白い人魚

3:竜宮城


?「もし…もし…起きてくださいまし」
「うーん、コ、コットン…コットン君?」
教授は目を覚ました…どこかで寝ていたようだが、何か強い違和感がある…起きようとして、体に抵抗がかかるのに気が付く…
布団?…いや何も無い…水中だ!
「ガ、ガボガボ、ゴボゴボ…お溺れる…私は、泳ぎがうまくないんだ…助けてくれ〜…」
?「もし…何をゴボゴボ言われています?…呼吸に支障はないはずですが…」
「ば、ばかなことを…水の中ならば溺れるに決まっている!それが世の理というものだ…では、あらためて、ガボガボ、ゴボゴボ…」
?「はあ…」
しばらく、自分で「ガボガボ、ゴボゴボ」言っていた教授だったが、疲れてしまったようで寝かされていた場所に座り込み息を整える。
「ぜいぜい…溺れるというのは、つ、疲れるものだ…」
?「ですから…溺れてはいません…息をしていらっしゃるではありませんか…」
「…そう言われると…苦しくない…これは一体?…うむ!早速探求せねば!…」
?「あの、そろそろ自己紹介してもよろしいでしょうか?…」
「おお、これは失礼いたしました…私は、ランデルハウス・クラチウス、マジステール大学で教鞭を取っている者です」
?「私は、ゲロゲロ・ブクブクと申します」
「変わったお名前で…」ここまで来て、やっと教授は相手の姿を認識した。
銀色の長い髪、上半身は人間の女性、下半身は海生哺乳類。先ほどの人魚である。
人魚「あの、お体は大丈夫でしょうか、どこかお怪我とか…苦しいところはございませんでしょうか」
「いや、お気遣い無く…しばらく見ないうちにずいぶん小さくなりましたな…」
「は?…あぁ…母上と私をお間違えなのですね…」
「母上?」「はいあちらに…」人魚が壁面を示す。そちらは白い壁のようであったが、よく見れば、巨大な人の顔が見える。
透明な壁の向こうから、先ほどの巨大人魚が覗いていたのだ。

驚く教授に人魚が話をする。
自分達はこの辺りに昔から住んでいたが、寒さの為氷に閉じ込められた(氷河期の事と教授は推測した)。
母親と自分は氷の中で眠っていたらしいが、目覚めてみると、仲間は他にいなくなっていた。
人魚には雄がいないので、人間の雄と交尾する必要があったのだが、母親はもはや繁殖できない体になっていた。(さもありなん、あのサイズではと教授)
そこで自分の花婿を母親が探しに行ってくれたのだと言うのだ。
しかし、今まではうまくいかなかったらしい(遭難多発の理由がわかった)。
ここは人魚の住処、材質不明の透明なドーム状の建物で、壁は白、床が光っている。
どうやら、『光る海』の正体は、この人魚の住処らしい。
そして、教授が水中で呼吸でき、水圧にも平気なのは、人魚の婚礼道具の『守りのウロコ』(教授の額に貼ってあった)の力らしいということ。

「…そのようなことでありましたか…」
教授は思案する…”相手は人間ではないし、ひどい目に合わせられた…が、相手の都合を考えずに行動しているのは私達も同じだ…まして自分は彼女達を捕獲しに来たのだ…”

「わかりました…私は、若くはないのでお役に立てるかどうかわかりませんが、私でよければ」
「まぁ、ありがとうございます。あ・な・た・」
苦節50年、一度として(人間の)女性にそのようなことを言われた事の無い教授は、思わず感涙にむせんだ。

人間と違い、結婚式だの披露宴だの2次会だの面倒な手続きは必要ない(ちょっと見せびらかしたい気もしたが)

問題は、2人とも始めてだということであった。
教授はその方面の知識が全く無いわけではない…しかし、人間が快楽追求の為に行う行為を人魚が喜んでくれるかどうか…
結局、オーソドックスにして、相手に合わせようと決める。

教授は服を脱ぎ、きちんとたたむ。その様子を人魚が珍しそうに見ている。
人魚は微かにピンク色に染まり(か、かわいい)そっと総排出口を開く。
人で言えば女陰にあたるが、人魚のそれはかなり大きなスリットに見える。
教授は苦労して、自分の物を立てようとするが、うまくいかない。

すると人魚が、はにかみながら右手を教授の男根にあてがう。
いぶかしげな教授…そして…
ビリビリビリビリビリビリビリビリビリビリビリビリビリビリ…
「ぬわ?うわわわわわわ!…」
一瞬、電撃かと思う程の強烈な微振動が加えられた。
あっという間に教授の男根はそそり立ってしまった。
(こ、これは?…体を振動させる事ができるのか?…)

準備が整った教授は、そっと人魚の中に突き入れるが、サイズがフィットしない、睾丸まですっぽり呑み込まれた。
どうしようかと思った直後…
ヌルリ…ヌラリ…「あ…」
ヌルヌルした感触に男性器が包まれる。
ヌルヌル、クチャクチャ…睾丸と竿が挟まれ、両側から圧力を掛けられ揉まれていく感触…
何か、暖かく幸せな感情に包み込まれていくような…
突然…ビリビリビリビリビリビリビリビリビリビリ…
「わわ?また?どひゃははははははは!…」
今度は人魚の下半身と膣内部が猛烈な微振動を起こす。
あっという間に絶頂を向かえ、強制的に射精させられてしまった。
あまりのあっけなさで、少しがっかりした教授であった。

”まあ、生殖目的だからこんなものだろう…もうちょっと楽しめれば…”
後に、この想いを猛烈に後悔することになる教授であった。


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