パイパイパー

1.巡視達の災難(5)


 少年が顔を上げる。 頭上からウースィ女のが彼を見下ろしているはずだが、あいにく豊かな乳房が庇と

なっている。

 横を見れば、投げ出された逞しい足が彼を囲む柵のようだ。

「……」

 一度瞬きして視線を落とし、ウースィ女の愛珠に口づけする。 そして手で抱えられそうな大きさのピンク色の

愛珠を、慎重な手つきで撫で、頬ずりした。 

「オ、オーン」

 吠えるような野太い喘ぎ声が響く、少年の愛撫によがるウースィ女の声が。 そのウースィ女の声が少年の

体を震わせ、心地よい痺れが少年の背筋を走る。  

 ……そうよ、そのまま……

 囁き声が少年を促した。 どうやらウースィ女とは別の誰かの声らしい。 が、少年の頭にはそんな考えは浮かば

なかった。

 「うん……」

 頷くと、熱心に愛珠を撫でまわす。 上気した頬が、彼の中の高ぶりを示していた。

 「オゥ……オオゥ」

 ウースィ女は甘く吠え腰を震わせた。 すると、愛珠の下に開いた神秘の門がヌメヌメと蠢いた。

 「あん……」

 少年の胸から下が神秘の門に密着している。 瑞々しい少年の肌を濡れた陰唇が妖しく愛撫し、彼の魂を未知の

世界に誘う。

 ……さぁ、感じるままに、欲するままに…… 

 少年は、愛珠を軽く咥え、舐め、磨くように撫でる。 ウースィ女がよがり、陰唇がお返しとばかりに少年を愛撫し、その

体をテラテラ光る愛の滴で包んでいく。

 「はぁ……はぁ……」

 甘い痺れが体を包み、頭のなかにトロトロと粘っこい快感が満ちていくのが判る。 まるで暖かい蜜に浸っているかの

ようだ。

 少年は、ウーイスィ女と奇妙な秘め事に時を忘れる。


 「オゥ……オゥゥゥゥ」

 意外に可愛い声を上げ、ウーイスィ女が達した。 弛緩していく神秘の門が少年を解放し、彼はその場に座り込んだ。

 「はぁ……はぁ……」

 気だるい感覚が全身を包み、力が入らない。 からだが熱っぽく、頭もボーっとしている。

 ……まだなのね、今度はあなたの番よ…… 

 また囁き声が聞こえた、と思ったら、頭に暖かく柔らかいモノが覆いかぶさってきた。 それは、ウーイスィ女の乳房だった。 

 「むふぅ」

 少年の頭を白く柔らかい乳房が挟み込み、咀嚼するようにムグムグと蠢く。 すると、少年の体が白い乳房の谷間に

引きずり込まれていく。

 「……ぶはぁ」

 谷間の上で頭が出た。 前にウーイスィ女の上気した顔がある。

 「オゥ……」

 大きな口から肉厚の舌が滑り出て、少年の顔を舐めまわす。

 ……さあ、気持ちよくしてあげる……

 彼を包む乳房がうねり始めた。 ウーイスィ女が両手で乳房をこね回し始めたからだが、柔らかい乳房はそれを複雑な

うねりと波に変える。

 「うぁ……」

 愛の滴で濡れた少年の体は、乳の谷間で滑りと波の愛撫にさらされた。 体を包む乳房の感覚が全てになり、他の一切が

消えていく。

 ……いい気持ちでしょう……

 「はい……」

 うっとりした表情で答える少年。 ふわふわした快感の波が途切れなく押し寄せ、彼の魂を快楽の水底に沈めて行く。

 ……私は女神……

 「女神様……あっ」

 体の芯を甘い疼きが走り抜け、女神の声が快感に変わった。

 ……貴方は私のしもべ……

 「僕は女神様のしもべ……あん……ああっ」

 快楽にふやけた魂の中に、『女神』の声が浸み込んでいく。 

 ……おいで、私の所に……

 「あ、ああっ……ああああっ……」

 女神の声が少年の中で快楽の絶頂に変わった。 人外の絶頂に少年の体が激しく震える。

 「オゥ……オオゥ……」

 再び達したウーイスィ女の喘ぎがそれに重なった。 彫像のように固まるウーイスィ女と少年。 数瞬の後、二人は地面に

横たわり、死んだように動かなくなった。

 コゥ……

 気の早い夜泣き鳥が、夜の訪れを告げた。


 青白い夜の光、ウーイスィ女の白い影が森を進む。 その肩には、樵の少年が座っていた。

 「……」

 「……」

 二人の姿は、森の奥に消えた。

【<<】【>>】


【パイパイパー:目次】

【小説の部屋:トップ】