ライム物語

蛇足2 懲りない教授


メーイドローン♪

メーイドローン♪

メェーイドォローンー♪

怪しげな歌を歌いながら、X(エックス)メイドロンが洗濯物を次々と洗濯機に放り込んでいる。

「ふむふむ…ちゃんと白物と色物を分けておるな」

教授はクリップボードにさらさらとチェツクをつける。

「防水加工したXメイドロンで、初めて洗濯ができるようになりましたね」と爺七郎。

「うむ、水周りの仕事が出来なければ家事ロボットは、仕事の半分ができんからのぅ」

ポイポイッと試験用に用意した汚れ下着を、洗濯機に放り込んだXメイドロンは、振り返って辺りを見回す。

「うむ、洗濯対象が他にないか確認モードに入ったと…む?」

Xメイドロンがじーっと教授を見ている。

「何じゃ?」

「…教授…」

「む?」

「僕らの白衣…大分汚れていませんか?…」

「…」

顔を見合わせた教授と爺七郎は、身を翻して逃げようとした。 が、一瞬遅く、Xメイドロンに襟首を掴まれる。

メーイドローン! 「おわぁ!」「助けてぇ!」

ドッパーン!

盛大な音を立てて、教授と爺七郎は巨大な実験用洗濯機に放り込まれてしまった…


「教授…」

「うむ…」

びしょぬれの二人は、Xメイドロンの手で馬鹿に高い物干しに白衣ごと干されている。

袖を右から左に物干し竿が貫通し、足は宙に浮いている。

Xメイドロンは洗濯物を全て干し終わると、今度は布団たたきを持ってきた。

「いかん、爺君!バグじゃぞ」

「後で修正を…あいたぁぁぁ!」

Xメイドロンは力任せに二人を布団たたきで叩きまくる。


この後、乾いた二人はXメイドロンによってアイロンがけされ、きちんとたたまれた上で箪笥にしまわれる事になる。

Xメイドロンが、某国に囚人拷問用ロボットとして採用されたかは定かではない…

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