効果なのか、彼女への欲望がどす黒く

湧き上がってくる。 幼女は、パイロットを小ばかにしたように彼のモノに自分の裸体を擦り付けていたが、不意に動きを止め、口を開いた。

 ”おじちゃん……”

 彼女がそう言ったように思えた。

 ”欲しいの……”

 幼女の割れ目が、赤黒い先端に押し付けられる。 細い溝を押し広げ、邪悪な蛇が穢れない果実をむささぼろうとしている。

 「ぐ……がぁ……」

 獣のように唸り、彼は力を振り絞って腰を突き上げた。 幼女が声を上げ、彼は自分が堕ちたことを悟った。
   
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