ライム物語

第五話 火曜日に赤い姉が攻めてくる(11)


「ライム、帰るぞ」

ミー!!ミミミミッ!ミミミミッ! (いや!お姉ちゃんの卑怯者!金雄を返して!)

「何だと!」『ジャーマネン』が目を吊り上げて怒った。

ミミミッミミミミッ!ミミミミッ! (『お礼』するとか言って、いつの間にか勝負にしちゃったじゃない!最初から企んでたんでしょう!)

「何を言うか!この『ジャーマネン』がそこまで考えているものか」と自慢にも何もなっていないセリフを吐く「ノリと勢いに任せていたらこう

なっただけだ」

すっかりグラマラスになった肢体を誇るかのように、ぐいっと胸を逸らす。 と、その時…

”ライムー…”

ミッ!?

「むっ!?少年か!?どこだ?」辺りを見回す『ジャーマネン』

ミーッ…ミミミミミミミッ!(あのねぇ…お姉ちゃんの中に決まっているでしょう!)

「…わかっている!うーん取り込んだ人間の頭が悪いとこっちまで馬鹿になるのか」と責任転嫁を図る『ジャーマネン』

”失敬な…じゃない…まだ勝負はついていない”

「ほう?」にやりと笑う『ジャーマネン』「このざまで大口を叩くとはな…おおおっ?」

『ジャーマネン』の右手が彼女の意思に反して持ち上がり…赤い西瓜の様な胸をむんずと掴む。

「ぬぬっ?…貴様っ…!?」

フニフニフニフニ… 『ジャーマネン』の右手がその胸を揉みしだき、乳首を転がし始めた。

「手が勝手に…少年!貴様の仕業か!?」

”そうだ…これなら此方を責められないだろう?”

「こら、これは卑怯だ!…あうっ!」

”さっきはそっちが勝負のやり方を決めた、今度はこっちが決めさせてもらう”

そう言っている間に『ジャーマネン』の左手がアソコに伸びて、赤いスリットに人差し指が這わされた。

ツツーッ… 『ジャーマネン』の背筋にゾクリとした衝撃が走り、思わず仰け反る。

「くうっ…」 ”ひぃゃぁぁぁ”

『ジャーマネン』の、そして金雄のうめき声が重なった。


ミギッ? (あれっ?)

ライムが首を傾げた。

ミミミミミミッ? (金雄どうしたの?)

”判らない…股間の辺りに熱くて粘っこい変な感じがして…とっても変な感じで”

十文字が寝転がったまま叫ぶ。

『ライム・スターの時、ライムと金雄の感覚は一体化していたぁ!つまり性感帯も一体化しているのだぁ!』

”げっ…”

「そう言う事か…少年、策に溺れたな。これでは其方が有利とは言えないぞ…ぐうっ!?」

『ジャーマネン』の指が股間でせわしなく動きだした。 

三本の指を巧みに使って秘肉を弄り、神秘の入り口を円を描いて撫でる。

『ジャーマネン』のそこが、それ自体が粘性を持った流動体となって指に絡みつき、感じるところに誘導する。

「少年!…ぐうっ」

”五分の勝負なら…うぁぁ…文句無いだろう!…いゃぁぁぁ”

赤い指は、絡みつく肉襞を宥める要に撫でながら、じわじわと奥を責めていく。

『ジャーマネン』は仰向けに倒れ、つま先と頭で器用にブリッジを作って腰を持ち上げ、その秘所を余すことなくさらけ出す。


「うわ…」「すげ…」

息を呑む『観客』達。 彼らは大浴場の窓に鈴なりになって、『ジャーマネン』が自分を慰めている(他からはそう見える)に見入っていた。

赤い女の秘所は花の様に大きく開き、花びらをウネウネと動かしている、何かを求めているかの様に。

見ているだけで股間がいきり立ち、そこに吸い込まれていくような錯覚を覚える。

窓に格子が嵌っていなければ、彼らは雪崩をうって『ジャーマネン』に殺到していたろう。

「これは…ちとやばいんでは?」と英一郎。 

「なーに、このくらいのインパクトがあった方がいいんでぇ。それより追加料金を集めろ」


胸を掴んだ手も休み無く動き、『ジャーマネン』乳首を自分で咥えるて、激しく吸い始めた

ジュルルル、ジュルルル 

”うっく…胸がぁ…”

「少年っ…そこ…もっと中を…」

”ああ…入って来るぅ…だめぇ…変になるぅ…”

「奥を…もっと奥に…」

ミーッ… (なんか…むかつく…)

床の上でふくれっ面になったライムを置いてきぼりにして、『ジャーマネン』は激しく悶えていた。

手首までが赤い食虫花に呑み込まれ、お腹の中をかき回しているらしい。

興奮した赤い花びらが、手首に幾重にも巻きついて奥へ激しく誘っている。

(この状態で、金雄の体は『ジャーマネン』の中でどうなっているのやら)


『ジャーマネン』の体が突然ピタリと止まり、その口から嗚咽とも叫びとも取れる声が奔流のごとく吐き出された。

”く…くくく…くる”

「ああ…ぁぁぁぁぁぁぁぁっ」

ビクビクビクビクビクッ…

大浴場の床の上で、赤い女体は激しく痙攣した。

やがて痙攣が止むと…赤い女体はトロトロと形を崩して流れ出し、後にぐったりとした少年の体を残した。

ミミミッ、ミミミミミッ!?(金雄!勝ったの!?)

叫ぶライム、しかし二人は荒い息を付いたまま動く気配が無かった。 


「むぅ…」

「ふう…」

少しして金雄と『ジャーマネン』が同時に立ち上がる。

「『僕の勝ち』ですね」言い切る言う金雄。

(とにかく勝負の判定方法がはっきりしないんだから、先に『勝った!』と言って言い抜けるしかない)

「何?」眉を寄せる『ジャーマネン』「いったのは同時だったぞ」 (先にいった方が負けとは決めてないのだが)

「今の勝負、始める前は僕は『ジャーマネン』に捕らえられていました。しかし今は自由です。よって僕の勝ちです」

「まてまて…じゃあその前の勝負はどうだ?私が勝ったのだろうが」

「勝ち負け判定をしていなかったでしょう。だから僕が勝ち点で上回っています」断言しながら顔をずいと突き出す金雄。

「少年…押しが強くなったな…よし、もう一勝負だ!それで決着をつけよう」

「消耗した此方が不利でしょうが」

「こっちだって消耗したぞ!」

ミー!!(もう駄目!) ライムが『ジャーマネン』と金雄の間に割ってはいる。


「ありゃ?なんか痴話喧嘩になってませんか?」

「…のようだな…まぁいい、けっこう稼げたし…」

「親分!大変です、大学の警備員に気づかれました!こっちに大挙してやってきます!」

「なに!『ジャーマネン』様ぁ、ずらからないとまずいですよ!」


「ライム、邪魔をするな…何?人間の戦闘員に気づかれた?」

『ジャーマネン』は盛大に舌打ちをした。

「仕方ない。ライム、今日は引き上げるがお母様を泣かせる様な事を続けるなら…」

『ジャーマネン』が厳しい顔になる。

「…次は容赦しないからな!!」

ミー…(お姉ちゃん…) 悲しげなライムの言葉を聞き流し、『ジャーマネン』は鶴元組長&『鶴組員ズ』を連れて帰っていった…


こうして、赤い姉の襲撃騒動はうやむやの内に終わった。

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