王子とスーチャン

幕間劇(2) 『幼馴染、乱入』


  配役

  姉:スーチャン

  弟:ルウ王子

  幼馴染:黒姫

 「開けなさい、さもなくばドアを破壊します!!」

 ドアの向うから聞こえてきたのは、ルウの幼馴染の黒姫の声だった。 ドアを壊してしまいそうな剣幕に、姉はしぶしぶ

ドアを開ける。

 「!」

 黒姫は絶句した。 ドアの向うに立っていたのは、緑色の肌のスライムと化したルウの姉とベッドの上で怯えるルウ。

 「あんた達、姉弟でなにをやっているのですか!」

 『突っ込むのは、そっちなの』 ルウと姉がデュエットで応えた。


 「姉が弟の……床修行の相手をしてどうするです!!」

 「幼馴染とは言え、貴方は他人。 こう言う事は家族が教えるのが筋でしょう」

 「理論はともかく、実践してどうします!」

 息をからして口論する二人だが、ルウの意思は一顧だにされていない。

 「姉君様、議論で答えが出ないとなれば、実技で勝負しましょう」

 「実技?」

 「二人でルウ殿の相手をし、先に体を開かせた方の勝ちということで」

 「えー!?」 声を上げたのはルウだが、二人は気にも留めない。

 「でも……最後まで行くのはちょっと」 姉が言葉を濁し、黒姫も考え込んだ。

 「では服を脱がすところまでで」

 「力づくはなしで」

 「せめて、心の準備ができるまで待って……」 ルウのか細い抗議はやっぱり無視された。


 二人は、ベッドに腰掛けているルウの両側に座る。 ルウは居心地悪そうに身じろぎした。

 チュッ

 両方の頬にキスされ、ルウがピクリと震える。

 チッ……ツーッ

 耳の端を咥え、唇の間を滑らせる。 黒姫の唇は滑らかに、そして姉の唇は……フチフチとつき離れを繰り返し、敏感な

少年の耳をくすぐるっている。

 「ふみぃ……」

 吐息を漏らし、クラリとルウの上体が姉に傾くいた。 姉は、すかさず舌を伸ばし、耳の裏側に這わせ始めた。 プルプルッと

ルウが震える。

 「むっ」

 黒姫は眉根を寄せると、頬に唇を滑らせ、頤の下まで一気に達し、そのまま首筋を愛する。

 「あっ……」

 黒姫の艶やかな黒髪が、ルウの鼻腔の前で踊る。 首の周りの少女の唇の感触と、艶やかな黒髪から匂い立つ少女の

香りにルウの唇が震え、今度は黒姫の方に上体が傾く。

 「うぬ」

 黒姫側に傾いたルウは、肩口を姉の目の前に晒す事になった。 姉は肩口に顔を伏せ、鎖骨に沿って唇を滑らせ、舌を

ルウの下着に潜り込ませようとする。

 「それは反則ですわ。 自分から脱がせないと」

 黒姫の抗議に、姉は舌を収めた。 代わりとばかりに、肩口の肌が露出している部分に唇を吸い付かせ、丹念に吸い、唇を

這わせる。 甘い愛撫に、ルウの着衣が少しずつ乱れ、肌が露出していく。

 「なんの」

 黒姫も、ルウの首筋から鎖骨を攻め始めた。 同時に、自分の体をルウに押し付けるようにして、腕に沿って胸を上下させる。

 「感じて……」

 布越しに感じられる、少女のふくらみ。 そして胸元からあふれ出す、甘い香りがルウの鼻腔を擽る。

 「にゃっ」

 魔法にかけられたように、ルウの肩口から着衣がするりと落ち、肩がむき出しになった。 黒姫は其処を軽く噛み、甘えるように

ルウに擦り寄る。

 「このっ」

 姉は、鎖骨から肩、そしてうなじにかけてを、唇と舌を吸い付かせ、強く吸いながら何度も往復した。 生きたゼリーの感触が

うなじを這い回り、嫌悪感と紙一重の妖しい感触が首筋を駆け上った。

 「ひゃっ」

 ルウは産毛を逆立たせて声を上げた。 すると、背筋の辺りの着衣がするりと落ちて、瑞々しい背中が姉の前にさらけ出される。

 「やるわね」

 黒姫と姉は視線を交わし、ルウを前と後ろから攻めていく。

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