パイパイパー

2.女神の洗礼(8)


 「リン?……」

 泉のほとりに居た4人には、何が起こっているのか判らなかった。 温い乳の泉は、白い霞の帳に包まれ、リン達の姿を

隠していたからだ。 リンの身を案じた彼らは、リンの声に耳を澄ませていた、次第に高く艶っぽくなっていくその声に。


 あ……いい……


 「どうなってんだ?」「まるで女の声だ」「いや、あれは他の娘の声じゃ……」


 あっ!……ああっ……


 ゴクリ……  

 誰かがつばを飲みむ。 見えないということで、かえって彼らは想像を描き立てられ、身を乗り出していた。 その時、ふわりと

空気が動き、帳がめくれるように、霞が左右に分かれた。

 「!」

 泉の真ん中で、白く美しい二人の女が戯れている。 一人はパシィ、もう一人はリン。 二人は白い泉の真ん中で、淫らに、

誰はばかることなく互いの女性自身を舐めあっていた。


 ”パシィ……”

 ”綺麗よ、リン……”

 ”ああっ……”


 「なんて事だ……」

 「……」


 パイパイパー♪ パイパイパー♪ 


 あの奇妙な音が微かに響いて来る。 すると彼らの心に、リン達の傍に行きたいと言う衝動がが生まれた。 いつの間にか、

かれらは立ち上がり、泉に足を踏み入れている。

 チャプリ……

 泉の水音に、一人が我に返る。

 「あっ! おい!」

 気が付いた一人が、前に居る男の肩を掴んだ。 が、彼はうるさそうに手を振り払う。

 「なんだ?……いま、いいところだろうが……あー……なんだか……」

 ぼんやりと呟く男は、既に腰まで泉の中にあった。 人肌の乳は、下ばきを通して肌にまとわりつき、ネットリとした感触が

男性自身を次第に固くしていく。

 「しっかり……くそ、なんだか変な気分に……」

 正気に返った男も、腰に纏いつく乳の感触に、次第に心が奪われていく。 固くなって、先端がむき出しになった男性自身が、

暖かい乳に包まれて、揉み解されているような気がする。


 ”ほら……気持ちよくなってきたでしょう……”


 美しい声が耳を撫でる。 声の持つ威厳に、自然と態度が改まる。

 「だ、誰……誰です貴方は……」


 ”私は神……さぁ……気持ちよくしてあげる……”


 「神……あ……あー……」

 乳の温もりと不思議な快感に、彼らの男根は呆気なく果てた。 ヒクヒクと脈打ち、乳の中に精を放っている。

 「あ……温かい」

 「は、入ってくる?……」

 自分たちの一部なのに、男性自身が蠢くのを止められない。 そして、先端から暖かいものが入ってくるような、経験したこと

のない感触が彼らを翻弄する。

 「なんか……溶けて行くみたいだ……」

 「お、おれも……頭がぼーっとする……」


 ”良い心地でしょう……さぁ、我が乳に体を浸し、女になるがよい”


 パイパイパーの言葉を聞くと、全身に言いようのない喜びが沸き起こった。 パイパイパー神に命じられるまま、彼らは乳を

すくい上げて、己が体に浴びる。

 「ああ……ぞくぞくする……」

 「いい心地……魂が洗われていくようだ……」

 乳を浴びている彼らの体は、少しずつ色が抜け、じわじわと丸みを帯びていく。 その彼らの傍に、泉の中に居た他の娘たちが

やってきて、かれらの体に乳をかけたり、体を摺り寄せたりしてきた。

 「いっしょに、気持ちよくなりましょう……」

 「とっても、楽しいわよ……」

 彼らは、躊躇うことなく彼女たちの愛撫を受け入れ、彼女達にお返しをする。 互いにもつれ合う淫らな生き物達は、乳の泉を

かき回し、白い水しぶきに歓声を上げる。


 ”我が僕達よ……我が愛を受け取りなさい……”


 「……?」

 一人が異変に気が付いた。 なんだか泉の水が重くなっているようだ。 

 「……」

 手のひらで確かめると、さっきまで水の様だった乳の泉が、今はドロリとした感触に変わっている。 ちょうど、生クリームの

ような手触りだ。 と、泉が不自然に波打ち始めた。

 「きゃ……」

 乳の泉は、白くドロドロとした生きたクリームに変わり、女たちを中に入れたまま蠢き始めた。 

 「わ……うぁ……♪」

 『生クリーム』は、女たちの女性自身に流れ込み、中を隙間なく満たし、内側をきめ細かく愛撫し始めた。 この攻めに、女たち

はたちまち虜になる。

 「あん……もっと……」

 「はぁ……パイパイパー……様……」

 まだ女になりきっていなかった一人が、『生クリーム』の中に包み込まれ、泡立つクリームで全身を隈なく愛撫される。

 「あぁ……」

 体を包み込む快感に、彼は身を任せて力を抜いた。 すると『生クリーム』は日に焼けた肌を白く染め、農作業で固くなった手を

ほぐし、見る見るうちに女に作り変えてしまう。 そして女になった体に、改めて『生クリーム』が女の喜びを教え込む。

  
 「あれは……なんなの?」 ルウが呟いた。

 「あれはパイパイパー様の愛。 僕となった者たちに喜びを与えているのよ」

 シャーリィがルウを見る。

 「一度愛されれば、とっても素直な気持ちになるわ」

 そう言うと、シャーリィはルウの手を引いて、歩き出す。 ルウが目線で『何処へ?』と聞く。 

 「大人の人たちの所よ。 パイパイパー様の僕になるには、年を取りすぎた大人の男の人達の」

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