第十五話 病

4.悪い女の子


 地面に横たわるジャックの上で、スティッキーはしなやかに体をくねらせる。 その動きで二人の衣服に皺が寄り、

抗議のするかの様に衣擦れの音を響かせる。

 「邪魔」

 スティッキーは呟くと体を起こして勢いよく服を脱ぎ捨て、下着を取り去る。 

 驚いたジャックが止める間もなく全裸になったスティッキーは、組み敷いたままのジャックの服に手をかけ、一体

どうやったのかあっという間に彼も全裸にしてしまった。

 「わわっ?」

 間の抜けた声を漏らすジャックを見おろしたスティッキーは、両手を水平に広げてわずかな膨らみを彼に晒す。

 「見て……」

 月明かりに照らし出された少女の裸身は、神秘的で神々しくさえあった。 だか、もし他の誰かが見ていれば……

スティッキーを十字、ジャックを基石とした墓の形に見たかもしれない。

 息をのんだジャックを、スティッキーり温もりが包む。


 スティッキーは再びジャックの体に自分の体を擦り付けて来た。 

 「猫みたい……」

 「そぅ?」

 スティッキーは喉を鳴らして笑うと、うすい膨らみをジャックの胸に擦り付ける。 ふわふわした少女の胸は、夜の

冷気を吸ったかのように冷たい。

 「うん……」

 ジャックはくすぐったそうにもぞもぞと動く。 すると、スティッキーも体の位置を微妙に変えた。 結果、二人の

乳首がこちょこちょと擦れあう形になった。

 「ひゃ……」

 敏感な部分が擦れて、すこし驚くジャック。 擦れ合う乳首は、当然の様に膨れ微妙な刺激を二人にもたらす。

 「あん……」

 「あっ……」

 二人は微かに喘いだ。 ジャックの反応を見たスティッキーは、彼の上で小さな円を描くように胸を擦り付ける。 

ジャックの乳首を中にして、スティッキーの乳首がその周りをくるくると回っている、戯れるように。

 「くすぐっ……ふぅ……」

 ジャックの声は、途中からに喘ぎに変わる。 スティッキーの乳首の動きに、なんだか胸がじっとりと重くなったと

感じていた。

 「くはっ……」

 息を吐き出したジャックの顔をスティッキーが覗き込み、ジャックは慌てて目を逸らす。

 「ふぅん?」

 スティッキーは首を横に少し倒し、面白がっているような表情を見せた。

 「いやだった?」

 「……」

 ジャックは答えが見つからず口を開いたり閉じたりし、スティッキーはその様子に口だけで笑ってみせた。


 「これはどうかな?」

 ステッイキーはそう言うと、下半身に体重をかけてきた。 二人の間で、ジャックの大事なところが圧迫される。

 「わわっ!だめだよっ!」 ジャックが慌てる。

 「なんで?」 無邪気な顔でスティッキーが応じる。

 「え、だって……そこは……だから……」

 ジャックは、聞き取れないほど小さな声で応えるが当然スティッキーには聞こえない。 スティッキーは意地悪く

聞き返す。

 「なんで駄目なの?」

 「き……スティッキーが汚れちゃうよ!」

 スティッキーは一瞬きょとんとし、そして笑う、天使の様に。 思わず見とれてしまうジャック。

 「ジャック…… ボク、ジャックに触りたいんだ」

 スティッキーが囁くと、ジャックはかくかくと人形か何かの様に首を縦に振った。 それを見たスティッキーは、

今度は妖しく笑う。

 「ジャック……」 

 スティッキーはジャックの下腹に自分の下腹を押し付け、胸の時同様に小さな円を描く様に動かした。 ジャックの

ソコは、二人の間で押され揉まれ撫でられる。 当然、ジャック自身が固くなってコロコロと転がされる。 なんだか

胸が切なくなり、ジャックの口から妙な声が漏れる。

 「ふにゃぁ……」

 ジャックの声と顔を見たスティッキーは、ククッと喉を鳴らし、円を描いていた動きを、小さな上下動に変える。 

左右に転がされていたたジャック自身が、今度は引き伸ばされたり押し縮められたりされる。

 「にやっ……」

 自分自身に奇妙な感覚を覚えたジャックは、頭がボーっとして来るのを感じた。 アソコが、自分のものでなく

なっていく様な奇妙な感覚だ。 とその時、ジャックは下腹に微かな違和感を覚え、次に慌てる。

 「あれ?どしたの」

 屈託のないスティッキーの笑顔に、ジャックはあたふたと慌てる様子で応える。 スティッキーはニィッと悪戯っぽく

笑うと、ジャックの肩に回していた手を二人のお腹の間に差し入れた。 アソコに彼女の手が触れて、ジャックは

ますます慌てたが、スティッキーは気にした様子もなく手を戻し、擦れの顔にかざして指を開した。 キラキラと月の

光に煌めく滴が、細い指の間で糸を引く。

 「!……?」

 スティッキーの手を濡らしているのは、ジャックの予想していた物とは違う様だった。 彼は意識せずその匂いを

嗅ぐ。

 「……?」

 匂いがは感じなかったが、頭がクラッとした。 そんなジャックの様子を見ていたスティッキーは、彼の顔を覗き

込みながら告げる。

 「これはボクの……ボクの体が、ジャックを欲しがっている印さ」

 「スティッキーの……なの?」

 キラキラと糸を引く滴は、粘っこく透明な液体の様だったが、ジャックはそれが何か判らなかった。

 「そう……キミは知らないんだ。 知りたい?」

 スティッキーの問いに、ジャックはこっくりと頷いた。

 「じゃぁ……見せてあげる」


 スティッキーは、ジャックの上で体を起こして、彼の体をまたぐ姿勢になった。 そして、足を開いたまま体を前に

ずらしてきた。

 「スティッキー!?」

 ジャックの眼前に、スティッキーの『女の子』がある。 細い隙間の奥は暗くて見えないが、そこはジャックの

男の子と同じような事をする為のモノのはずだ。 思わず抗議しようとしたジャックの目の前で、スティッキーが

自分の神秘を開いて見せた。

 「見て……」

 そこには、キラキラと光る滴に包まれた薄赤いベールがあった。 それは緩やかに動き、ときおり痙攣する。 

それは初めて見たそれは、ジャックの視線をとらえて離さない。

 「判る?……そこがボクの『女』なんだよ」

 「『女』……」

 呟き返すジャックは、目の前のモノを理解していなかった。 しかし、彼の体は目の前のモノが何か判っていた。 

彼の下腹でさっきまで翻弄されるだけだった少年の証が、固くしこって『男』を示そうとしている。

 「ここが欲しいって言ってるの……ジャックが」

 濡れた赤いベールが、緩やかに翻り神秘の奥垣間見せる。

 ”キミが……欲しい” 

 それが囁いた。

【<<】【>>】


【第十五話 病:目次】

【小説の部屋:トップ】