第二十七話 チェンジ

5.初体験


 タカシと少年は連れだって昨晩の店に向かう。

 「おまえ、なんて名前だ」

 「聞かない方がいいんじゃない」

 少年はそう言って口元だけで笑った。

 「何かあったとき、困るでしょう? 僕らは他人同士」

 「そう……だな」

 (子供っぽいようで、妙にすれてやがる)
 

 「あら?」

 呼び込みに立っていたのは、昨日は店内で受け付けをしていた女だった。

 「昨日は慌てて帰ったから、もう来ないかと思ったわ」

 女に片手をあげて答え、店に入ろうとする。

 「あ、いけない」

 少年が立ち止まる。

 「今日はお金がないんだった」

 タカシは足を止め、肩越しに振り返る。

 「ごめんなさい、お兄さん。 ボクは帰るよ。 また今度」

 そう言って、少年は小走りに去っていった。

 「今度? なんだあいつ?(たかるつもりかと思ったが……)」

 タカシは少し躊躇ったが、結局店に入ることにした。

 「あら、いらっしゃい。 昨日の方ね」

 「ああ」

 素っ気なく言い、財布を出す。

 「昨日は急用でもありましたか? 昨日の続きという事で、そのままサービスにも入れますけど、どうします?」

 「ん……そうだな……(ショーを見ると、その分取られるよな……)」

 タカシは女の案内で奥の部屋に通された。 シャワーユニットのついたベッドルームだ。

 「こちらをお使いください。 直ぐ参りますから」

 「ああ」

 シャワーを浴び、備え付けのバスタオルで体をふいていると、ノックの音がした。

 「入れよ」

 ノブが回って中に入って来たのは、あのアマリアだった。

 「いらっしゃいませ、ベッドへどうぞ。 直ぐに参ります」

 「あ、うん……(よりによって、アマリアか……)」

 タカシはベッドに腰かけ、昨日の少年とアマリアの絡みを脳裏によみがえらせた。 少年がアマリアの腕の中で悶え狂う様を……

 
 ギシッ

 ベッドのきしみ音でタカシは我に返った。 シャワーを浴びてきたアマリアがバスタオル一枚の姿で隣に座っていた。 湯上りの女の匂いが、タカシに

にじり寄ってくる。

 「お待たせしましたわ」

 「あ、ああ」

 タカシは慌てたのを誤魔化しながら、アマリの胸元に手を伸ばす。 胸元を覆うバスタオルがはらりと落ち、豊かな乳房が目に飛び込んできた。

 「へぇ……」

 ガラス越しに見たときとは迫力が違う、見事な乳房だった。

 「昨日はあんなガ……いや、子供相手にと思ったけど、綺麗なおっぱいだな、あんた」

 「あら、有難うございます」

 アマリアは、タカシの手を自分の胸に導いた。 白く柔らかい乳房が、手のひらに吸い付いてくる。 タカシは乳房に顔を埋めてみた。 そのまま顔を揺らし、

女の温もりと、優しい香りを楽しむ。

 「失礼しますね」

 アマリアはタカシの腰のタオルを取り払い、彼自身を露わにする。 そそり立つモノに挨拶するように口づけすると、乳房の谷間にタカシ自身を迎え入れた。

 「あ……」

 フワフワと柔らかい感触が、タカシ自身を包み込む。 アマリアはそのまま乳房の谷間で彼を愛撫する。

 (ああ……)

 心地よさに目を閉じると、乳房の感触以外が消え失せていく。 全身が谷間に包まれ、愛撫されているようだ。

 (あ……あ……)

 身をよじって愉悦を訴えるタカシ。 女のような喘ぎが口から洩れる。

 はぁ……

 「心地よいですか? いつでもいってよいですよ」

 アマリアのお許しが出た、とぼんやり思ったとき、体の芯を蕩かすような甘い疼きがこみあげてきた。

 あ……ああ……

 人差し指を口にくわえて堪えるタカシ。 しかし、こみあげてくる快感に逆らえない。

 あ……

 優しい温もりの中でタカシは達した。 体を満たす絶頂に意識が白く塗りつぶされる。

 
 う……

 はっときがつくと、タカシはアマリアの乳房で達していた。 彼女は白く汚れた乳房を丁寧に吹き清め、ベッドから離れてシャワーを浴びる。 その間、

タカシは気だるい余韻に浸り、ベッドに座っていた。

 すぐにアマリアが戻ってくる。

 「や、すまん。 あんたの乳房がすごくよくて、堪えきれなかった」

 「それはどうも」

 アマリアはタカシの太腿に跨って来た。 豊満な胸が目の前に迫る。

 「凄いな……」

 タカシは、またアマリアの胸に顔を埋めた。 柔らかい乳房にが頬をくすぐる。

 「そういや、昨日のショー。 あの子が女に化けて見せたのはどういう仕掛けだ?」

 「あら? あの子にお聞きになったんじゃないんですか?」

 くすくと笑いながら、アマリアは胸を彼に押し付ける。

 「聞いたけど……このおっぱいを飲むと、女になるとか、変な事を言ってはぐらかすんだ」

 「本当ですよ?」

 そう言ってクスクスと笑うアマリア。

 「試してみます?」

 乳房を持ち上げ、乳首を彼の方に向ける。

 「おいおい……」

 タカシは苦笑しながら、乳首を舐めた。 乳首の先で味が変わる。

 「おや?」

 乳首に吸い付くタカシ、そのまま乳首を吸う。 口の中に苦いような、奇妙な味が広がる。

 「うふ……どうぞ……」

 「あ……うん……」

 いつの間にか、タカシは夢中でアマリアのおっぱいを吸っていた。 口の中に広がる味は、そのまま体に沁みんで広がっていくようだ。

 (ああ……)

 体の中にアマリアの乳が広がっていく。 頭の中が乳白色に染まり、胸の辺りまでが白く、白く染め上げられる。

 「うっ!」

 心臓が脈打つ。 ドクンドクンドクン。 一気に乳が体に広がっていく。 手足から力が抜け、全身が弛緩し……そして腰に、タカシ自身に優しい温もりが

溜まっていく。

 「ああ……」

 タカシ自身が屹立し、内からの圧力に震える。 痺れるような心地よさが、根元からせり上がり、男性器全体がたまらなく気持ちよくなり、止められなく

なる……

 「あ……いく……」

 「いっていいですよ……さぁ……」

 アマリアに囁かれるままに、タカシは己自信を解き放つ、いや放ったつもりだった。

 「あ?……ああっ!」

 熱い快感が股間を突き上げた。 だが、いつもとは違う。 あの、あふれ出る感覚がない。 熱いモノが男性器満たす快感が止まらない。

 「と、溶ける……蕩けそう……」

 「よいのですよ……さぁ……蕩けておしまいなさい……トロトロと、トロトロと、気持ちよく、蕩けておしまいなさい」

 股間が蕩ける。 あり得ない。 だが、そう表現するしかない目のくらむような快感に、股間が溶けていく。 その快感は、留まることなく体に広がっていく。

 「気持ちいい……蕩けそう……ああ……」

 初体験の快感に、タカシはベッドの上で身もだえする。 アマリアは、その体を優しく抱きしめ、全身で愛撫していた。 極上の快感と幸福感の中で、

タカシは自分が溶けていくのを感じた。

   
【<<】【>>】


【第二十七話 チェンジ:目次】

【小説の部屋:トップ】