パイパイパー

2.女神の洗礼(4)


 ディーは、次第に変わっていく体を見せつけるかのように、妖しく悶える。 

 「ディー……」

 ルウは再び少年の名を呟いた。 その声には、恐れの色すら感じられた。

 「……いやだよ、こんなの……」

 呟いたのはルウではなかった。 ルウは声の主を目で探す。 すると、ディーの向こう側のに、数人の少年が佇んで

いるのが見えた。

 「ソベン、ターキィ……」

 彼らもディーやルウと同じ村の少年で、声を出したのはソベンと言う年長の少年だった。 その顔には戸惑いと恐れの

色が見える。 ルウは心がざわつくのを覚えた。

 
 「やだよ……」

 ソベンはそう言って後ずさり、背後のターキィにぶつかる。 ソベンが振り向くと、ターキィは夢を見ているような眼差しで、

ソベンとディーを交互に見ている。

 「ターキィ、どうしたんだ……」

 ソベンがターキィを揺さぶると、微かに彼の表情が動が、すぐに夢見るような表情に戻ってしまう。 ソベンは自身もなんだか

頭がぼーっとして、半分夢を見ているような気分だ。

 「どうしたんだよ……ここはどこなんだ……」

 パイパイパー……♪

 あの不思議な音が響いてきた。 そして同じ方向から、ペタペタと足音を立て、薄絹のような布を纏った白い肌の少女が

やってきた。 彼女は、そのままソベンに近寄って来る。

 「……君、誰さ……」

 ソベンは足を引き、少女から距離を取ろうとする。 しかし、少女は無造作に距離を詰めてきた。

 『ウフ……怖いのね』

 少女は不思議な笑みを浮かべ、ソベンにすり寄った。 その体からは、甘ったるい乳の匂いが漂い、ソベンを包み込む。

 「君誰さ……や、何をするの……」

 少女はソベンにすり寄り、そのまま彼を地面に押し倒した。 上体を起こそうとするソベンの下履きを、器用に脱がしてしまう。

 「や、やめて……」

 顔を赤らめるソベンに構わず、彼自身に頬ずりをする。

 『フフ……』

 年に似合わぬ淫らな笑みを見せた少女は、ソベン自身を咥え、舌を這わせ始めた。

 「!」

 少女の思わぬ行動にソベンは、そしてソベン自身も硬直した。

 『そう……そのまま……感じて』

 ソベンは、『何を』という言葉を発しようとしたが、声が出なかった。 その間も、少女の舌は休みなくソベン自身を嬲りつづ

ける。

 「……うっ」

 大事なところに、変な感覚が伝わってくる。 股間の袋に、痺れるような、溜まっていくような妙な感覚だ。 しかし、不快な

感覚ではない。

 「なに……これ……」

 そう言うソベンの顔から恐怖の色が薄れ、少女に身を任せ始めていた。

 『フ……』

 少女はソベン自身から口を離し、身にまとっていた布をほどいた。 すると、頭ほどもある双丘がこぼれ落ちた。 少女は、

ソベン自身にその胸を摺り寄せる。

 「……あ……」

 白い谷間が彼自身に触れるたと思った次の瞬間、白い谷間の中に彼自身が吸い込まれるように消え、先の方だけが

顔を出した。 少女の舌が、再び其れをとらえる。

 「……」

 柔らかな温もりが彼自身を包み込み、濡れた舌がその先端を嬲る。 痺れるような感覚が一層強くなり、股間の彼自身

から体に広がっていく。

 「痺れちゃう……」

 ソベンは痺れる感覚に身を任せ、うっとりと呟いた。 痺れは腰から体に広がり、力が抜けていく。

 『良い心地でしょう……じきにとっても気持ちよくなる……そうすれば怖くなくなるわ』

 「怖くなくなる……?」

 『そう……そうしたら、あなたにもパイパイパー様のお乳を飲ませてあげる……』

 ソベンは夢心地で少女の声を聴いていた。 足腰が気持ちよく痺れ、少女の温もりが心地よい。 背筋を甘い痺れが這い

あがってくるのが判る。

 「いい……気持ち……」

 『貴方も女になるの……女になってパイパイパー様に仕えるのよ……』

 少女の言葉をソベンが理解する前に、快楽の痺れが彼の魂を包み込んだ。

 「あ……いい……」

 小さくつぶやいたソベンの背が反り返り、少年の腰がヒクヒクと蠢いた。 少女は、ソベン自身を咥えたまま離さず、何かを

吸っているように見えた。

 「あ……あぁ……はぁ……」

 ソベンは快楽の喘ぎを漏らし続け、やがて地に横たわる。 快楽を極めた体から、その残滓の熱気が立ち上り、息も荒い

が、宙を見つめる目は虚ろだ。

 『さぁ……』

 少女はその双丘から乳を滴らせ、ソベンの顔を白く染める。 ソベンの口にその白いモノが、チロチロと流れ込むにつれ、

彼の瞳に不思議な光が宿っていく。

 「はぁ……あふ……」

 ソベンが体を起こすと、天井から白い滴りが二人めがけて振ってきた。 少女は、その滴りを自分の乳房で受け止め、ソベンの

口に自分の乳首を含ませた。 二つの乳が混ざり合い、ソベンの口を満たす。

 ンクッ…… ンクッ……

 素直に乳を飲むソベンを、少女はあやす様に優しく抱いた。

 『おいしいでしょう?……』

 「うん……なんだか……ふわふわしてきた……」

 ソベンが少女に応えると、少女はソベンの下腹を優しくなでた。

 「あっ……」

 ソベンは目を閉じ、動きを止めて少女の愛撫に身を任せる。

 「おなかの中が……温かい……」

 『それが女の快楽……さぁ……女にしてあげる』

 少女は、三度ソベン自身を咥えると、丹念に舌を這わす。

 「ああ……溶けちゃいそう……」

 『そうよ……男の子のものが……溶けていくの……気持ちよく……気持ちよーく……溶けていくの……』

 少女の言葉に従うかの様に、ソベン自身は白いモノをトロトロと吐き出しなら、ヒクヒクと震えて縮んでいく。 ソベンは軽く

目を閉じ、少女に身を任せている。

 「いい……気持ち……もっと……して」


 地面に座り込んだソベンの体が、次第に丸みを帯びていく。 その光景を見ているうちに、ルウのざわめきは薄れていった。

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