ライム物語

第一話 金曜日に拾われて(2)


ぺろ…     ピクッ…

ぺろぺろ…   ピクッピクッ…

ぺろぺろぺろ… ピクッピクッピクッ…

夢… くすぐったい… 違和感…

意識にならない切れ切れの言葉、それが段々まとまっていく…

「ふに…?」 金雄は寝ぼけた声を上げて目を開けた…

部屋は真っ暗で、妙に胸が重い。

金雄は右手で目をこすりながら左手を大きく回す。 それで部屋の明かりがつくはずなのだが…つく気配が無い。


金雄が住んでいるこの部屋はマジステール大学の学生寮なのだが、電気工学、情報工学を専門とする教授がおり、

研究の為と称しスポンサーの試作品を持ち込んでは学生にモニターさせていた。

その教授…緑川教授が先日つけていったのが照明用のセンサースイッチだった。

就寝後は待機モードになり、人の動きを感知して自動的に照明が点くようになっている。 

万一泥棒が入ったり、地震が来ても点灯する優れものになるはずだったのだか…

実際には感度がよすぎ、寝返りのたびに明かりが点くかと思えば、身動き一つせずに熱心に勉強していると節電モードに

入って明かりが消える。

挙句の果てに、彼女を連れ込んだ寮生が部屋を暗くしてこっそりナニに励んでいたら、突然ついた照明に驚いた女の子が

膣痙攣、最後は救急車のお世話になって大恥をかいた…など、お世辞にも便利とはいえない代物だった。

そして今また肝心の時に明かりがつかない・・・困ったものである。


「ん…」 金雄は明かりをあきらめ、目を凝らした。「なんだ?」

顔の前に影がかぶさっている。 正体がわからないのは近すぎるからだろうか。

ミー… 影が声を出した。

「なんだ…猫ちゃんか…」正体が判ってすっきり…とはいかなかった「あれ…大きくなったなような…いっ!?」

金雄が目を剥くのと同時に、窓から月光が流れ込んできて影の姿を浮き上がらせる。 それは…

「ば…化け猫娘ぇ…」 金雄の体に圧し掛かっているのは、人間並みの大きさの猫…最初はそう思った。 

しかし顔は猫より人の顔に近く表情が読める。

また、手足や体つきは人間のそれであり、猫の毛皮を纏った女の子というのが最も近いようだ。

ミー… 猫娘が尻尾を振り、牙を見せてニタリと笑った。

(こ、これは…なんとお約束な展開)と心の中で呟く金雄。


猫娘は金雄の顔を興味深そうに眺めていた。 

と、その瞳がすっと細くなると、金雄の胸に顔を埋め。 ペローリ、舌を出して乳首を舐める。

「ひえっ」 予想外に滑らかで冷ややかな感触に声が出た。

フミッ 猫娘は上目使いに金雄の反応を見て、再び舌を使い始めた。

すべっこい舌が巧みに乳首を舐め、金雄の性感を呼び覚ましながら、どんどん下の方に進んでいく。

「ちょっと待て、心の準備…あへっ…ちょちょっと…うわっ…」 ごちゃごちゃ言ってる割にはちっとも抵抗しない金雄だった。


ピトッ… 大事な所に柔らかいものが触れた。

はっとして視線を移す。 猫娘は、固くなった金雄自身に跨り、ゆっくり腰を滑らせている。

フミーン…ミーン… 甘える様な声を出しながら、下の唇を使って金雄の男根を舐めている。

ニュルッ…ゾクッ… ニュルッルッ…ゾクゾクッッ… 猫娘が腰を滑らすたびに、背筋を心地よい刺激が走る。

「え…えーと…」 展開についていけず、戸惑う金雄。 このまま流されていいものかどうか…

と、猫娘が金雄に抱きついてきて、耳元で一声。 ミィー… 頭の中から理性が消え、野生がたぎる。

「えーい!どうにでもなれ!」 叫んで腰を揺らす。

スルリ あっさりと猫娘に納まる金雄自身。 

ヌラリ… 「うおっ?」 思いよらぬ滑った感触。 金雄の熱を吸い取るかのように冷たい。

ヌルヌルヌル… 猫娘の中がうねり吸い付いてきた。 たまらない感触…と思った途端、亀頭が震えだした。

「こ…これは凄い…うわっ…」 あまりの心地よさに、男根が、腰が、誘われるままに動き出す。 

ミーッ… ミーッ… 猫娘は薄い胸をもみし抱くようにして、金雄の上で激しく腰を振る。

その声に操られるようにして、金雄の体が猫娘を躍らせる。

ミッミッミッ…ミーッ!!

一際高く鳴いて、猫娘が身をそらせ、同時に猫娘が金雄をきゅぅっと締め上げ、求める。

「くうっ…」 ちと情けない声と共に、金雄は猫娘の求めるままに、熱い精を迸らせた。

トクトクトクトク…トックン… 

ミゥミゥミゥ…ミュー 甘えるような声を出し、猫娘は金雄の胸に倒れこむ。 

胸に擦り寄る猫娘のお腹の感触を楽しみながら、金雄は猫娘の背中を撫でてやった。


”フフッ…クックックックックッ…”

「は?」何処からともなく聞こえてきた声に金雄は戸惑う「誰だ?」

と、金雄の胸に顔を埋めていた猫娘が、がばりと身を起こした。

「のっ!?」爛々と光る目が金雄を見つめていて、さっきまでと様子が一変している。

金雄は思わず両手を伸ばして、猫娘の肩を掴む。

ゾロリ… 手が掴んだ所の毛がごっそりと抜けた。

「むっ!?」 見る見るうちに猫娘の体から毛が抜け落ちていき…緑色の皮膚、いや滑り光る体表が現われ…そして

緑色の姿の女体となった。 

妖しく光り流れ落ちる髪 熟れたスイカのような胸、くびれた腰、タップリとしたお尻。

「お…お前は一体?」 誰何しながらも、見とれてしまう金雄だった。

”私はライム…くっくっくっ…” 緑の女の声は頭の中にじかに響いてくる。 ”礼を言うぞ…人間”

「なんだと…むっ!?」 金雄はライムの中に自分の物が呑み込まれたままなのに気がついた。 ライムの体を透かして、

男根が嬲られているのが見える。

”くく…逆らっても無駄だ…お前の心は既に私のもの…”

「ぬうっ!?」冷たい手とも舌ともつかぬ何かが、彼を嘗め回している。 その感触がじわじわと染み込んで来るようで…

心地よい…

”我が与えし快楽はお前の体に染み込み…もはや逆らうこと敵うまい” そう言ってライムは金雄の体に覆いかぶさって

きた。

ヌラーリ… 冷たい油を塗られたような感触に、体を戦慄が走った。 しかし、ライムの体で全身を刷り上げられると、

男根に感じたのと同質の快感が襲ってくる。

「こ…これは…気持ちいい…」 口をぱくぱくさせて喘ぐ金雄。

”私に包まれたお前の体は性器も同然…どうだ?たまらぬであろうが…”

「は…はい…たまりませんです…」 あっさり屈服する金雄

”ふふ…では楽しむがよい…そして、我が最初の奴隷として末永く可愛がってやるぞ…”

緑の女体は金雄を包み込むように抱きつき、半ば彼の体を女体に呑み込みながら一塊になって蠢く。

妖しい悪魔の儀式の様なそれを見ているのは月だけであった。

そして…

「ああっ…あああっ…あああああっ」 哀れな金雄の歓喜の声がライムに呑み込まれて行く。

金雄は緑色の気持ちのよい粘体に包まれ、今までに感じたことの無い快感の中ではじけた。

そのまま意識を失いながら、自分の心に何かがが触ったような気がした。


ちゅんちゅんちゅん… 雀の声で金雄は目を覚ました。

朝日のあふれる部屋をボーっとした目で辺りを見回して一言「なんだ、夢か…」

頭をかきながら立ち上がる…と視線が机の上で止まった。

『懐かしの食玩:仮面のヒーロー 第一期 七人衆』に混じって其れが居た。

緑色の透き通った少女…着せ替え人形程の大きさの其れは、『技の一号』のフィギュアを熱心に触っている。

「ライム…?」

少女が振り返り、視線が交差した。

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