第十五話 病

19.悪しき現実


 ベッドの上で仰向けになった神父は、尻をこちらに向けてまたがったリンダを止めようと、彼女の背に向けて声をかける。

「リンダ……やめなさい」

 神父の口調は懇願に近い。 彼女を止めるには、その体を自分の上からどけるだけで良い、いや、自分が起き上がれば、

その幼さの残る体は滑り落ちるだろう。 なのに、れができない。

 「ねぇねぇ……」

 舌ったらずな口調で囁きながら、彼女は神父の顔に向けた尻を振る。 少女の神秘は、内からにじみ出てくる淫猥なる雫

によって、徐々に堕落の門へと変わっていく。 その門をくぐってしまえば、自分も堕ちてしまうことは間違いない。

 「いい子だから……ううっ……」

 リンダが神父のモノに触れた。 神父自身からはリンダの背中しか見えないが、しっとりした感触が彼自身をおもちゃの様に

弄んでいる。 彼自身は張り詰めて固くなっており、リンダがその様なものを見るのは初めてのはずだ。 珍しいからだろうか。 

先端の形をなぞり、先に触れている。

 くっ……

 神父は腰に力をこめ息を整え、彼自身をなんとかおさめようとする。 しかし、リンダの手の動きがそれを許さず、ヒクヒクと

脈打つそれは、自分の体ではないかのように感じられた。

 「神父様ぁ……」

 蕩けるような声で呟いたリンダは、いきなり神父のモノを咥えた。 少女の口いっぱいに膨らんだ其れに、柔らかな少女の舌に

絡みつく。

 ぅぅぅっー

 少女の舌の動きに神父の宝玉がきゅっと縮み上がり、恥じらうようにもごもごと蠢く。 男性として当然の生理だが、少女には

珍しかったのだろう。 リンダの手がそれを包み込み、愛しげに撫で上げる。

 「んふー♪ んふー♪」

 「や、やめ……」

 必死の抵抗もむなしく、彼自身がリンダに屈服した。 神父の宝玉から悦楽の波があふれ出し、彼自身を駆け上がっていった。

 ゴッ? ゴフッ、ゴフッ……

 少女が、神父の放ったものにむせた様だ。 神父の頭は情けない気持ちでいっぱいになったが、これでリンダが驚いて逃げ

出してくれればと、切に願った。

 ゴッ……ピクッピクッ……

 「リ、リンダ!?」

 神父の願いもむなしく、リンダは神父のモノから離れようとしない。 それどころか、神父の放ったものを己が口で受け止め、

神父自身を清め始めた。 唖然とする神父と裏腹に、放った後の弛緩状態に陥っていた彼自身は、リンダの舌の動きに再び

張り詰めようとしている。

 「も、もうやめなさい……!?」

 神父の声に起き上がるリンダ……その背中に赤いものが……赤い羽根が見えた。

 「ば、ばかな」

 ごしごしと目をこすり、もう一度リンダの背中を見る。 と、栄養状態のよくないやせた少女の背中が目に入る。 その背中、

肩から腕にかけてが、うっ血したように赤くなっている。

 「リンダ?」

 神父がもう一度少女の名を呼ぶ。 呼ばれたリンダは、上体をねじってこちらを見た。 その顔を見た神父は息をのんだ。 

口元が彼の快楽の証で白く汚れているが、その唇は血の様に赤く、顔も熱があるかのように赤い。

 「神父様ぁ……」

 彼女は呟くと、手で口元をぬぐった。 その手もうっ血したように赤いが、腕や顔よりもいっそう赤い。

 「どうしたんだ、その手……ううっ」

 リンダに尋ねかけた神父は、ひどいめまいに襲われた。

 ”どうしたって? アハハハハハ……”

 突然、あの赤い羽の天使の声が聞こえ、神父はあわててリンダを見直す。 スティッキーと名乗った赤い羽根の天使がリンダに

重なって見えた。

 「これはいったい……どういうことなんだ……」

 つぶやいてから、神父は体がひどく熱く、だるくなってきた事に気が付いた。 頭の中が重苦しく、ものを考えるが困難になって

きた。

 「病気だ……わたしも病気になったんだ……そうだ……この病にかかると体のあちこちがうっ血して赤く……混濁した意識が

……それを天使にみせた……そうに違いない……」

 ぶつぶつ呟きながら、神父は考えがまとまらなくなっていくのを感じた。 その神父の上で、リンダは薄く膨らんだ胸をまさぐり、

テラテラと湿り気を帯びた神秘を神父の腹に擦り付けている。

 「あはっ……ねぇ……ねぇ……」

 次第に混濁する意識の中で、神父は正気を保とうと空しい格闘を続ける。

 「り、理性が失われていくのか?……お、恐ろしい……き、記録を……残さねば……」

 宙を見つめたまま呟く神父は、もはや正気には見えなかった。 甘えるリンダが彼のモノを求めたとき、神父は獣のごとき唸り

声をあげ、雄の本能のままにリンダに挑みかかった。

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