乳の方程式

Part4 ソフト・ランディング


ビュク、ビュク…

パパガマヨを挟んだ白い果実が痙攣する様に震え、甘い匂いが立ち込めた。

「むうっ?」

どこか懐かしい甘ーい香り…それが塊となって鼻孔を満たす。

頭の中が真っ白になり、意識だけがどこか別なところを漂う様な気分になる。

パパガマヨは夢見心地で女の肌に頬ずりをした。


ビクククッ、ビククククッ… 頬を柔らかく乳房が叩き、パパガマヨの意識を引き戻した。

肩から背中にかけて、暖かい何かが広がのを感じる。

ククッ… 女が笑う気配を額に感じた。

ヌラッー… 背中を柔らかい物が這いずる感触。 女の手がネットリした何かを塗りつけている。

「おっ?(服は?)…」

彼はいつの間にか裸となり、女に抱かれて宙を舞っていた。


フカッ… 不意に背中が柔らかいものに触れる。 顔が埋まっている女の胸と、良く似た感触だ。

(これは、さっき女がでてきた『オッパイ』か…うおぅ…)

ずぶずぶと沈んでしまいそうなほど柔らかい『オッパイ』…そこにパパガマヨの背中がくるまれる。

フニュ…チュ…チュゥゥゥ… 太いヒルのようなモノが背中に張り付く…『乳首』だ。

「ひっ!?…」 

ビチャビチャと音を立て、パパガマヨの背中を嘗め回すに柔らかい『乳首』の感触に、彼はもがいて逃れようとする。 しかし手足に力が

入らない上に、『オッパイ』に手や足がめり込んで体が動かない。

ズルリと音を立てて女が体を離した。 女の乳首とパパガマヨの顔の間で、白い糸が行く筋も光る。

彼女はヌルヌルした手でパパガマヨの頬をなで、赤く光る目で彼の顔を覗きこむ。

「…?」

女は片方の手でパパガマヨの男根を撫でた…固さを確かめる様に。 あいまいな微笑を浮かべると顔が下に沈む。

うっ… 

硬直した男性自身が、柔らかい谷間で包まれ…そのままやわり…やわりと揉み解され、パパガマヨの男性自身が、えもいわれぬ柔らか

さに震える。

ヒクヒク震える亀頭が女の舌に捕まり、チロチロと尖った舌で宥められる。

ふぅっ…! ふぅっ…!! パパガマヨの息が荒くなり、その先を体が熱望する。


ふっと男性自身が涼しくなった。

パパガマヨが視線を下に向けると、女が男根を離し、互いの足を絡めるようにして宙に体を泳がせこちらを見ている。

そして、白い指が彼女自身をそっと広げ手示す…幾分赤みを帯びたそこが、白い粘液をトロトロと流し、薄い陰唇が互いを舐めあってい

る。

女の赤い目がこっちを見て、小首を傾げて悪戯っぽく笑う。

「あ…ああっ!…ウン!」 意味を成さない声で頷くパパガマヨ。 この女が何者かなどどうでも良かった。


ウフッ…ヌッ…フゥゥゥゥゥン…

女は鼻にかかった声を上げながら、白い粘液に濡れたアソコをパパガマヨ自身に擦り付ける。

くっ… 

一瞬パパガマヨの息が止まった。 女の出す白い粘液には増感作用でもあるのだろうか、柔肉の皺の一つ一つまでがくっきりと男根に

感じられる。 それでいて、彼のモノは暴発する気配がない。

ハァァァ… はぅぅぅ…

互いの性器をこすり付けあい、二人は甘い感触に酔いしれて吐息をもらす。


ずっ… 

亀頭が咥え込まれる気配に、パパガマヨは男根に意識を集めた。

ビチュ…ビチュ… 軟体動物が獲物をくわえ込むようなゆっくりした動きで、彼の男根が女に咥え込まれて行くのがわかる。

「あ…ああっ…ああああっ…」 

ビラビラした襞が亀頭をすべり、カリに巻きいた。 カリのしたを擽りながら陰茎に粘りつく。

「くっ…くくっ…」

…デ…イデ…

じわじわと女の粘膜が彼の男根を包み込むにつれ、何かの声が聞こえて来る。

…オイデ…オイデ…

「あ?…ああ…」

…オイデ…キテ…

粘膜が陰茎を滑り落ち、彼の陰嚢を包み込み始めた。 ウニョウニョと蠢く粘膜の心地よい感触、彼自身の中で生み出される快感が混然

となってきた。

互いの性器が溶け合って、一つになってしまったかのようだ。 体の中が、女の粘液の様にトロリと溶けて…そして性器の所で女とつな

がった。

あ…ぁぁ… 

頭が真っ白になった。 溶けた自分の一部が女の中に、ゆっくりと吸い出されていく。

ドクリ…ドクリ… 

男根が、震えながらパパガマヨを女の中に放つ。 

ニュルリ… ニュルリ… 

女の中からヌルヌルしたものが入って来るような感触。 それが甘酸っぱい快感となって、パパガマヨの中に広がっていく。

ビクリ…ビクリ… 二人は震えながら絶頂の中を漂った。

”…これで話ができる…愛しい方…”

「…ああ…」

パパガマヨは、頭の中に聞こえてくる女の声に頷く。 その声は彼の心に心地よく響き、彼の心には何の疑問も浮かばなかった。

女は愛しげにパパガマヨに身を摺り寄せる。

二人は『オッパイ』の上で、再び互いを求め合う。


”ミスター・パパガマヨ、応答して。ミスター・パパガマヨ!”

バイオセルを漂うヘルメットから、ルウの声が響く。

ヘルメットは壁にぶつかり、反動で反対方向に流れていく。


「ルウ?」ブリッジでパパガマヨを呼び続けるルウの肩越しに、チャン副長が声を掛けてきた。

「応答がありません…居眠りしていても起きるはずですけど…」

「船長は?…食堂か」 一瞬考えマイクを取る。

「船長、チャンです。バイオセル3のパパガマヨが応答しません。位置も特定できません」

僅かな間の後、船長が応えた ”…中の様子は?漏れ出した水は回収できたか?” 

「『アップル・シード』の辺りだけ霧が残っています。水は…」ルウが水量計を確認する。「約100?が未回収です」

”ちっ…ランセン!機関部員で手の開いている奴2名をバイオセル3に、機関部側ジャンクションから入れろ。マドゥーラ!”

”『クッキー』の分析中だよ”マドゥーラ医務長の声がスピーカから流れる”リタ。あんたいっとくれ”

”はーい” 鼻にかかった看護師リタの声がかぶる。

”リタはジャンクションのハッチ前で待機。ランセン、自走カメラでパパガマヨを捜せ、確認できてから機関部員を入れろ。宇宙服を着せる

のを忘れるな”

”了解”


バイオセル3の中で、白い粘液にまみれて気を失った裸のパパガマヨが『救出』されたのは、それから30分後の事だった

【<<】【>>】


【乳の方程式:目次】

【小説の部屋:トップ】