パイパイパー

2.女神の洗礼(2)


 ポトリ……

 「ん?」

 ルウは顔についた雫を手でぬぐった。 微かな滑りを感じ、手のひらを検める。 水は白っぽく濁っていた。

 「……あれ? ここは?」

 辺りを見回すと、靄がかかっているようで遠くが見通せない。 靄の向うがぼんやりと光っていて、それでいっそう先が見え

なくなっている。

 「変な所……妙に生暖かいし……」

 ぼんやりとした口調でルウは呟いた。 本当ならば、もっと怯えたりしてもよさそうである。

 「なんだっけ……どうしてたんだっけ」

 ルウは、自分がどこにいるのか考えようとした。 しかし、視界同様に意識にも靄がかかっているようで、頭が回らない。

 「誰?……」

 靄のに人の形の影が浮かび上がった。 靄のベールの向うから、裸体の女性が現れる。

 「シャーリィのおばさん……」

 それは村の住人の一人だった、最初に姿を消した。 彼女はルウの肩に手をやり、撫でるように動かす。 すると、ルウの

着衣がするりと脱げ落ち、彼も裸になった。

 「わー……」

 ルウは顔をほんのりと赤らめると、手で体を隠す。 シャーリィはルウに笑いかけ、彼の手を引いて歩き出した。 ルウは、

素直についていく。


 ア…… フゥ……

 靄の向うから、人の声がもれ聞こえてくる。 時折、影絵のように人の形が靄に浮かび上がり、幻のように消える。

 「?」

 ルウは首をかしげた。 何が起きているのかよく判らないといった顔だ。 不意に視界が開け、目の前に岩壁が現れた。

 「ここは……洞窟か何かなのかな……」

 『ここは、パイパイパー様のおわす場所よ』

 ルウの呟きにシャーリィが応え、先の方を指差す。 そちらを見ると、ルウの見知った顔があった。

 「ディー?」

 ルウと同い年の村の少年が、やはり裸で岩壁の辺りに座り込んでいた……


 (ここはどこ?)

 ディーは考えた。 気がついたら、この生暖かい洞窟に蹲っていたのだ、裸で。

 「……わっ?」

 ディーの頭の辺りに雫が、いや細い水の流れが落ちてきた。 ディーはそれを手で掬い取る。

 「白い……や」

 暖かいそれは、良い香りがした。 ウースィの乳の匂いにも似ていた。

 「お乳みたい……」

 タラーリ……タラーリ……

 生暖かいお乳は、ディーの頭や肩に滴り落ち、彼の体を白く染めていく。 その温もりと香りに包まれると、心が安らいで

いくようだった。

 「なんか……いい」

 ディーは避けようともせず、乳の滴りに打たれるままになっていた。 と、滴りが彼の股間を濡らした。

 ヒクッ…… 少年の幼いソレが反応する。

 「……」

 タラーリ…… ヒクリ

 タラーリ…… ヒクリ

 滴りの温もりがソレを包むと、なんだか心がフワフワしてくる。 ディーは腰を動かして、自分から滴りをモノで受け止めた。

 タラーリ…… トローリ……

 「ふぁ……」

 白い滴りは受け止めたソレに、甘い微かな痺れが走った。 ソレは次第に固くなり、上を向いていく。 自分から滴りを求める

かのように。 

 タラーリ…… トローン……

 「やん……」

 上を向ききると、甘い痺れはいっそう強くなった。 痺れが抜けきらないうちに、次の滴りがソレを包みこむ。 段々、甘い痺れ

がソレ全体に溜まって行く様だ。

 「あ、駄目……なにか……出ちゃう」

 ディーは、ソレが痺れて何か出そうとしているのに気がつき、堪えようとした。 すると、どこからともなく声がした。

 ”ダシテイイノヨ……ヨクナッテイイノ……”

 その囁きを耳にすると、堪える事が出来なくなった。 甘い痺れは、ディーの幼いモノ全体に染み渡り、彼を男にした。

 「ひっ……」

 ヒクリ……ヒクヒクヒクヒク……

 トロトロとした白い粘っこい液体をディーのモノが吐き出す。 ディーは初めての感覚に戸惑い、身を震わせた。

 ヒクヒクヒク……ヒクッ……ヒクッ……

 「はぁ……いい……いい……」

 うっとりと、身をよじるディー。 彼のソレは、ひとしきり精の迸りを吐き出した後も、余韻に震えていた。 それを慰めるかの

ように、白い滴りはなおもディーのソレを濡らしている。

 トローリ……ヒクッ……

 トローリ……ヒクッ……

 放った直後で過敏になったソレを、優しい温もりが捕まえて離さない。 ディーは滴りの与える余韻に酔いしれる。

 「……あれ?」

 トローリ……ヒクッヒクッ……

 トローリ……ヒクッヒクッ……

 ディーはソレが縮んでいくのに気がついた。 ロウソクが燃えて溶けていくように、自分のソレが、滴りを受け止めるたびに

溶ける様に縮んでいく。

 トローリ……ヒクヒクッ……

 トローリ……ヒクヒクヒクッ……

 「溶けるよ……溶けちゃう……」

 ぼーっとした口調で呟くディー。 少年のソレは、確かに溶けつつあった。 だが、滴りを受け止めたときに生まれる、あの

甘い痺れは、最初と変わらずディーを虜にしていた。

 「溶けちゃう……あはっ……いい気持ち……うふっ……気持ちいい……」

 縮んだそれは、最初と変わらぬ程の甘い痺れを生み出していた。 さっきまで、固くそびえていた少年のソレは、小さな豆程に

縮まりながら、最初と変わらぬほどの甘い痺れを生み出していた。 それは一点に集まつた分、強く熱い痺れとなっていた。

 トローリ……ビクビクビクッ!

 ディーは股間に滴りを受けるたび、喜びに身を震わせていた。 口からは熱い吐息を漏らし、滴りのもたらす甘い疼き……熱い

快感に身を委ね、いや、快感に支配されようとしていた。

 「いい……いく……」

 カクンとディーの頭が垂れた、失神したらしい。 しかし、滴りは容赦なくディーの股間を襲い続ける。

 ジュクン……ジュルリ……ジュルリ……

 縮みきった少年のソレの下で、新しい動きが始まっていた。 白くドロドロに濡れた二つの男の証。 それがグネグネと、別の

生き物のように蠢いている。

 ハッ……ハウッ……ハッ……

 失神したまま、ディーは喘いでいる。 少年は目を閉じたままだが、その表情は切なく歪み、淫らにな夢に翻弄されている事が

窺い知れた。

 ジュクン!!

 ディーの股間が一際激しく動いて止まった。 同時に、少年の目が開かれる。

 「なに?……なんだかとっても……変な……気持ち」

 戸惑う少年の体から、奇妙な、そして淫らな香りが漂いだす。

【<<】【>>】


【パイパイパー:目次】

【小説の部屋:トップ】