第二十話 新しいママ

7.『ママ』の手


 ん……

 目が明くと、天井が見えた。 枕元の時計を掴み時間を確かめる。 頭が重く、時計の数字の意味が分かるまで時間がかかった。

 「起きなくちゃ……」

 『ボク』は呟いて身を起こす。

 ズキン……

 お腹の中に重い痛みを感じ、体を縮める。

 「どうしたんだろう……何か変なものを食べたかな……」

 昨夜のことを思い出そうとするが、中に鉛が詰め込まれた様に頭が重い。

 「学校、行かなくちゃ」

 無理やりにベッドから起き上がり、スリッパをはく。

 「パジャマが……」

 パジャマが湿っていた。 一瞬恥ずかしい事をしてしまったのかと思ったが、匂いが違う。

 「……なんだっけ」

 頭を振ってパジャマを脱ぎ、下着を変える。

 
 「いってきます……」

 『ボク』は『新しいママ』の用意してくれた朝ご飯を食べて、学校に行った。 学校に着いてからも頭が重いのは変わらなかった。 「……君、気分が悪いよう

だけど大丈夫?」

 「……大丈夫です」

 先生に尋ねられる度にそう答えた。 うそじゃない。 気分は悪くなかった。 ただ周りに現実感が乏しく、ずっと夢を見ているような感じがしている。

 「……気分は悪くありませんから…」

 自分で答えながら、誰かほかの人がしゃべっているような気がした。

 「……」

 結局、その日は最後までただ座っているだけだった。

 
 「ただいま」

 『ボク』は家の扉を開けた。

 ”お帰りなさい……”

 『新しいママ』の声がする。 パパの部屋にいるようだった。

 「うん……」

 『ボク』は乱暴に靴を脱ぎ、自分の部屋に行く。

 
 晩御飯を食べて、学校の宿題をした。 でも昼間と同じで頭が重い。シャーペンの先でノートをつつくだけで先に進まない。

 「……休もう」

 眠くはなかったけど、起きていても仕方がない。 『ボク』はそう思ってベッドに身を投げ出し、枕に顔を埋めて目をつぶる。

 ……

 ……

 ……アァ

 ……ひぃ

 微かに『新しいママ』とパパの声が聞こえる。

 ……アァ

 ……ひぃ……くぅ

 「……終わった」

 ……

 『ボク』は目を開けた。 身を固くして待つ……待つ? 何を?

 ……

 ……パタ……キィ

 ドアが開き『新しいママ』が部屋に入ってきた。

 「お待たせ……」

 『ボク』は身を起こした。 『新しいママ』が部屋の中に入ってくる。 『新しいママ』は服を着ていなかった。

 「ま……ママ?」

 『ボク』はそう口にしたが、頭の中はボーっとして何も考えていなかった。 いや、何も考えられなかった。

 「……ふふ……」

 『新しいママ』は静かに笑うと、ボクの隣に腰かけた。

 「どうしたの? ボーっとして」

 「うん……-ボーっとしているの……」

 『ボク』はそう答えていた。 すると『新しいママ』の顔が目の前に近づき……唇に柔らかいものが触れた。

 …………

 ………

 ……あ

 「ふふ……目が覚めた?」

 瞬きする『ボク』の目の前に、妖しい笑みをたたえた『新しいママ』の唇があった。

 「何?何があったの……そうだ……ママに……夕べ……ママのおっぱいを……あぅ」

 『ボク』が、昨晩の事を思い出そうとしていると、突然『新しいママ』が『ボク』のおち……に触ってきた。 突然のことに、息が止まる。

 「な、なにするの……うぅ」

 「ほら……思い出してきた?」

 『ボク』は『新しいママ』の手を払いのけようとした。 でも、伸ばした手が途中で止まる。 まるで、見えない手に引っ張られるみたいだ。

 「ふふ……どうしたの?」

 『新しいママ』はからかう様に言うと『ボク』の……をきゅっと握ったり、オモチャの様に……してる……

 「あ……ぁ……」

 『ボク』のそれが、ジーンと痺れてきた。 そして、昼間からずっともやもやしていたお腹の中が、ずっしりと重くなってくる。

 「や……やめて……そ……あ……」

 ”やめないで……”

 「?……誰……」

 ”もっと……”

 誰かの声が聞こえたような気がした。 『新しいママ』でも『ボク』でもない。 いや、本当に声がしたんだろうか?

 「どうしたの?……やめて欲しいの?」

 そう言いながら、『新しいママ』が『ボク』の……をいじっている。 答えようとしたけど、そこと、そしてお腹の中が変になって、声が出なくなった。 変な感じ

がどんどん強くなり、中からこみ上げてくる。

 「くぅ……はぁ……」

 ”あぁ……くぅ……”

 「うぁ……あ……」

 『ボク』は弾けた。 『新しいママ』にいじられていたところが、きゅっと熱くなってドクドクと漏らしてしまう。

 「あ……ぁ……」

 変な感じがじわーっと体に溢れてきた。 ボーっとしてそれに身を任せていると、今度はお腹の中の重い感じが強くなってきた。

 「な……に……」

 戸惑ったのは一瞬だった。 お腹から湧き上がる重く濡れた波が体に溢れ、身動きできなくなる。

 「さぁ……それに身を任せなさい……」 『新しいママ』が優しく囁いた。

 「はい……」

 『ボク』は『新しいママ』の言う通り、重い濡れた波に身を任せる。 波は体の中を満たし、頭の中を満たしていく。 その波に、体が溶けていく様な感じがした。

 「いい……気持ちいい……ぁ……」

 『ボク』は呟いた。 呟いてから『ボク』は体の中に広がる波がとても気持ち良いことに気が付いた。

 「ああ……いい……溶ける……蕩けちゃう……ママ……」

 「そうよ……いい気持ちいいでしょう。 さぁそれに身を任せなさい……」

 「はぁい……ママ」

 『ボク』はうっとりと応え、蕩けた。 『ボク』が気持ちよく蕩けていくのが判る。 おちん……がトローッと溶けていく。 それが凄く気持ちいい。 そうしている

間に、気持ちよく蕩ける感覚がお腹の中に入って来た。

 「あん……溶けてくぅ……お腹の中が……」

 「いいでしょぅ……ほら……」

 『新しいママ』の手の中で『ボク』の……が気持ちよく溶けていく。 そこだけじゃない。 『新しいママ』は、どうすれば『ボク』が気持ちよくなるのか知って

いて、そこを触ってくれているらしかった。

 「溶ける……溶けちゃう……」

 「いいのよ……安心して溶けてしまいなさい……ママが蕩けさせてあげる……」

 「はぁい……」

【<<】【>>】


【第二十話 新しいママ:目次】

【小説の部屋:トップ】