第十五話 病

5.悪い二人


 キラキラ光る赤いベールがジャックの目の前で翻る。 ジャックはその奥が見たくなった。 見たくてたまらない。

 「見たい……」

 呟いてベールに指で触れる。

 ”アァ……”

 ベールの奥からか細い声が聞こえてきた。 可愛らしい女の子の声だ。

 「そこにいるの?」

 ぼんやりと呟いて、ジャックはそっとベールをめくる。 そこには赤く色づいた真珠が隠されていた。

 「キレイだ……」

 ジャックは真珠にふと息を吐きかけた。 赤い真珠が、そしてスティッキーが震えた。

 「……」

 ジャックは赤い真珠に舌を伸ばし、そっと舐める。

 ”アァァッ”

 ピクンとスティッキーが大きく震えた。

 「ごめん……嫌だった?」

 ”ウウン……もっと……”

 真珠の上に、暗く細い溝があり、声はそこから聞こえてくる。

 ”もっと……ね……もっと……して”

 甘えるような微かな声、それを耳にしたジャックはふわふした暖かい変な気持になり、逆らうことができなくなった。 

そして求められるままに、真珠の上の溝にそっと舌を這わせと、スティッキーの其処がフルフルと振るえる。

 ”ああ……そこ……”

 蕩ける様な甘い喘ぎを漏らし、薄桃色に染まったしなやかな少女の肢体が少年の肢体の上での歓喜の舞を踊る。

 ”おかえし……”

 不意に、ジャック自身が生暖かいモノに包まれた。 驚く間もなく、固くなっていた少年自身に優しい肉が絡み付き、

淫らな性の営みで責めたてる。

 「スティッキー……」

 彼女を止めようとしたたジャックの声が途中で途切れた。 生暖かい性の喜び、その初めての感覚に混乱しどうして

いいかわからなくなる。

 ”フフッ……さぁ……”

 赤い真珠が細かく震えて彼を誘う。 ジャックは、吸い寄せられるように真珠に口づけし、そこを吸い、舐めた。

 ”そう……いいよ……”

 ジャックに応えるように、ステッィキーの舌がジャックを舐め、吸いあげる。

 「あっ……あ……」

 ヌメヌメしたものが、アソコに絡み付いて変な感じだ。 と、スティッキーが動きを止めた。

 「……」

 戸惑うジャックの上で、スティッキーが体を半回転させた。 上気したスティッキーの顔がジャックの顔と向かい合う。

 「続き……したい?」

 「続き?」

 スティッキーが頷く。

 「そ、続き。 とっても変で……悪いことを」

 ジャックは迷い、そして答える。

 「したい……」

 スティッキーはニマッと笑った。


 スティッキーはジャックの腰に跨るように座り、腰を前後に動かしだした。

 (スティッキーの……アソコだ)

 ジャックの固くなったものの上を、生暖かく滑るものが滑っている。 ヌルヌルとした溝があそこに擦り付けられている

のだろう。

 「ね……何するの……」

 「悪いことさ」

 スティッキーは楽しそうに言うと、強く腰を押し付けてきた。 アソコの圧迫感が強くなった……と思った時、先の方が

滑るものに包まれた。

 ニュルリ……

 「!?」

 ビクリと体を震わせたジャックを見て、スティッキーは喉を鳴らして笑い、腰を継勇にねじっりだした。

 「いっ!?」

 ニュル、ニュル、ニュル…… ジャックのモノが、滑った何かに包まれていく。 思わずそちらに目をやると、

スティッキーの足の間が濡れてテラテラと光り、その下の方に自分自身が見え隠れしている。

 「す、スティッキー?」

 「ああん……ジャックが……入ってくる……」

 ジャックは理解した、あの赤いベールの先にあった暗い所、あそこに自分自身が入っているのだと。

 「ス……ふにゃっ!?」

 ヌルヌルとしたものがジャック自身に一斉に纏わりついてきた。 あの変な感じがジャック自身を固くし、そしてさらに

下の方に広がってくる。

 「なんか……変……」

 ボーっとした口調で言うジャックにスティッキーが囁く。 

 「そう、変になる……君は変になる……そして……いい気持ちになる……」

 「いい気持ち?……」

 ジャックは、固くなった自分自身をもう一度見た。 スティッキーの足の間、ヌメヌメした赤いベールに包まれた

それが出たり入ったりし、その度に生暖かい変な感じがじんわりと広がって……それがとっても……

 「いい気持ち……いい……気持ちいい……はぁ……」

 「フフッ」 スティッキーが笑った。

 「ボクもいい、とっても気持ちいいんだ……ジャックのこれが、とってもキモチイイんだ」

 艶のある口調でスティッキーに囁かれると、ジャックは何だか嬉しくなってきた。 そして、いっそう気持ちよく

なってきた。

 「気持ちいい……スティッキーの中はヌルヌルして……あったかくて……とっても気持ちいいよ」

 「ジャックのも気持ちいいよ……固くって……熱くて……逞しい……」

 闇の中、死者の眠る場所の一角で、少年は淫靡な少女に導かれ、性の快楽に目覚め溺れて行く。 青白い

月だけが、二人を見つめていた。

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