第二十一話 骨喰の宿

21.格安の宿 その肆


 水飴お姉さんが野球帽の少年を誘惑する様子を、エミ、麻美、ミスティ、スーチャンが物陰から食い入る様に覗いている。
 

 「買ってくれるんだ♪ うれしい」

 「は、はい!」

 勢い込んで応えた少年だったが、次にどうすればいいのか判らないようで、そのまま突っ立っているだけだ。

 「んふ……あのね」

 水飴お姉さんは少年の手を取ると、下の方に導いていく。

 「水飴はね、飴の入った瓶に棒か指を入れて、飴をからめとるのよ」

 「飴を……」

 「そう、こんな風に……」

 「えっ!?」

 水飴お姉さんは少年の指を自分の秘所に導いたのだ。 唖然としている少年は、彼女に誘われるまま、その秘所に指を入れてしまう。

 「ああーん♪」

 「わ、ご、ごめんなさい」

 「いいのよ……ほら、中をかき回して……飴をすくいとるのよ……」

 少年の指が水飴お姉さんの赤い秘所の中で円を描くと、彼女は喘ぎ声を漏らしながら腰をゆすった。

 「ほら……」

 少年の指が秘所から抜けると、指がべっとりと『赤い水飴』で濡れ、それがお姉さんの秘所のと少年の指の間に糸を引いている。

 「……」

 『そこ』は、少年の認識では不潔な場所で、当然手に着いたそれも口にするどころか顔に近づけるのもためらわれる様なもののはずだ。 彼がためらって

いると、お姉さんが少年の手首をつかみ、ゆっくりとそれを顔に近づけさせる。

 「匂いをかいでごらんなさい」

 「う、うん」

 少年は、自分の指を濡らしている赤い液体の匂いを嗅いだ。 確かに甘い香りがする。

 「私の体は『水飴』そのもの、それね正真正銘の『水飴』よ」

 「そうなんだ……」

 少年はおずおずと舌を伸ばし、自分の指を濡らしているお姉さんの『水飴』を舐めた。

 「うわ、甘い……」

 「でしょう」

 納得いったのか、少年は自分の指を口に入れ、『赤い水飴』一気に舐めとった。

 「ほんとに甘いや……」

 「もっと舐めていいのよ?」

 水飴お姉さんに言われ、少年は今度は自分から指をお姉さんの秘所に差し入れ、中をかき回す。

 「あん……ああん……」

 水飴お姉さんは、少年の指が動くのに合わせるように悶え、少年の指と手を赤い水飴で濡らした。

 「すごいや……」

 手を濡らす赤い水飴を少年は舐める。 舌に染み込む不思議な甘さだ。

 「気に入ってくれた? 今度は……直に舐めてみない?」

 「え?」

 お姉さんの方を見ると、彼女は安物の折り畳み椅子に腰を下ろし、足を大きく広げて秘所を少年に見せつけている。

 「……いいの?」

 頬を赤らめながら少年は聞いた。 お姉さんは大きくうなずいて、少年を手招きする。

 「さぁ……舐めて……」

 少年はフラフラと誘われるままにお姉さんの前に膝まづき、その赤い秘所に口づけして舌を伸ばす。

 「あ……」

 (わぁ……甘くておいしい……)

 少年は夢中になって『水飴』を舐める。

 ペロペロペロ……

 「もっと……お舐めなさい……」

 お姉さんの中からは、とろとろと赤い水飴が流れ出し、少年の舌を、そして口を赤く塗らす。 少年は犬の様に『水飴』を舐め続けた。

 はふぅ……

 息が切れたのか、少年が舐めるのを中断してため息を漏らした。 それを見た水飴お姉さんは、椅子から立ち上がる。

 「もう、終わりなの?」 少年が切なそうな顔で尋ねた。

 「今度は、別な味わい方を教えてあげる」

 そう言って、お姉さんは少年を立たせると、今度は自分が少年の前にひざまずいた。 そして、半ズボンに手をかける。

 「な、何をするの……」

 「お姉さんに任せなさい。 ね?」

 にっこりと笑われると、少年は何も言えなくなった。 真っ赤になってお姉さんの顔を見ている。

 「『水飴』はね『棒』に絡めるって言ったでしょう♪」

 そう言うと、お姉さんは少年のズボンを下ろし、パンツまで下してしまった。 可愛らしい『男の子』が、緊張で固くなって『気をつけ』をしている。

 「あ、あの……」

 「心配しなくて、お姉さんに任せて♪」

 水飴お姉さんは、少年の『棒』の上に赤い手をかざした。 赤い半透明の柔らかそうな手から、『赤い水飴』が滴り、少年の棒を濡らしていく。

 「こうやって……『棒』に『水飴』を巻いていくのよ……どう?」

 「……」

 少年は応えなかった。 『赤い水飴』が彼の『棒』に触れた途端、今まで感じたことのない不思議な感触が、彼を襲ったのだ。

 (なに……これ……)

 『棒』が未知の感覚に包まれていく。 不安と、そして得体のしれない何かが湧き上がってくる。

 「お、お姉さん……なにか……へん……」

 「嫌? 嫌ならやめるわ……」

 少年は躊躇し、そして応える。

 「やめないで……」

 「いい子ね……存分に味わいなさい……」

 少年は、自分の棒に意識を集中した。 いや、意識がそこに引き込まれていく様だった。

 (あ……『甘い』……)

 そこで味を感じるはずはないのに、彼の『棒』が『甘ったるい』感触に包まれ、それが中に染み込んでくる。

 「あん……甘い……いい……変に……あっ、だめっ!」

 「いいのよ……どうなってもいいの……恥ずかしくないから……『甘い』のに身を任せなさい……」

 お姉さんに言われるまま、少年は『棒』を包む『甘い』感触に身を任せる。 赤い水飴が『棒』だけでなくその下まで包み込み、ヌメヌメとした感触で這い

まわっているようだ。 お姉さんは、『棒』で味わうと言っていたが、自分の方が舐められているような気になってきた。 そして、甘ったるい感じが頭の

中にあふれ、『棒』が心地よく痺れてきた。

 「あ……あ……いい」

 キューと股間が縮み上がり、『棒』何か吹き出した。 とても気持ちが良く、頭がボーっとしてしまうほどだった。

 ヒクヒクヒクヒク……トクン……

 「あ……はぁ……」

 少し経つと、気持ちが落ち着いてきた。 余韻に浸っていた少年は、突然声を出した。

 「ああ、ごめんなさい! ぼく……ぼく……」

 「なあに? ああ、初めてだったのね? 大丈夫よ、おもらししたんじゃなくて、貴方が大人になった証拠なの」

 お姉さんはやさしくいうと、立ち上がって少年を抱きしめた。 赤くプルンとしたお腹に、少年の顔が埋まる。

 「そうなの? 良く判らないけど……」

 「いいの……」

 そう言って、水飴お姉さんは少年を優しく抱き留めていた。

 「ね……」

 「……なに?」

 「今度は、貴方が『棒』になってみない?」

 「え?」

 少年は顔を上げた。 水飴お姉さんが微笑んで、彼を見下ろしている。

 「僕が『棒』に……」

 「ええ……」

 そう言って水飴お姉さんは、体をゆすった。 腕や足、顔など肌が露出しているところが、お姉さんの赤い肌と擦れ合う。

 ピクン

 少年が震えた。

 「ひゃぁ?」

 「うふ、お肌が……気持ち良かったでしょう」

 「う、うん……」

 彼女の言う通り、赤い肌は冷やっこく、粘っこく、触れ合ったところは気持ち良いかった。

 「今度は裸になって、体全体でお姉さんを味わうの。 どう?」

 「あーうん……」

 少年は、言いよどみ、上を見たり、下を見たりした。 そして。

 「お金が……」

 水飴お姉さんは吹きだした。

 「大丈夫よ、これもさっきの料金の内だから」

 「そ、そうなの」

 ほっとした様子の少年を、水飴お姉さんはきゅっと抱きしめた。

 
 「まだやるようよ」

 「300円で?」

 「過剰サービスもいいところね」
   
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