ライム物語

第四話 月曜日に妹が我侭を言う(10)



「可愛いよ…」 自分の舌で整形したプロティーナの顔に囁く金雄。

「ふにゃ…うれしいの…お兄ちゃん…」 上気した声でプロティーナは応え、金雄の頭に手を回して自分の胸に導く。

金雄がプロティーナの胸の谷間に顔を埋めると、二つの果実は柔らかく波打ちながら彼を受け止め、そして乳房が揺れなが頬から耳を

愛撫する。

顔を持ち上げようとすれば、プロティーナの肌が柔らかく捕まえなかなか放してくれない。

プロティーナの奥に導かれた彼の分身は、甘く青く柔らかいプロティーナの歓待を受けて、固くなったり柔らかくなったり…

腰を引けば、彼自身に纏いつくプロティーナが痛いほどに感じられ、それに逆らえず腰を突けば、嬉しげに股間に粘りつくプロティーナ。

金雄の腰が沈み込むほど柔らかいプロテイーナの体、それを『欲棒』でかき回す金雄。

ヌッチャ…ネッチャ… 

プロティーナの体は次第に粘り気を増し、金雄を絡め取っていくかのよう…


「ライム!プロティーナをどこに連れて行ったのですか!」

ミミミミッ!ミミッミミミミミミッ(お姉ちゃん!プロティーナから目を離さないで!)

十文字とライムは、寮から程近い通りでアクエリア達と出会いプロティーナの行方について感情的な言い合いをしていた。

二人の目的は合致しているのだが、最初から感情的になってしまい、お互い相手の話を聞こうとしない。

「しょうがねぇな…おい兄ちゃん、その緑の嬢ちゃんは何をいってるんでぇ」と出井四郎。

「知りませんよ、それより貴方達は何者ですか」と恐持て『鶴組員ズ』に大して虚勢をはる十文字。

「ぬっ!生意気な野…ぐぇ」凄みかけた出井四郎の襟首を椎三郎が引っ張る。

「すまねぇな、兄さん。こいつは昔の癖が抜けなくてな」と英一郎「俺達ゃ…そう雇われの何でも屋みたいなものさ」

「はぁ…」

「仕事にあぶれててな…このアクエリアさん達に雇われてるんだが…それ、お前さんの友達だろう?その緑の嬢ちゃんと中がよさそうだ

った兄さんは?」

「え?…ああ、須他の事ですか?」

「須他さんというのかい。その兄さんと嬢ちゃんを追っかけて行ったプロティーナ…お嬢ちゃんを捜しにきたと…まぁそう言う訳だ」

「ああそうだったんですか」ほっとした様子の十文字「ちょうどよかった。実は…」

ライムとアクエリアが不毛な言い合いを続けている横で、十文字と『鶴組員ズ』は互いの情報を交換し、以後の対応を決めてしまう。

「なに?すっぽんぽん!?…まぁそりゃそうか」そう言った英一郎はプロティーナの着ていたものを持っている。

ここへ来る道すがらに見つけ拾い集めていたのだ。

「ああ、服があるんですね。じゃあ案内しますから連れて帰ってもらえますか?」と十文字。

『鶴組員ズ』は頷きまだライムと言い合いをしていたアクエリアと共に、十文字の案内でマジステール大学の寮に向かった。


「面会?…こんなに大勢で?」渋い顔をする寮の管理人。

無理も無い、人数もさることながら車椅子に乗ったマント姿のアクエリアと強持ての男が五人だ。

管理人は面会を認めるどころか警察を呼びかねない様子だ。

「あちゃー…さっきはいなかったのになぁ」まずったと言う顔の十文字。

「仕方ないや…僕が須他君の部屋に行って窓を開けますから、皆さんは裏に回って下さい」

「やれやれ」「しかたねぇ」ぞろぞろと出て行く『鶴組員ズ』とアクエリア。

十文字は彼らを見送ると、寮の中に戻り金雄の部屋に急ぐ。


「おい、金雄!迎えが…ぁ!?」

例によってノックもせずに金雄の部屋に飛び込んだ十文字とライムは、ピンク色の美女と彼女に半分埋まるようにして蠢く金雄を見つけ

凍りついた。

「…」何が起きているのか理解できず絶句する十文字。

ミーッ…ミミミミミミミッ!!(うー…貴方プロティーナねっ!!)

ライムはピンク色の美女の正体を一目で見破った。

ライムの声にプロティーナは顔を上げる「ほぇ…ライムお姉ちゃん?…」ほけーっとした様子でライムを見る。

ミミミミミッ!!(金雄から離れなさい!!)

ライムがプロティーナに飛び掛った。

「ふみゃぁ!お姉ちゃんがいじめるぅ」

暴れる二人は緑とピンクの縞模様の塊となって、床の上で激しくのたうつ。

十文字はあっけに取られていたが、我に返ると金雄に説明を求めた。

「おい!どうなって…ありゃ伸びてやがる」

金雄はぐったりして全裸で床に伸びていた。 妙に幸せそうな寝顔を見ているうちに十文字は無償に腹が立ってきた。

「何やってるんだよ!」と蹴りを入れた。

「ぐえっ!?…痛いじゃないか!」飛び起きる金雄。

「やかましい!人を使いに出しといて何してたんだ!」

「何って!…あれ?」きょろきょろと辺りを見回す。「えーと…プロティーナちゃんが大きくなって、整形しいて…そうだ、アクエリアさん達は

見つかったのか?」

「何?いけね忘れてた」十文字は慌ててカーテンと窓を開ける。

「遅いではないですか!」

すっかり暗くなった裏庭に面した窓から、アクエリアが水飴のように室内に流れ込んで来た。

「プロティーナはどこです?…プロティーナ!ライム!何をしているの!喧嘩はいけません!」

ライムとプロティーナの塊にアクエリアが覆いかぶさり、今度は三色の縞模様の塊になってしまった。

「アクエリア様、どうなりましたか?…おお、でっかい練り歯磨きが暴れてるぞ」窓の外から中を覗いた英一郎がつまらなそうに言った。


数分後… 「ぜいぜい…」「ふぅふぅ…」 ミゥミゥ…

三人のスライム娘は息を切らして床の上にへたり込んでいた。

『鶴組員ズ』は部屋に入りきれないので裏庭で待機しているのだか、随分熱心に中を覗いている。

「あれがプロティーナ嬢ちゃんか?」

「らしいが…しばらく見ないうちに立派に育って…見ろよあの胸、DかEはあるんじゃ…」

「それに雰囲気がなにか…あの気だるげなところが…」

アクエリアは『鶴組員ズ』をちらりと睨む「こほん…プロティーナの服を」

「あ、はい…でも…サイズが」子供用のワンピースを差し出して困惑する出井四郎。

いまのプロティーナの体格では到底収まりそうも無い。

「あら…プロティーナ、戻れますね?」

「むー」プロティーナはすねた顔になる「お兄ちゃん好みにおっきくなったのにぃ…」

「プロティーナ」アクエリアの口調がきつくなった。

プロティーナは上目遣いにアクエリアを伺い、そしてあきらめた様子で窓を向いた。

ビュー!! プロティーナの口から激しい水流が迸り、油断していた美囲次郎を弾き飛ばす。

「でわっ!」「わっと」「おお水芸だ」

水気が抜けて、見る見る縮んでいくプロティーナ。 一分も立たないうちに元の幼児体形に戻ってしまった。

はぁぁぁ… 物悲しいため息をつく『鶴組員ズ』、十文字、そして金雄。

プロティーナは元気に立ち上がると赤いワンピースを着て赤い帽子を被った。

「プロティーナ、大丈夫でしたか?何かされたりしませんでしたか?」アクエリアがプロティーナに聞いた。

「うん、やさしくしてもらって、お兄ちゃん好みの女にされたの」にこやかに言うプロティーナ

「ぶぼっ!」むせる金雄に、プロティーナ以外の全員が氷のような視線を投げつける。

「おい聞いたか」

「ああ、あんな小さな子に」

「外道だな」 

ミミミミッ…(金雄ぉ…)

「違う!そういう意味じゃ…」

言い訳をする金雄にプロティーナが近寄ってにっこりする。

「だからこれはプロティーナのものなの、お持ち帰りするの」そう言って金雄の足を掴んで引きずっていくプロティーナ。

ミギーッ!!(だめーっ!!)

ライムは一声叫ぶと、紐のようになって金雄の首とベッドの端に巻きついた。

「く、苦しい…くびがぁぁ」

金雄は苦しがってばたばた暴れる。

「やーん、プロテーィナのぉ!」足を引っ張るプロティーナ

ミミミミッ!!(ライムの!!) 頭を離さないライム

「喧嘩はやめなさい!…いっそ仲良く半分に…」 物騒な提案をするアクエリア。

「ばかばかしくてとめる気になれん」「いや全く」妙なところで意気が合う十文字と『鶴組員ズ』。

「うーむ…何やら須他君を拉致しようとしているようだが…」 その様子を遠くから観察する緑川教授。


こうして月曜日の騒ぎは(やっと)終わった。

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