第二十一話 骨喰の宿

24.格安の宿 その漆


 わたあめお姉さんのおっぱいにいかされた少年は、地面に横たわって余韻に浸っていた。 と、男になったばかりの彼自身に何かが触れた。 頭を上げて

自分のソレを見る。

 「ええっ?」

 わたあめお姉さんが彼の足に跨り、ピンク色の手で彼自身を摩る様に動かしていた。

 「何を……」

 「ふふっ。 今度はここで、私を味わさせてあげるわ」

 くすぐるような手の動きに誘われるように、少年自身が立ち上がって天を向いた。

 「『棒』の準備はできていわね。 さ、わたあめを巻いてあげる」

 わたあめを姉さんは、両手で少年の『棒』を囲む。 すると、彼女の手からピンク色の糸がシュルシュルと音を立てて放たれ、『棒』に巻き付き始めた。

 「お、お姉さん?

 「私に任せて」

 少年の『棒』は、すぐにピンク色の糸の向こうに見えなくなったが、少年は逆に、自分の『棒』が柔らかいものに締めあげられていくのを感じた。

 「お、お姉さん。 そ、そんなところにわたあめを巻いちゃ……あれ?」

 少年は瞬きした。 丸い塊になって膨れていたピンク色のわたあめが、次第に何かの形になっていく。 はっと気が付くと、わたあめの向こうにいたお

姉さんの姿がぼやけていく。

 「ええっ?」

 わたあめは、みるみる姿を変え、女性の下半身にの形になってしまう。 あっけにとられる少年の耳にお姉さんの声が聞こえる。

 ”面白いでしょう? 私の体は『わたあめ』そのもの、こんなこともできるんだから”

 はっと気が付くと、彼の足に座っていたお姉さんの姿が徐々ぼやけていく。 彼の『棒』に巻き付いてくるのと逆に、彼女の体がほどけているようだった。

 「わぁ、凄い」 少年は素直に驚きの声を上げる。

 ”ありがと。 じゃあ、私をじっくりと味わってね♪”

 「え? どういう意味……ん」

 彼の唇に柔らかいものが触れる。 宙に舞うわたあめが、お姉さんの顔になって彼の唇を奪ったのだ。 続けて、柔らかい舌が彼の口に滑り込む。

 「んむ……」

 舌を絡め返すと、お姉さんの舌がみるみる溶けて、甘い味が口の中に広がる。

 「んんー」

 わたあめお姉さんの甘みが口の中に広がった、とおもうとその甘さが体に沁みとおっていく。 少年は体が熱くなっていくのを覚えた。

 「あ、熱い……くうっ」

 彼の『棒』がぎゅっと圧迫された。 いや、『棒』が固く膨れ上がったのだ。

 ”ふあっ……大きい……”

 お姉さんが喘いだようだった。 少年の腰の上には、相変わらずお姉さんの下半身しか見えず、腹から上はぼやけて宙に溶け込んでいる。 そして、いつの

間にか彼を包み込んだピンク色の霞、どうやら、お姉さんの体が彼を薄く取り巻いているらしかった。

 「お姉さん?」

 ”私は貴方を薄く包み込んでいるのよ……さぁ……動いてごらんなさい”

 「動く?」

 ”そう……わたあめを、私をからめとる様に……”

 少年はちょっと考えてから、腕を宙に挙げ、円を描く様に回した。

 ”ああっ……そう……”

 腕にわたあめが絡みつき、離れていく感触があった。 そして……

 「ふわふして……なんか気持ちいい……」

 腕に絡みつくわたあめの糸が、肌に粘りつき、名残惜しそうに離れていく。 その時、肌に不思議な甘い感触が残るのだ。 少年はうっとりとして腕を回し、

わたあめの感触を楽しむ。

 ”そう……うまいわ……”

 少年にかき回されると、わたあめお姉さんも気持ちがいいらしく、声が艶を帯びてくる。 そして……

 ヌルリ……ヌルリ……

 「ひゃう」

 固くなった棒に滑ったものがこすれる感触。 少年は思わず身を縮めた。

 ”あん……やめないで……ね……お願い……”

 濡れた女の囁きに従い、少年は両手で宙をゆっくりとかきまぜる。 わたあめの糸は次第に粘り気をまし、それにつれて腕に感じる甘い感触がはっきりして

くるようだった。

 「はぁ……はぁ……」

 ”あぁ……あふぅ……”

 悩ましい少年の喘ぎに、お姉さんの喘ぎが混じる。

 ”もっと……”

 お姉さんが求め、少年は上体を起こし体をくねらせた。 みずみずしい少年の体に、粘るピンク色の糸が絡みつく。

 ”ああ……感じる……”

 「ぼくも……ああ……」

 ヌルヌルと粘りつく糸に包まれ、少年は上半身が溶けていく様な錯覚を覚えた。 そして彼の『棒』は、ヌメヌメと蠢く無数の糸に纏いつかれ、甘い快楽の

滑りの中に震えていた。

 「お姉さん……また、溶けちゃいそう……」

 ”お姉さんも……さ……一緒に……”

 お姉さんに促され、少年は蕩けそうな感覚に身を委ねる。

 「ふぁぁ……」

 ”ああっ……ああああっ……”

 固く膨れ上がった『棒』の付け根から、熱い快感が吹きあがり、棒の先から迸る。 そして彼を包んでいたヌルヌルの糸が激しく震え、熱い快感をいっそう

高める。

 「いくっ……いくぅぅぅ……」

 ”ああああっ……”

 二人の声が、ピンク色の霞の中に溶けあう。 その瞬間、少年はお姉さんと溶けて交じりっていく様な錯覚を覚えた。

 「ふぁ……ぁぁぁぁ」

 ”うふ……ふふふふふふ……”

 ピンク色の霞が次第に濃くなり、やがて少年の意識は甘く黒い闇の中へ沈んでいった。

 
 「……うん?」

 「……あ」

 野球帽の少年が目を覚まし、続いて麦わら帽子の少年が起き上がる。 二人が顔を上げると、水飴お姉さんとわたあめお姉さんが二人を覗き込んでいた。

 「どうだった? 私たちの味は?」

 「堪能してもらえた?」

 二人の少年は顔を見合わせ、真っ赤になった。

 「う、うん」

 「なんか……凄かった」

 「喜んでもらえて、私たちもうれしいわ」

 「じゃあ……今日はもうお帰りなさいね」

 そう言うと、二人のお姉さんは二人の少年を立ちあがらせ、服を着るのを手伝ってくれた。

 「……また来れるの? ここに」

 「……お姉さん」

 二人の問に、お姉さんたちはあいまいな笑みを浮かべる。

 「それは、運次第ね」

 「そうね……そうそう、今日の事は……みんなに話しなさいね」

 「え?」 少年たちは瞬きした。

 「話して……いいの?」

 「こういうのって、他の人に話しちゃだめって流れじゃないの?」

 「そんなことはないわ。 信じてもらえる保証はしないけど」

 「いくらでも話てかまわないわ」

 そう言って水飴&わたあめお姉さんは、手を振って二人の少年に別れを告げた。

 
 「……帰しちゃった」

 「……足を踏み入れたが最後。 ニ度と帰れぬ骨喰いの宿、なんじゃなかったけ?」

 「……わたあめ……」

 「……ミズアメェー!……」

 エミたちは顔を見合わせた。
    
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