ヌル

第五章 ドドット(9)


 「もっとぉ……」

 甘えるようにプロティーナがドドットの体に腕を回して来た。 しっとりとした柔らかい腕が肌をくすぐり、うっとりするほど心地よい。 しかし……

 ズブリ……

 その感触に気をとられて動きを止めると、たちまち彼女の体にドドットの体が沈み始めるのだから油断が出来ない。

 「なんか……軟体生物に捕まった獲物みたいな気分になって来たぞ……」

 「お兄ちゃん……もっとプロティーナの中に……」

 粘りつくような声で、プロティーナがドドットを求めてくる。 その間も、プロティーナの体はだんだん粘っこく、かつ柔らかくなってくる。

 ズブリ……ヌチャァァァァ……

 ズブリ……ネチャァァァァ……

 「おい……このままだとお前の体に……溺れそうなんだが……」

 「いやーん、お兄ちゃんのスケベぇ」

 「違ーう! 物理的にだ! わっぷ」

 乳房の谷間に顔を埋めていたドドットは、そのままプロティーナの体に呑み込まれそうになり、あわてて顔を上げた。

 「あはーん……うふーん……」

 ドドットの声が聞こえているのか、プロティーナは艶っぽい声をあげて、体をくねらせる。

 「駄目だこりゃ」

 ドドットはため息をつくと、プロティーナの体に沈まないよう、一か所を責めずに次々と場所を変えて愛撫する作戦に切り替えた。

 「まだ力が足りないのか?」

 「やぁーん……もっと体が大人にならないと……プロティーナ、力が出せないのぉぉ……」


 「そうだっけ?」 とスカーレットが尋ねる。

 「さぁ?」 ライムが肩をすくめる。


 「お前、とっくに大人になっているだろうが」

 最初は幼女体形だったプロティーナは、いまやあり得ないほどにグラマラスな体形に変貌していた。 これはこれで人外生物っぽいと言えよう。

 「扉が重いのぉぉ……もっとぉぉぉ……」

 くねくねと腰を動かすプロティーナに、ドドットはため息をついた。

 「こうなりゃ、とことんやってやる! むっ、この、このう!」

 「あ、ああん…ひあっあっあーっ!!」

 ドドットは、汗だくになりながらプロティーナと『格闘』する。 乳房を揉みしだき、唇を吸い、女性の神秘を愛撫する。 しかし、普通の女性相手であれば、

さしたる苦労もなく行える愛の儀式が、プロティーナ相手には思うように進められない。

 「や、やってる最中に育つなんて、反則だぁ!」

 プロティーナの『女』の箇所は、愛されるほど、それも部分ごとに育って大きくなる。 結果、ドドットはプロティーナの体形が崩れないよう注意を払い、彼女の

全身をまんべんなく愛す羽目になった。

 「乳房が大きすぎ、ああー足の長さがぁ」

 ひたすら感じまくるプロティーナに対し、ドドットは芸術作品に心血を注ぐ彫刻家のような苦労を強いられている。 愛撫し、揉み上げ、舐める。 そして素早く

プロティーナの体に目配りをし、足りない場所に愛撫を移す。


 「おお、急に動きが速くなってきたな」 とスカーレット。

 「うん……なんかプロティーナ、いつもより育ってない?」 とライム。


 「ああん……うっふぅん……いゃぁぁぁ……」

 「どうだ、このぉ……はぁ……お、おおぅ!?」

 突然ドドットは動きを止め、プロティーナの体を呆れたように頭の上からつま先まで見つめなおした。

 「や、やりすぎたか?」

 やりすぎたのだろう、横たわるプロティーナの体はドドットの三倍ぐらいになっている。

 「育ちすぎだぁ! だいたい、子供から大人になった後、なんで巨人になるんだぁ!?」

 喚いたドドットを、プロティーナの大きな手が?まえる。

 「お、おい?」

 「きて……」

 濡れた声で呟いたプロティーナは、ドドットを体ごと自分の秘所へと運ぶ。 洞穴の様な秘所が、ヌメヌメと蠢きながらドドットを待ち受けている。

 「ここまででかくなったら、十分じゃないのか!?」

 「力がいるの……」

 呟きながらプロティーナはドドットを秘所へと宛がった。

 「ううっ!」

 想像以上に柔らかく滑った秘所がドドット自身を……下半身ごと咥えこんだ。 ヌメヌメした感触が、予想外の優しい動きでドドットを求めてくる。

 「体にみあった……力がいるの……」

 「おいっ!?」


 「うむ、理にかなっているな」 とスカーレット。

 「……大丈夫かしら?」 とライム。


 「……」

 ドドットは、腰をプロティーナの陰唇に包まれたまま立ち尽くしていた。 この体に『力』を与える……想像しただけで気が遠くなりそうだ。 その間もプロ

ティーナの陰唇は優しくヌメヌメと動いて、ドドットを求めてくる。

 「ええい!」

 気合を入れなおすと、ドドットはプロティーナの中へ突き入れ……勢いあまって下半身ごと中に入った。

 「きゃぁ♪」

 「うおぅ」

 プロティーナの中はヌメヌメと暖かく、想像を超える心地よさだった。 一瞬のうちに理性がどこかに行き、体が勝手に動き出す。

 ズブッ、ズブッ、ズブズブズブッ!!!

 「ああっ、ああっ、あああっ!!」

 「ううっ、うううっ、ううううっ……」

 ドドットの腰から下……いや胸の辺りまでがが、プロティーの胎内へと出入りする。 ドドットの足先から太腿にかけてが、ザラリとしたプロティーナの奥底へ

と突きこまれ、その度にプロティーナが身を震わせる。

 ズブッ、ズブッ……ズチユッ……ズチュュッ……グチャァァァ……

 「くぁっ……おい……なんか粘っこく……でも……あああ……いい……」

 
 「ちょっと、ドドットさん! はやくプロテーィナをいかせないと……あなたが蕩けちゃうわよぉ!?」 ライムが慌てたように言う。


 「な……にぃ……」

 ドドットの下半身が出入りするプロティーナの中は、ドロドロに蕩けてまさに『肉の泥沼』と化し、そのなかでドドットは至上の悦楽を感じていた。 

 (蕩ける……それは……それもいいかも……)

 このままプロティーナの中に蕩けてしまう、ドドットはそれでもいいような気がしてきた。

 「いや……だめだ……プロティーナ! 受け取れぇぇぇ!」

 ドドットは、思い切り深くプロテーィナの中に突き入れた。

 「い……くぅぅぅぅぅ!」

 プロティーナが背を反らし、目を見開いて歓びの雄たけびを上げた。

 「あ……ぁぁぁぁぁぁぁ」

 続いてドドットも達する。 精を放つと言うより、体が蕩けてプロティーナに吸い込まれていく様な快感と共に、 

 「……蕩ける……」

 一言呟いきジドットは失神した。


 --現実世界−

 「う……おぉぉぉぉぉぉぉぉ!!」

 ライム・ドドットが吠えた。 鋼鉄の扉に手をかけ……凄まじい破壊音と共に、紙の様に引き裂いてしまう。 

 「……」

 「……」

 扉の向こうにいたヌル・メイド達があっけにとられた表情でこちらを見ている。 次の瞬間た。

 ”で、デター”

 ”いやー、死にたくない!!”

 悲鳴を上げながら、ペタペタペタと足音を響かせて逃げて行ってしまう。

 「何よ、人を化け物みたいに……」

 言いかけて、ライム・ドドットは自分が引き裂いた鉄の扉を呆れたように見つめる。

 「……無理もないか」


 --仮装現実−

 「……うううう」

 ドドットは、猛烈な虚脱感と共に意識を取り戻した。 体か鉛のように重い。

 「や、やったか?」

 「うん」

 予想外に幼い声が返ってきた。 そちらを見るとプロティーナが……幼女体形に戻ったプロティーナが、ちまっと座って、Vサインを出していた。

 「やったね♪ お兄ちゃん」

 「あ、ああ」

 ひどく疲れた声でドドットは返事すると、性も近も尽き果てたといった感じでその場に突っ伏した。
 
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