パイパイパー

2.女神の洗礼(10)


 おおっ!…… ふぅ……

 オランは精を、続いて息を吐き出し尻もちをつく。 彼のモノとリタの秘所の間に輝く糸が渡され、すぐに儚く消える。

 「こんないい思いしたのは……ずいぶん昔だぁ」

 呟くオランの視線の先で、仰向けになっていたリタが体を起こした。

 「お、おめぇ!?」

 オランが驚きの声を上げる。 そこに居たのはリタであってリタではなかった。 それは昔、オランと結ばれたころの若いリタ

だった。

 「うふぅ……あは。 ねぇ、オラン……」

 リタは若きなった自分に驚くでもなく、しなをつくってみせる。

 「お、お前」

 「驚くことはないは、オラン、貴方も」

 言われてオランは気が付いた、自分の体が若いころの体に戻っていたのだ。

 「こ、これは?」


 パイパイパー〜♪……


 驚くオランの耳に、あのパイパイパーの声が聞こえてきた、神の声として。

 ”その体、我が乳の力……”

 「だ、誰だ? 乳?」

 その時オランは、あたりに漂う白い霧に、乳の香りであることに気が付いた。

 「こ、この霧の……」

 ”欲望のままに、戯れるがよい……”

 どうやら、パイパイパーはオランではなく、皆に呼びかけているようだった。 辺りを見回せば、オラン同様の女房もちの

男たちが、若い体に唖然としている。 そしてその女房達は……

 「ねぇ……きて」

 「どうしたのよ、早く……」

 女房達も若返っていたが、それだけではない。 妖しい雰囲気を漂わせ、亭主を誘っている。

 「オラン……」

 リタがオランを呼び、オランはそちらを見た。

 「!……」

 全裸のリタは、体を岩に預けてオランを誘っている、豊かな乳房を揺らし、足を組み替えて。

 「リ、リタ」

 再びリタに近寄るオラン。 さっきまでとは比較にならぬ妖しい女となったリタに抱きつき、乳房を強く吸う。

 「あはぁ……」

 リタが体をくねらせると、乳房が揺れてオランの頭を挟み込む。

 「むおぅ」

 柔らかな乳房がオランの頭を挟み込み、乳の香りで彼を包み込む。 同時にしなやかな手足が、若くなった亭主に絡み

ついた。

 「捕まえた」

 「ああ、捕まっちまった」

 ずっと昔、同じように彼は彼女に捕まった。 もっとも、今度はずっと色っぽいが。

 「おむぅ、はふぅ」

 下品な音を立て、オランは夢中でリタの乳房をはみ、なめまわす。 リタの乳房は、別の生き物のようにオランの顔に吸い

付き、その顔を滑らかな乳とざらつく乳輪の二重奏で愛撫した。

 「うひゃ、たまんねぇ」

 リタの乳房がオランの口に滑り込み、舌に乳の味をあふれさせる。 脳天が蕩けそうに甘く、そして蠱惑的な味が彼を夢中に

させる。 彼は、他の事をすべて忘れリタの乳房を吸う。

 「ああ、もう我慢できない」

 リタは、オランの腰に自分の秘所を摺り寄せ、ヌメヌメした感触でオランを誘う。 その淫らな感触は彼の腰を這いずり、目当て

のモノに吸い付いた。

 「ぬおぅ」

 リタの秘所もまた、別の生き物ののように蠢くと、オラン自身を中に呼び込む。 そこもまた若返り、熱く激しく乱れていた。 

いや、最初の時でもここまででは……オランがそう考えた刹那。 熱い肉壺に先端が達する。

 「ひっ!?」「ああん」

 リタの奥は熱い液体とザラツク襞で満ちていた。 たちまち達しそうになるオランは、かろうじて踏みとどまる。

 「突いてぇ!」

 リタがねだり、オランは必死で耐え、夢中で腰を動かした。

 「あーっ、ああっー!」

 悶えるリタは妖しい気配をまき散らし、オランはその気に操られるようにリタを喜ばせる。 

 「お……おおーっ……」

 リタの奥はオランの攻めに喜び、その熱い抱擁で彼自身を激しく愛した。 オラン自身が蕩けるような快感に包まれ、それは

奔流となって彼の体に逆流してくる。

 「あ……あーっ……」「ああーっ!」

 熱い快感に頭の中が真っ白になる。 二人の体は互いを夢中で求める、もう考える必要はない、勝手に体が相手を求め、

喜ばせる。

 「溶ける……蕩けるぅ」

 「来……て……」

 オランは熱い快感に身をゆだねる。 熱くドロドロしたものがリタの中に注がれる。

 ドクリ…… ドクン、ドクン、ドクン、ドクン……

 「ぐふぅ、ぐふっ、ぐふっ」

 「ハァッ!!」

 獣じみた声を上げ、二人は絶頂の快感に酔いしれる。 若くなった肉体は激しい交わりに耐え、最高の快楽で二人を祝福して

いた。


 「くはっ」

 オランは、ためていた息を吐き出す。 間違いなく人生最高の交わりだった。

 ハア……ハッ、ハッ、ハッ……

 「リタ?」

 オランの下で、リタが早い息をしている。 オランは彼女の髪を撫で、顔の汗をぬぐった。

 ハッ……アハァ!!

 リタが目を見開いた、そこから深紅の光が溢れ出す。

 「リタ!?」

 ”お前たちのの連れ合いは人を超え、我が僕になりつつあるのだ……”

 「へ、それはどういうこと……」

 パイパイパーにオランが尋ねようとしたとき、リタの深紅の瞳が彼を射抜いた。

 「オラン、私の目を見て」

 「!」

 目が離せなくなった。 赤い光が彼の目を通して、魂を射抜いているかのよう。

 「見て……」

 リタの体が濡れている。 リタはオランの手を取ると自分の乳房に導く。 ヌルリとした感触だ。

 「リタ……」

 テラテラと妖しい光る女体が、彼の手の先にある。 リタは手をゆっくりと胸の谷間に誘い、そのまま腕を谷間で愛撫する。 

 「……」

 ”その体は、お前達の精の力で変貌したのだ……”

 リタの乳房が肩まで来た。 オランは呆けたような面で、半ば無意識にリタを抱き寄せた。 滑る女体が彼の腕の中に納まる。

 アハッ……

 リタが微笑むと、赤い唇で彼の口を奪う。 舌が唇を割って入って来ると、彼の口の中を女の匂いで満たす。

 「ああ……」

 陶然とした表情で、オランは力を抜いて腕を下す。 リタは逆にオランを抱きしめると、滑る体を彼にこすり付ける。 ヌルヌルと

した感触に包まれたままオランは横にされ、その体にリタが覆いかぶさる。

 ”よい心地であろう。 我が僕の体、存分に味わうが良い”

 「リタ……」

 無抵抗になったオランの上で、リタがよがり始めた。

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