第二十六話 山の女

4.山姫姉と


 吾作達が『山姫姉』に遭遇した翌日、百姓たちはいつものように野良仕事に精を出していたが、山で仕事をする木挽き衆は、庄屋の家に集まり、馬屋の

中で『山姫姉』の対策を話し合っていた。

 「吾作どん任せるんじゃ駄目け?」

 「皆の問題だべ。 『山姫姉』が吾作どんを気にいんかったら、どする? それに、あの『倍櫓(バイヤグラ)』使わすんか」

 彼らは藁むしろの上に座っていたが、その隣には同じように藁むしろが引かれ、三人が横になり、うんうん唸っていた。 彼らは『倍櫓(バイヤグラ)』の

効能を聞き、試し飲みをかってでたのだが……

 「確かにアレはでかくなって、半刻立ちっ放しにはなったども、突っ張らかって、腫れたみたいで往生したっていうぞ」

 「やっぱ、薬で無理させたからのぅ」

 うーんと唸る一同。 ちなみに吾作は昨日の疲れで、まだ寝ていた。

 「マタギ衆に声かけて……ってのはどだ? あっちも山にいけんで、困っとっけ」

 「種子島がきかんかったらそれまでだべ」

 再び黙り込む木挽き衆。

 「やっぱ、『倍櫓(バイヤグラ)』と吾作どんに頼るっかねえべ」

 「しかねぇかなぁ」

 あまり役に立たない相談をしていると、表が騒がしくなった。

 ”おおーい!! 山からでっけぇおなごがおりて来たぞぉ!”

 はじかれた様に飛び上がる一同。

 「き、きただ」

 「お、落ち着くだ。 まんず村長に任せるだ」

 「おぅ。 おら、吾作さ起こしてくるだ」

 
 『山姫』と『山姫姉』はのっしのっしと山から続く道を歩いてきた。 村の外れまで来ると、村長、庄屋、和尚が彼女達を出迎えた。

 「『山姫』様、ようお越しくださいました」

 「主らは、村のまとめ役か?」

 『山姫』は、若い女の声で村長達に話しかける。 意外に思いながら、村長が代表して応じる。

 「はぁ、そうですだ。 前にいらしたのが、えりゃぁ昔なんで、作法もよう判りませんだ。 無礼があっても許してくださいませ」

 「なに、礼儀知らずは我らも同じ。 今日ここに来たのは、男あさりじゃ」

 「はぁ」

 やっぱりそれかと思いつつ、村長は二人を寺の本堂に案内した。

 
 「なぁ、村長殿」 和尚が渋面を作る。

 「気持ちは判る度も、こげな大きい方ぁ入れられるとこは、他にねぇべ」

 寺の本堂、ご本尊の前は村の建物の中では一番広い。 ここで『山姫姉』を接待しようというのだから、和尚は難色を示した。 村長と庄屋は頭を下げ

まくり、最後は半ば強引に押し切ったのだ。

 
 「あれがご本尊か」

 庄屋たちが驚いたことに、本堂に入った『山姫』と『山姫姉』ご本尊に手を合わせた。

 「意外か?」

 『山姫』が聞き、庄屋はつい頷いてしまった。

 「我らは別に仏と敵対はしておらぬぞ。 それにここは。仏の為に建てられたものであろう。 家主に礼を見せて不思議はあるまい」

 「は、はぁ」

 だったら、山にこもって村に男あさりにこなくても、と庄屋が考えていると、本堂に吾作が入って来た。

 「ども」

 「ん? 主は昨日の子供か?」

 「いや、おらは立派な大人だ」 ちょっと傷つきながら、吾作は答えた。

 『山姫』と『山姫姉』はちらりと目くばせし合う。

 「もう少し大きいのがいるかと思ったが、主が一番か?」

 『山姫姉』は失望した様子だったが、吾作は胸を張って応える。

 「昨日は、二回目だったから疲れていただ。 今日は、きっちり休んできただよ」

 そう言いながら、腰に付けた『倍櫓(バイヤグラ)』ひょうたんを手に取り、グイっとあおる。

 「む?」

 『山姫』と『山姫姉』が見ているうちに、吾作の様子が変わって来た。 顔色が多少青ざめ、同時に腰巻の辺りがメリメリと音を立てる。

 「ぐわっ!?」

 バッチンと音がして、吾作の腰巻と褌が吹っ飛んだ。 そして赤黒いこん棒の様なモノが跳ね起き、吾作の腹を強く叩いた。

 ドン

 まるで太鼓を鳴らしたような大きな音がした。

 
 「なんと」

 「これは凄い!」

 『山姫』達と庄屋たち双方から、称賛の声が上がった。 もっとも吾作本人は、顔が青ざめやや足元がふらついている。

 「む、主は具合が良くないのではないか? ちとおしいが、相手を頼むのは後日としては……」

 「い、いや、大事ないだ。 さ、みなここを出るだよ」

 一同は躊躇したが、吾作が強い言葉で皆に去るように言ったため、吾作を残してその場を後にした。 本堂の扉が閉められ、なかは薄闇に包まれる。

 
 「ふむ……我が下になるのが良いな」

 『山姫姉』は本堂の床にごろりと転がり、足を開いた。

 「きやれ」

 吾作はひざを突き、『山姫姉』の足の間までいざる。 実のところ吾作は強いめまいを感じていた。 血がモノに集まりすぎ、貧血を起こしかけていたのだ。

 (なせばなる……だ)

 普段でも持て余す巨根は、薬の力で文字通り倍化していた。 吾作は『山姫姉』の秘所にモノを宛がう。

 「ぬぅ……」

 『山姫姉』の秘所は、薄闇の中で白々と光る花の様だった。 それが吾作の巨根を呼んでいる。 吾作は、大きく息を吸って『山姫姉』の中に巨根を沈め

ていく。

 「ぐぐっ……」

 吾作が苦鳴の呻きを漏らした。 薬の力でパンパンに膨れ上がったモノ。 それが擦りあげられる、痛みに息が詰まりかけた。

 「苦しいのか?」

 『山姫姉』がの声に憂いがあった。

 「い、いえ」

 否定するも、吾作の額に脂汗が滲み、目の前が真っ暗になりそうだ。

 「あせるな、ゆるりと動くが良いぞ」

 吾作の巨根の締めが少し緩み、暖かな滑りがモノを包んむ。

 「あ?」

 ヒリヒリする痛みが引き、気分が楽になってきた。 といってモノが力を失ったわけではない。 熱い猛りが腰に集まっている。

 「さ、まいれ」

 「は、はい」

 吾作は、滑りに導かれるように『山姫姉』の中に巨根を突き入れた。

 ズブズブズブ

 「うぉぉ」

 「あぁ」

 吾作のモノを、『山姫姉』の肉襞が包み、優しく撫でる。 それは天女の抱擁のように優しく、同時に淫らな肉の誘いでもあった。

 「ああっ、あああっ、ああああっ!!」

 ヌルヌルと誘う肉の感触に、吾作の意識はどこかにいってしまい、体だけが『山姫姉』に応える。 二人の間には、子供と大人程の体格差があり、吾作は

『山姫姉』のへその上あたりに顔を埋め、腰骨を強く抱きしめ、イモムシのように腰を突き入れる。

 「おう、頑張るのう……お……おお?……ああ」

 余裕を見せていた『山姫姉』の声が艶を帯びてきた。 吾作のモノが、その神秘の奥底に届き始めたようだ。

 「ああ……よい……よいぞ……」

 「う……うぁ……」

 吾作の巨根が『山姫姉』の奥を叩く。 歓喜に震える肉襞と、ザラリとした神秘の壺が巨根を抱きしめそれに応える。

 「こ、このような男は……は、初めて……」

 「あああ……ひ、姫様ぁ……」

 それは、どちらにとっても初めての体験だった。 薄暗い闇の中、二人の歓びの宴はいつ果てるともなく続いていく。

 
 「おい、本堂がゆれてるべ」

 「あ! 瓦が落ちて来るぞ」

 「落ちたら割れるだ! 受け止めるべ!」

 表の方も騒ぎになっていた。
   
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