第九話 ツルの恩返し

4.坊ず と父ちゃは にゃんにゃんされたげな


 ああ……あん……あん……

 坊ずは女の子のように喘ぎ身を捩る。

 「暖かいだ……熱いだ……ぬるぬるして気持ち悪いだ……ええ気持ちだ」

 「うふ……どれなの?」

 全て正しかった。 『大事なところ』がヌルヌルした所に包み込まれ、ヌメヌメした何かで嬲らている。 体の芯が冷たくなって、それでいて火の様に

熱い。 

 「なんだか……変になるだ」

 「いいのよ……変になって……ほら……先のほうで私と……」

 初体験の感覚にどう反応していいか判らず、混乱する坊ずが、少女の甘い誘惑に逆らうことは出来なかった。

 「先……ああ……ああ」

 坊ずの目にトローンとした快楽の幕がかかり、口元が法悦の曲線を描く。 少女の奥に導かれた坊ずの『大事なところ』、それに優しく巻きついた肉襞は

次第に女の本性を表していくようだ。

 「先が……なんか……とろけそうだ」

 呟きながら、坊主は少女の体に手を回す。 わずかに膨らんだ少女の胸が、育ち盛りの坊ずの胸を迎えた。 見た目より柔らかなそれが、坊ずの胸に吸い

付いて擦れ合う。 くすぐったいような疼きに息が荒くなり、腕に力が入っていく。

 「ああ……あ……」

 うわ言のように喘ぐ口に、薄紅色の唇が塞いだ。 漏れでる息を全て吸い取り、代わりに甘い香りを送り込む。 二人の体は、一つになろうとするように、互いを

求めて蠢く。

 『……もう離さない……』

 女の子の背に繋がっていた『巨大豆さや』が、ゆっくりと動き出した。 『巨大豆さや』の皮が二人を包み込んでいく。

 『……お前は私のもの……』

 二人を中に封じ込め、『巨大豆さや』は元の形に戻った。

 『ああ……とろけそうだ』

 『そう……とろけて……私と……種に』


 さて、坊ずの親父はどうしていたかと言うと。

 「めんこい娘っ子だぁ……」

 「おじ様……こっちに来て」

 こちらでも、茂みからに生えていた『巨大豆さや』の中から若い娘が現れ、彼を誘っていた。 坊ずの前に現れた女の子との違いは、適齢期の娘である事と。

 「うひ……なんて熟れた娘っこだ」

 よく熟れた緑色の体に大きな『豆』が二つ、それがかれを誘っていた。 ふらふらと近づく彼の顔に、『豆娘』の胸から甘い香りが吹き付けられた。

 「おんや……?」

 「ほら……していでしょ? おいで……」 

 『豆娘』の香りを嗅いだ親父は、頭の中がぼーっとして回らなくなってきた。 手招きする『豆娘』に歩み寄りつつ、粗末な作衣を脱ぎ、下穿きの帯を解く。

 「うふん……」

 こちらの『豆娘』は、しなを作りながら親父の首に腕を絡め、唇を重ねた。 大きな胸が、二人の間で形を変える。

 「おっほう。 やわらけぇし、よーく育ったもんだのぅ……」

 緑色の乳房に、畑の実りを連想したらしく、ずれた感想を漏らす親父。 『豆娘』はその親父の頭を、胸に抱え込んだ。

 「あはっ、こちらがお好み?」

 フニフニフニ…… 頭全体を谷間に迎え入れ、『豆娘』は親父の頭を愛しした。

 「おお……おおおおっ……」

 親父は恥も外聞も忘れ、『豆娘』を押し倒すと、その乳を舐め、吸った。 『豆娘』は親父の舌使いに喘ぎ、悶える。

 「あはっ……ああん……こ……これがいいのねっ」

 『豆娘』の下じきになった『豆さや』が、ずるりと伸びて二人に覆いかぶさる。

 「もっと……あげる」

 フニフニフニ…… 親父の背中に柔らかい感触。 そちらに視線をやると、『豆さや』の裏側にいくつもの『乳房』が生えているではないか。

 「のわぁぁぁ!?」

 さすがに驚く親父の顔に、『豆さや乳房』から甘い香りが吹き付けられる。

 「のわぁぁ……でへへへへ」

 親父の顔がだらしなく緩み、瞳がドロンと曇る。 すかさず『豆さや』が親父に巻きつき、全身を『豆さや乳房』で愛撫する。

 「ぬぁ………極楽だぁ……」

 プチプチと全身に吸い付く乳首と、柔らかい感触、甘い香りが彼の心を虜にする。

 「気に入っていただけて嬉しいわ……さぁ、私の中においでなさい」

 『豆娘』は、彼女の腹の上でよがる親父の下で器用に体をずらし、そそり立つ親父自身を彼女の神秘に迎え入れる。

 「うへへへ……ひぅ?……あ……」

 ヌメヌメした女の中で、親父はたちまち果てそうになった。 しかし『豆娘』巧みな腰使いで、親父を己の奥深く迎え入れることに成功した。

 「おお……」

 使い込まれた親父のモノは、『豆娘』の妖しい奥底に咥え込まれ、初めての感覚にのたうった。

 「こ……これは……ええ……ええ」

 『豆娘』は妖しく微笑み、親父の耳に口を寄せた。

 「うふふ……いい気持ちでしょう」

 「ああ」

 親父は陶然として答えた。

 「お前はもう私のもの……」

 『豆娘』が囁くと同時に、『豆さや』が二人を包み込んで閉じていく。

 「あへ……あぁぁぁ……とろけそう」

 『とろけるわ……とろけて……一緒に』

 ピチリと『豆さや』は閉じ、しばらくモゴモゴと蠢き続けていたが、そのうち『豆さや』は動きを止め声もしなくなった。 だがそれで終わりではなかった。 


 ヒクヒク、モゴモゴ。

 ヒクヒク、モゴモゴ。

 山のあちこち蠢く大小の『豆さや』。 それは次第に数を増やしていった。

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