パイパイパー

3.女神と少年(3)


 ふ……

 少女パイパイパーは口元で小さく笑い、ルウ自身を神秘の襞でゆっくり擦りあげる。 上に……下に……また上にと、少年の

証を磨く様に、ゆっくりと動かす。 固く縮こまったルウ自身は、少女神の戯れに誘われるままに目覚めようとするが、それを

果たせずにいた。

 は……

 ルウの口からため息が漏れ、パイパイパーは笑みを深くした。

 「不満そうね……」

 「いえっ!……」

 からかうようなパイパイパーの口ぶりに、ルウは慌てて否定した。

 「本当の事を言っていいのよ、ルウ?」

 言いながら、パイパイパーはルウに体を預けて来た。 二人の距離が縮まるにつれ、少女にしては大きすぎるふくらみが、

ルウの胸に冷たい感触を広げていく。

 「……なんだか、あれが……」 ルウは真っ赤になって続ける。 「変になりそうで、でもうまくいかなくて……あの……」

 パイパイパーは、ゆっくりと体をうねらせた。 ルウの胸と密着した乳房が、ルウの胸の上で渦を描く。 柔らかな乳首が、やや

ざらつく乳輪が、そして絹のような少女の肌が、少年の瑞々しい肌に三重螺旋のハーモニーを奏でる。

 「……」

 口を閉ざしたルウ、その目が潤み、焦点を失っていった。 パイパイパーは、そっと手をかざすし、ルウの瞼を閉じさせる。

 は……

 パイパイパーの愛撫が、ルウの全てになった。 胸の上描かれる魅惑の渦に、意識が吸い込まれるような錯覚すら覚える。

 (……でも駄目……いっては駄目……)

 ルウはパイパイパーの言いつけを守ろうと、心の中で自分を叱咤する。

 「偉いのねルウ……いいのよ今は、身を任せても」

 少女パイパイパーが、ルウに囁いた。

 (いいんだ……)

 ルウは体の力を抜くと、パイパイパーの方に体を寄せた。 しっとりと冷たい肌が彼を包み込む。

 「ルウ……」

 パイパイパーは、ゆったりとしたリズムに乗せ、ルウの胸に自分の乳房を擦りつけつつ、腰をすり合わせる。 二つの愛撫から

甘い疼きが生まれ、ゆっくりとルウを満たしていく。

 はぁ……はぁ……

 ルウはため息のような声が漏れる。 パイパイパーの愛撫は蜜のように甘く、濃い。 その甘い感覚が体を満たしていく。

 「可愛らしいわ、ルウ」

 パイパイパーは、目を閉じて甘美な感覚に酔いしれるルウに唇を寄せ、軽く吸う。 そして、手を伸ばしてルウ自身を手の中に

収めゆっくりと揉み解す。

 「……」

 ルウは目をうすく開け、パイパパーの手の動きを見た。 小さな少女の手の中で、自分の分身が揉み解され、形を変えられる。 

熱く猛っても不思議はないそれが、少女の手に熱を奪われるように冷たく、そして心地よくなっていく。

 「ルウ……」

 パイパイパーはそう言って、彼を引き寄せ、いっそう深く彼の胸を自分の胸に迎え入れ、囁く。

 「ルウ……感じて御覧なさい」

 ……あふ……

 甘い蜜の感覚が胸から溢れだした。 体を満たす甘美な感覚にルウは浸り、体を震わせる。

 「そうよ、ルウ。 浸っていなさい……ゆっくり……ゆーっくり……気持ちよくなればいいの……」

 はい……はぁぃ……は……

 ルウの口調が間延びし、やがて意味のある言葉を失う。 パイパイパーの胸に抱かれたまま、ルウは至福の世界を漂う。


 あ……あ……ああ……

 体を満たす、痺れにも似た快感。 その中で、ひときわ強い痺れが背筋を走り抜け、ルウの体が大きく震えた。

 「……」

 パイパイパーは無言でルウから離れると、少し離れたところに立ってルウを見下ろした。

 「ルウ」

 パイパイパーの呼びかけに、ルウは顔を上げて彼女を見あげ、次に自分の体を見る。

 「……おっぱい……」

 彼の胸は緩やかに膨らみ、体もやや優美な曲線を描いていた。 一方で少年のものは健在であったが、やや小さくなっている。

 「パイパイパー様?」

 ルウが問いかけると、パイパイパーは応えた。

 「気に入った? 女の喜び、いえ、女神の喜びは」

 「女神……様の?」

 パイパイパーは、ルウの前に座り込む。 彼女の背はルウよりやや低くなっていた。 いや、ルウの体が大きくなっていたのだ。

 「女神の喜びを覚える毎に、貴方は私に近づいていく。 そしてあなたは私になるの」

 パイパイパーは、ルウの手を取ると自分の胸に導いた。 ルウの手が、当然のように女神の胸を弄りはじめる。

 「今度はあなたが私を、そして私があなたを……ルウ……」

 ルウは、少女パイパイパーの胸に軽く口づける。 小さな乳首がプルンと震え、パイパイパーがのけ反る。 その刹那、彼は

自分の体に快感の疼きが走ったのを感じた。

 あっ……

 思わず漏れた声に、パイパイパーが顔を上げる。

 「ルウ、して。 一緒に……」

 ルウの手がパイパイパーの胸に沈むと、彼女が深いため息を漏らした。 そして二人は、言葉の要らない愛の会話に没入して

いった。

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