第十五話 病

16.蔓延


 「シスター!?」

 叫びかけたトッドの口を、シスター・テレジアは柔らかい唇でふさいだ。 化粧気のない筈の唇が赤く熱い。

 ムムム……ンンン……

 うめき声は次第に静かになっていきシスターが唇を離す頃には、トッドの口からは溜息の様な吐息が漏れている

だけだった。

 シスター……

 声の方を見れば、隣のベッドでケニーが蒼い顔をしている。

 「……」

 シスターはおとなしくなったトッドを彼のベッドに預け、ケニーをベッドから抱き起して自分の胸に抱いた。

 シスター?……

 熱っぽいシスターの胸元から、むせるような匂いが立ち上っている。

 (女の子たちの匂いだ……)

 そう思と同時に、ケニーは頭がクラクラするのを感じた。

 (なに……?)

 状況を理解する暇もなく、彼はシスターの胸に強く抱きしめられる。 じたばたともがいていたケニーは、程なく

シスターの腕の中でおとなしくなった。

 はぁ……はぁ……

 もう一つの荒い息が聞こえ、テレジアは誰か他にいたかと振り返る。 が、狭い部屋の中には誰もいない。

 「?……あぁ」

 それが自分の息だったと気が付いた時、トッドがテレジアにしがみついてきた。 テレジアが振り返ると、トッドが

熱っぽい目をしてテレジアを見ている。

 「……」

 テレジアはトッドの頭をなでると、彼の下着を脱がしてやった。 背後の衣擦れはケニーだろう。 

 「二人とも……いい子ね」

 シスターは、トッドをベッドに押し倒す。


 ぁぁっ……

 若いシスターの肢体が少年の体を組み敷き、欲情のままにその体を貪る。 置いてきぼりを食らったもう一人を

シスターは手招きし、自分の胸に誘う。

 むん……むぅ……

 どちらかというと母に甘える幼子の様に、彼はシスターの胸を求め顔を埋める。

 「可愛いわよケニー」

 シスターはそう言って彼の顔を持ち上げ、唇を奪った。

 んむ……む……

 戸惑いながらも少年は男としての務めを果たそうと、健気にシスターの求めに応じた。 その二人の下で、今度は

トッドが奮闘する。

 んっ……んんっ……

 困惑しながらも、大人になりかかった自分自身でシスターの神秘の門を叩き、教えを乞う。

 「生……意気っ!」

 くいっとテレジアが腰を捻ると、固く閉じていた女の神秘はばね仕掛けの様に開き、トッド自身を呑み込んでしまう。

 「!」

 熱く滑る神秘の中に吸い込まれた彼自身は、経験不足を露呈して『棒立ち』となった。

 「あん……いいわよ、トッド」

 翻弄されるままに固くなった少年は、欲望を解放したシスターにとって格好の張り型となった。 熱い喘ぎをもはや

隠そうともせず、少年の上で腰を弾ませる。

 「シ、シスター」

 振りほどかれそうになったケニーはシスターにしがみつき、キスを続けようとした。 が、動きについていけずに

彼女の喉元から胸にキスの雨を降らせてしまう。

 「うまいじゃないの、ケニー」

 思わぬことで褒められ、真っ赤になったケニーは、彼女の柔らかい膨らみに、そして固くしこった乳首に、ひたすら

キスを続けた。

 「うう……あっ」

 上に乗っかった二人分の重量にトッドは息も絶え絶えのありさまだったが、初めての女に逆らうこともできず、

ひたすらシスターの動きに翻弄された。 そしてついに。

 「あっ……」

 シスターの中から滑りでた弾みでもトッド自身は男のを放ってシスターと自分のお腹を汚してしまった。 突然の事に

ケニーも動きを止めてトッドが『いって』しまうのをただ眺めていた。

 「やるじゃない、トッド」

 シスターが何を褒めてくれたのか理解していなかったが、その言葉にトッドは真っ赤になって嬉しそうな顔をする。

 「今度はケニーね、おいで」

 シスターはそう言うと、ケニーに向かって足歩開いて見せた。 テラテラと光る女の神秘が、生々しい興奮の赤色を

二人の少年の前にさらけ出す。

 ゴクリ……

 思わず生唾を呑み込んだ二人は、そのまま動くことを忘れて固まってしまった。 シスターはケニーの頭を捕まえると

容赦なく自分の秘部へと誘う。

 むぅ……

 シスターの神秘を『味わう』事になった少年は、覚え込まされたばかりの口技を早々にご本尊に披露するために

なった。

 「あん……そう……そこ……もっと……なめて」

 あられもなく乱れるシスターの言葉は、二人の少年にとっては抗う事の出来ない魔法の言葉に聞こえた。 二人は

シスターに命じられ、求められるままに彼女と交わり、彼ら自身を彼女にささげる。

 そして、同じような事がほかの部屋でも……

 ああ……

 いいょぉ……


 教会のそこかしこに喜びの声が満ちるのに、さしたる時を要しなかった。

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