パイパイパー

2.女神の洗礼(3)


 ハァ……

 ディ−はため息をついた。 体の中に、何かモヤモヤとしたものが溜まっている。

 ”ご覧なさい。 大事なところを”

 鈴を振るような美しい声が響いてきた。 ディーは声の勧めるまま、足を開いて自分自身を検める。

 「……なにこれ?」

 大事なところは跡形もなく消え失せ、肉の襞で隠された割れ目が残るのみ。 大人ならば、それが女性の大人の形と

判るだろうが、彼は幼いころ、水浴びをする女の子のものしか見たことがなかった。

 ”よく見てごらんなさい……よーくみて御覧なさい……”

 自分の一部なのに、そこは勝手に動いた。 息をするように、肉襞が微かに震え、テラテラ濡れて光っている。 それを

見ていると、疼くようなもどかしさがが伝わってくる。

 「……」

 魅入られたように、ディーはそこに手を伸ばす。 指が触れると、そこは別の生き物のようにディーの指を咥えた。

 「あっ……」

 指が触れた瞬間、不思議な感覚がディーを襲った。 一瞬指をひっこめたが、おずおずと指を伸ばしそこに触れる。

 「濡れてる……」

 暖かいぬめりで包まれた襞に指を走らす。 切ないような、甘酸っぱいような、不思議な感覚がそこから伝わってくる。

 「……」

 ディーは、何かに導かれるように指で肉襞を摩る。 指は襞の外から内に入り、中へ中へと入っていく。

 ハァ……ハァ……

 どこからか誰かの喘ぎが聞こえる。 ディーは、自分が喘いでいることに気が付かない。 指を濡らす熱い蜜と、襞の醸し

出す甘い感覚に意識が囚われているのだ。 そして指先が神秘の宝珠を探し当てた。

 ビクッ!

 ディーは身を震わせて動きを止める。 そして、今度は慎重に指先で宝珠を探し当て、ゆっくりと摩る。

 「は……あん」

 えも言われぬ甘い波が、そこからディーの全身に溢れ出した。 口から甘いうめき声を漏らし、ディーは身を震わせた。

 「ここ……いい……いい」

 うっとりと甘い波に身をゆだねるディー。 指は勝手に蠢き、宝珠から甘い波を紬だす。

 ”いい気持ちでしょう……それが女の快感……存分に浸りなさい”

 「女の……快感……あぁぁぁ……」

 女の快感に浸り、蕩けるような喘ぎを漏らすディー。 小さな手は、襞の奥から湧き出す熱い蜜にまみれながら、宝珠を

まさぐり、襞の中を優しく摩る。 淫らに、そして妖しく、ディーの女性自身の上で踊り狂う。

 「ふぁぁ……はぁぁ……」

 
 「ディー……」

 ディーの痴態に見入っていたルウは、ディーの指が長くなったような気がした。

 『ご覧なさい。 ディーの手が女の手になっていくのよ』 シャーリィがルウの見立てを肯定した。 『ディーの女性自身は

パイパイパー様が与えたもの。 あれがあの子の体を、パイパイパー様に仕えるのに相応しい女体に変えてくれるの』

 ルウはシャーリィを見て、次にディーに視線を戻す。 ディーは岩壁に背を預けたまま、自分の股間を弄り続けている。 

その表情は恍惚に緩みきり、女の快楽に浸りきっているのが見て取れた。

 『気持ちいいわよ……女に変わっていくのは……他のことなんかどうでもよくなるから……』

 シャーリィはそう言うと、ルウの男性、いや少年自身を優しく摩った。

 「あ……」

 ルウは身を震わせ、思わずシャーリイーに抱きついた。 その先をせがむ様にシャーリィに体を擦り付けたが、シャーリィは

先へは進まず、ルウをディーに向き直らせる。

 『よく御覧なさい、ディーが女に変わっていくのを』


 「はっ……はうっ……」

 既にディーの両手は女に変わっていた。 ディーの両手は、彼の女性自身から溢れる蜜を掬い取って、胸に塗っていた。 

少年の薄い胸板が、次第にふっくらと丸みを帯びていく。 その彼に、どこからかあらわれた少女が体を寄せてきた。

 「ディー……手伝ってあげる」

 少女の胸は大きく膨らみ、大人の女にも引けを取っていない。 彼女は、そのたわわな膨らみをディーの胸に押し付け、

乳房を突き合わせて小刻みに震わせだした。

 「?……あ……あぁ」

 ディーの喘ぎの調子が変わった。 やや高い声を上げ、身もだえする。 小さなふくらみだった胸が、ヒクヒクと蠢きながら

膨らんでいく。

 「あぁっ……あぁっ……」

 「くふっ。 他の人にされるのもたまらないでしょう? ほーら、もっと大きくしてあげる」

 熱い喘ぎを口から吐き出しながら、ディーの体は女に作り変えられていった。

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