パイパイパー

1.巡視達の災難(14)


 タ・カークは、パイパイパーの乳房の間でもがいていた。 

 (ここから……出ないと)

 パイパイパーの肌は絹のように滑らかで、バターのように柔らかかった。 手を突き出せば肘までめり込み、蹴りを

入れれば太ももまでが潜り込む。

 ”ああ……そのような事を……”

 タ・カークが抗うたびに、パイパイパー神の艶っぽい喘ぎ声が頭に響く。

 「ここか!」

 ”そこは……”

 「そこか」

 ”もっと上を……”

 「ここだ……」

 ”そう……”

 「ここを……はっ」

 タ・カークは、いつの間にかパイパイパー神の欲するがまま、全身を使って彼女の乳房を揉みほぐしていた。

 「いつの間に……この!」

 目の前の白い肌に噛みつく……が驚くほど柔らかい肌は、タ・カークの歯を受け流して彼の口腔にぬるりと滑り込む。

 「むわぁ……」

 パイパイパー神の乳房は、軟体動物の様にタ・カーク口の中をヌメヌメと蠢き、舌を優しく誘う。

 (なんだ……これは……)

 ふわふわとした甘い感触が口の中に溢れると彼の舌が勝手に動き、女神の一部を熱心に舐めはじめた。 舌の上に

蠱惑的な味が広がる。

 (おお?……ああ)

 それは味覚なのだろうか。 乳房と舌が絡み合うと、口の中に不思議な感覚が生まれ、タ・カークを満たしていく。

 ”おいしいでしょう……おなめ……もっとおなめ……”

 (……ああ……)

 ヌチ……ヌチャ……

 彼の舌は巧みに動いて、女神の乳房から甘露を舐めとっていく。 その動きがたまらないのか、彼を包む乳房の肌が

優しく動き出した。

 ニュルリ……ニュルリ……

 「ひぁ……」

 脇の下、足の間、そして乳首……全身をくまなく包み込む女神の乳房は、淫らな動きで彼を愛撫し、官能の渦に巻き

込んでいく。

 (あ……熱い……)

 体の芯が火照り、ついぞ味わった事のない不思議な快感が全身に満ちていく。 身をよじり、喘ぎ、快楽の声を漏らす

タ・カーク

 ”いくがよい……”

 「あぁ……」

 許しの声を受け、タ・カークは達した。 放ったのではない、体を満たした快楽が絶頂に転じ、意識が白くなったのだ。

 ゴボッ……

 体の奥から湧き上がる感覚に導かれ、何かを吐き出したような気がした。 が、めくるめく快感に呑みこまれ、直後に気を

失った。

 ”さぁ……”

 闇に落ちていく意識の中で、彼は女神の手を握りしめたような気がした。


 「……」

 風が頬を撫で、タ・カークは目を開いた。 体をおこして辺りを見回す。

 ”さすが……もう意識を取り戻したか……”

 パイパイパー神の声に振り向き、思わず後ずさる。 無理もない、目の前にあったのは巨大な赤い唇だったのだ。

 「ここは……乳房の上?」

 口に出してから気が付いた。 彼が寝ていたのは、パイパイパー神の乳房の上で、彼の下には一筋のくぼみが走っている。

そこが胸の谷間で、彼は押し出されたか、這い出てきたらしい。

 ”どうであった?……わが胸の愛撫は……”

 パイパイパー神の言葉にふり仰げば、吸い込まれそうな青い瞳が彼を見下ろしている。 不思議と恐れを、そして敵意を

感じない。  それどころか、敬意すら感じる。

 「あれは……あんなのは……初めて……」

 答えながら、彼は何かもやもやしたものを感じていた。 妙に心が満たされないような、何かを無くした様な不思議な感覚だ。

 「よかったけど……なにか物足りない……」

 ”ふふ……素直になったな……では満たしてやろう……”

 ぐらりと地面、いや乳房が揺れた。 パイパイパー神の胸元に、三角のくぼみができ、そこに白い液体が満ちる。

 「あれはなんです?」

 ”我が乳の泉だ。 さぁ、身を浸すがよい”

 「……」

 タ・カークはゆらりと立ち上がり、ふわふわと頼りない乳房を踏みしめて、胸元の乳の泉に歩みって手を差し入れた。 人肌に

温まった乳の温もりが伝わってくる。

 ”さぁ……お入り”

 パイパイパー神に命じられるまま、彼はそこに身を浸した。

 「あぁ……」

 じんわりと暖かいものが体を包み込み、そしてそれがじわじわと浸みてくる。

 「いい気持ちだ……あ……」

 足の間、男のシンボルが膨らみ、ヒクヒクと蠢いている。 意識することなしに手が伸び、そっと握りしめた。

 「うぁ……」

 男性自身は恐ろしくやらわらかくなっており、気が遠くなりそうな快感が背筋を走った。 タ・カークはのけ反り、乳しぶきを

あげて快感にのたうつ。

 ”ふふ……気持ちよかろう……”

 半開きの口からうめき声を漏らしつつ、タ・カークは激しく自分の体を弄る。 彼の両手は別の生き物のように体を這い回り、

感じるところを見つけては、そこを激しく揉みしだく

 「……と……蕩けそうです……」

 ”蕩けるがよい……身も心も柔らかく蕩け、感じるままに変わるが良い。 パイパイパーの名において、それを許す……”

 「は……! か……!」

 タ・カークはパイパイパー神の胸元でよがり狂う。 そして、白い乳の泉の中で見え隠れする彼の体は、その形を次第に

変えていく。

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