第二十話 新しいママ

10.『ボク』は誰?


 『新しいママ』の寝室の扉を閉め。一歩前に踏み出した。 視界にドレッサーの鏡が入り、なにげなくそちらを見た。

 ’……わぁ……’

 自分のベッドに突っ伏したとき『ボク』は男だったはずだった。 でも、ドレッサーに映った『ボク』はすっかり女の子になっていた。 もっともおっぱいは小さく、

体つきも骨っぽかったけど。

 ’ほんとに女の子になってる……’

 ”そうよ……もう少しで完全に女の子になれるわ……”

 『新しいママ』にそう言われると、なんだか嬉しくなってきた。 その時、ママとは別の声がした。

 ……ゲロ

 ’?’

 ……ニゲロ

 ’……誰?’

 『ボク』はぐるりと辺りを見回す。 ここは『新しいママ』の寝室で、ベッドの上ではママがボクを見て微笑んでいる。 ほかには誰もいない……いや、ベッドの

脇に何かがうずくまっている。 それは人みたいに見えた。

 ’……誰?’

 ……パだ……逃げろ……逃げるんだ……

 ’パパ……’

 白い靄がかかった頭の中に、男の人の顔がぼんやりと浮かび上がる。

 ’……そうだ……パパだ……何?……何を言っているの……’

 『ボク』は『パパらしいひと』に聞いた。 『パパらしいひと』と言ったのは、その人が随分年を取っていてパパに見えなかったからだ。

 ……逃げろ……そいつは……お前を……変えようとしている……

 ’変える?……’

 『ボク』は『パパらしいひと』を見て、それから『新しいママ』を見る。

 ’変えるって……ボクを女の子にすること?’

 ”ええ、そうよ”

 『新しいママ』がにっこりと笑った。 胸がドキドキするようなきれいな笑顔だった。

 ”きっとはパパは『ボク』が女の子になるのが寂しいのね”

 ’フーン……’

 『ボク』はあいまいに頷いた。 どうでもいいことのように思えたんだ。

 ”きっとはパパは『ボク』が女の子になるのが寂しいのね”

 ……ち……違う……そうじゃ……グッ……

 『パパらしいひと』はおかしな声を出して黙ってしまった。 その人の様子が少し気になったけど、ママの顔を見ているとそんなことは気にならなくなってきた。

 ”さぁ……おいで……”

 ’はい……ママ……’

 
 ベッドに上がり、『新しいママ』の胸に顔を埋める。 ママの胸は柔らかくとてもいい匂いがする。

 ”ふふ……『ボク』の胸も柔らかくなってきているわよ”

 『新しいママ』の手が『ボク』の胸をゆっくりと揉む。 『ボク』のおっぱいはとても小さい。 それがママに揉まれると、ゆっくりと膨らんでくるのが判る。

 ’ふぁ……’

 ただ膨らむだけじゃなく、胸がボーっと暖かくなり、ふんわりした気分になってくる。 それがとても心地よくて、体から力が抜けて『新しいママ』にされるが

ままになってしまう。

 ”気持ちいいの?”

 ’うん……ふわーっとして……すごくいい気持……’

 ”うふふ……じゃぁもっと良くなりましょうね……ママのおっぱいを吸って”

 ’はぁい……’

 ママの胸に軽く口づけをし、乳首を咥える。 そっと転がすようにした先でつつくと、甘酸っぱい味が口の中に広がってくる。

 ’あ……あぁ……’

 甘酸っぱいママのミルクは、口の中から体の中へと沁みとおり、ボクの体を甘酸っぱい心地よさでいっぱいにする。

 ’気持ち……いい……’

 ”そうでしょう……御覧なさい……”

 『新しいママ』が『ボク』の体を半回転させ、『ボク』からドレッサーが見えるようにした。 ドレッサーの鏡に、ふくよかな『新しいママ』に抱きすくめられた

少女の姿が映っている。

 ’ああ……’

 鏡の中の少女を『新しいママ』の手が弄っている、胸と女の子の大切なところを。

 ’ああっ……あああっ……’

 鏡の中の女の子は、腰を振り、体をよじって気持ちよさそうにしていた。 その胸はゆっくりと膨らみ、体が丸みを帯びて次第に『女の子』から『若い女』へと

変わっていく。

 ’いい……きもちいい……の……’

 ”ふふ……一度女の歓びをおぼえたから……スムーズに変わっていくわね……”

 『新しいママ』は背後から『ボク』を抱きしめ、舌で首筋を舐め始めた。 その舌がデロリと伸びて、乳首を舐めあげる。

 ’にゃぁ……’

 ”くふふ……さ、また熱いミルクを注いであげましょうね”

 そう言った『新しいママ』の背後に、黒いもの−−翼が広がった。 そして『ボク』足の間で、黒い蛇の様な『新しいママ』の尻尾がビクビクとうねる。

 ’あついミルク?……’

 ”そう……覚えているでしょう? アソコへこれが入って来て、お腹の中に熱いモノを注がれたことを……”

 ’あ……’

 『ボク』は思い出した出した。 正確なには『ボク』の体が。 あそこがジンジンと痺れ、抑えきれない欲望が頭の中に溢れかえる。

 ’お、お願い……’

 ”なに?”

 ’してぇ……’

 鏡の中の少女、いや娘が淫らな顔でおねだりをし、さっきまでただの割れ目だったところが淫らに口を開き、だらだらと熱い欲望の滴を垂れ流し始めた。

 ”素直なのはいい事ね……さぁ……してあげる……そして男の子だったことなんて、忘れさせてあげるわ”

 『新しいママ』は『ボク』の秘所をそっと指で開いた。 そこにママの尻尾が蛇の様に忍び寄り、その鎌首を突っ込む。

 ’ひ……ひぃぃぃ……’

 鏡の中の娘は、自分の指を咥えて声を抑えていた。 その足の間で黒い蛇がのたうち、下腹がぐねぐねと蠢いている。

 ”気持ちいいでしょう……”

 ’あ……あぁ……’

 『ボク』の頭の中に熱い快感が吹きあがる。 秘所に潜り込んだ『新しいママ』の尻尾が、熱いミルクを注ぎながら、中へ中へ進んでくるのだ。

 ’いい……たまらない……’

 ”頭の中を、気持ちいい事でいっぱいにしてあげる……なにもかも……忘れてしまうほどに……”

 『新しいママ』の囁きは『ボク』にはとても素敵なことに思えた。

 ’して……気持ちよく……して……’

 ”いい子ね……さぁ……よく見るのよ……あなたの姿を……”

 『新しいママ』がボクの顔をドレッサーに向けた。 『ボク』の目に、角と翼の生えた『新しいママ』に犯され、淫らによがり狂う娘の姿が映った。 その瞬間、

ママの尻尾が『ボク』の奥を思い切り突き上げた。

 ’かあっ……’

 脳天を突き上げる快感の一撃に、頭の中からすべてが消え失せた。 そして次の瞬間。

 ”あ……ひぁぁぁぁぁぁぁぁ……”

 『新しいママ』が絶叫し、ママの尻尾がビクビクビクッと激しく蠢き、『ボク』の中が熱いママのミルクで満たされる。

 ’あ……ぁぁぁぁ……’

 『ボク』の熱いママのミルクで満たされた『ボク』の子宮が熱い快感で膨れ上がる。 たとえようもない女の幸福感が、快感で空っぽになった頭の中を満たす。

 ”くうっくうっくうううっ……”

 ビクビクと蠢くママの尻尾が、『ボク』の秘所から抜け落ちた。 蛇の様な尻尾の先から、真っ白なミルクがボタボタとたれシーツを濡らしている。 『新しい

ママ』は喘ぎを鎮めながら、硬直した『ボク』の体を弄り続けていた。

 
 ”ふぅっ……”

 しばらくして『新しいママ』が息を吐き、顔を上げた。 『ボク』はまだ茫然と鏡を見つめたまま、『新しいママ』の愛撫に身を任せていた。

 ”ふふ……気持ちよかった?”

 『新しいママ』に囁かれ『ボク』は我に返った様に瞬きをする。

 ’あ……ええ……はぁ……’

 『ボク』はため息をついて『新しいママ』を振り返る。

 ’ふふ……素敵でした……ママ……’

 ”素敵な体になったわね”

 鏡の中に売っっている『ボク』は、もう娘ですらなかった。 重々しく揺れる胸、ふくよかな体とメリハリのついた腰と尻。 『新しいママ』に負けない成熟した

女の体になっていた。

 ’よかったわ……ママ……?’

 ふと『ボク』は表情を曇らせた。

 ”どうしたの?”

 ’いえ……なんでもない……ただ……’

 ”ただ?”

 ’あたし……誰?’

 呟く『ボク』を見て『新しいママ』が笑った。
 
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