乳の方程式

Part6 ドッキング


ズルリ… 女の腕が、蛇の様にパパガマヨの胸元に滑り込む。

ううっ… 滑る女の腕は、胸元を巨大なナメクジが這いずる様だ。

仰け反るパパガマヨ。 女はインナーウェアごとツナギをを剥いていく。

ビチャ… 喉首に女が吸い付いた。 そのまま唇を吸い付かせ、蛭の様にパパガマヨの喉首を這いずる。

「ふぐっ…ぐっ…」

体を這いずる軟体動物の如き女の愛撫…それはパパガマヨの体に異様な陶酔感を塗りつけ、そして刷り込む。

彼は目を見開いたまま、宙を漂いながら女にされるがままであった。

「い…が…」

意味を成さないうめき声をパパガマヨが漏らす。 女はネットリとした笑みを浮かべ、パパガマヨの唇に文字通り吸い付いた。

「ごぶ…ぶぅ…」

粘液質の…それでいて蜜の様に甘い唾液を滴らせ、長い舌がパパガマヨの口腔にうねりながら飛び込んできた。


ズブリ… 

粘った音が耳朶を打ち、パパガマヨの目がその源を捜す。

白い手が見えた。 二つ目の『オッパイ』から女の手が生えている。 そしてもう一つ…

『オッパイ』の褐色の乳首が広がり、黒い髪に抜けるような白い肌の女が中から…

ゆっくりと赤い目を開いて辺りを見回し、パパガマヨを見つけると彼に視線を定める。 獲物を見つけた肉食獣の様に。


不意に彼の視界が白く染まる。 パパガマヨを抱いている女が、彼の頭を胸に抱えたのだ。

粘っこい液体に濡れた、欲情した果実が彼の頭を挟み込んだ。 

思わず伸ばした手は、柔らかな果実にめり込みそのままからめ取られる。

「ぐぶっ…ぐぶっ」

乳に溺れ、息を吐くパパガマヨ。 それが堪らぬかのように震える乳。

”ああ…もっと…もっと…”

頭に響く声の命じるまま、周りを舐め、頬ずりする。

甘酸っぱい匂いを放ち、歓喜に震える白い乳。

ヌメヌメと動いて、頬を粘り這う乳の感触の心地よさがパパガマヨを捕らえて離さない。

「ぐっ?」

彼の股間に柔らかいものが触れた。

固くなった男根が別の女の胸に捕まったらしい。

「ううっ…」

女の乳の谷間は異様に粘り、股間のものに吸い付いて離れない。

ネットリとした動きで男根が摩られると、股間のモノが中から溶けていくような異様な感じに襲われた。

「ううっ?」

”くくっ…気持ちいいでしょう…”

「あうっ…あうっ…と…溶けてしまいそうだ」

”いいのよ…溶けてしまって…ゆっくり蕩けて…”

「…うあ…」

股間がどろりとした快感に支配され、それを包み込んでいる乳と一体になったかのようだ…


微かに鋭い刺激…女が亀頭を咥え、舌で刺激している。

”さぁ…”

「は…」

ド…ボリ…

異様に粘る射精感、背筋を走る濃厚な甘い疼き。 パパガマヨは背筋を逸らせ、ヒクヒクと震える。

「す…ご…」

”…感じていいの…何も考えずに…”

”おいしい…貴方…とっても…”

女達の喜びの声は、彼の頭の中に甘く響く。 

パパガマヨは逆らう事もできずに、女達の求めるままによがり狂う。


「船長、変です。バイオセル3に大量の水が流れていきます」

”チャン、おれは今船外作業中だ。お前が処置しろ”

「了解。ライリー?」

「駄目だぁ、コントロールが効かねぇや」

「手動で閉めよう。マハティーラ後を頼む」

ライリーとチャンはブリッジを出てドッキングユニットに向かう。 そこには先客がいた。

「リタ、どうした?今はナイトシフトだぞ」

「副長ぅ、パパガマヨがいないんですぅ…」

チャン副長がリタと話をしている間に、ライリーがバイオセル3のコントロールパネルを調べた。

「なんだぁ…副長、こいつは誰かが細工してやがる」

「何だって?」チャンとリタは、ライリーの示したパネルを見た。

「見ろよ、コネクタが壊れて…いや壊されてる」

「今すぐ直せるか?」

「時間がかかるぜ。 今すぐ水を止めるなら、中に入って散水栓を閉めるしかない」

「数があるな…仕方ない、リタ。手を貸してくれ」

「えー」 リタは頬を膨らませ不満を表明したが、副長命令では仕方がない。

三人はバイオセル3の内部に入った。


「うはぁ…ひっでぇ霧だぁ」

「手分けしよう、ライリーはそこを、僕とリタは奥に行く」

「それなら、反対側の入り口から入れば良かった…」

ぶつぶつ言いながら、リタとチャンは霧の中を奥に進む。

「…副長…なんか…いい匂いしない…」

「うん…なんか甘ったるい匂いが…誰か食料を盗み食いでも…まて、誰かいる?」

二人の進む先から、くぐもった声が聞こえ来た。

「パパガマヨ?…こんなところで何やっているんだ?」

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