ヌル

第五章 ドドット(6)


 ドドットは、スカーレットの肩を掴んだまま途方に暮れている。 口では好きにしろと言うスカーレットだが、キスしようと顔を近づけると避けまくるのだ。 それ

にドドットが掴んでいる肩が細かく震えている。

 「うーん……よし」

 ドドットは何を思ったか、スカーレットの肩から手を離して背後に回り込み、後ろから肩を抱く。 驚いて振り向こうとしたスカーレットの耳元に口を寄せ、囁く。

 「いやだった、そう言え」

 「い、嫌ではないぞ!」

 「無理するな。 お前さんは誰にでも肌……だよな、これは」

 そう言って肩を掴んだ手に、少しだけ力を入れた。 赤いスカーレットの肌に、ドドットの指が少しだけ跡をつける。

 「……えーと、その肌を許すタイプじゃないだろう」

 「……」

 「前のパートナーの……ドクター・クロスだっけ? あの爺さんを認めていたからこそ、パートナーをやってたんだろう。 名を贈ったぐらいだものな」

 「だったらどうだと言うんだ」

 「お前さんは、俺の事は認めていない。 しかし今は俺の力が必要だ。 妥協せざるを得ないから、そうやって『好きにしろ、我慢してやる』って態度を取っ

てるるんだろう」

 フンとスカーレットは鼻を鳴らした。

 「そうか。 ならどうする?」

 ドドットは肩をすくめた。

 「だからと言ってやることは変わらんさ。 まぁ、クロス爺さんの代わりにはならんだろうが、努力はしてみる」

 そう言って、ドドットはスカーレットの耳をペロッと舐めた。 不意打ちにスカーレットが驚き、体をねじってドドットを平手打ちしようとした。 が、一瞬早く

ドドットがスカーレットの唇を奪う。

 「んー!」

 かっと赤みが増したスカーレットは、ドドットに膝蹴りを入れた。 が、不自然な体勢なので浅く入っただけだった。

 プハッ

 ドドットが口を離し、スカーレットがもう一度平手打ちをくれる。 ドドットの頬に乾いた音がした。

 「すまんな。 こんなのは不本意なんだろうが」

 「なにぃ!?」

 「俺は別に凄腕の戦士でも、高い志があるわけでもねぇ。 ただの雇われ護衛なんだ。 ただ、受けた仕事だけはきちんとこなしたい」

 「だからなんだ!」

 「今は、お前さんにいってもらうのが俺の仕事なんだ。 だから精一杯……俺の知ってる限りテクニックで、お前さんを愛することにするよ」

 そう言うと、ドドットはもう一度スカーレットにキスをする、そっと、ついばむように。

 スカーレットは少し後ずさったものの、観念したように目を閉じた。

 ふー

 そばで見ていたライムが、大きなため息をついた。


 ン……ン……

 ドドットは、キスする位置を唇から頤、首筋へと下げていく。 やみくもにではなく、スカーレットの反応を確かめて、感じやすい処を探りながらやっているらしい


 (んー……しかし、ライムの時もそうだったけど、いまいち人と違うんだよなぁ)

 仮装現実とは言え、自分も、そしてライム、スカーレットの体も、現実と見まごうほどにリアルだった。 だがそれゆえドドットには、スライム娘たちと人間の

女との違いを感じているのだった。

 (一応この子たちも裸のはずなんだが……)

 半透明の赤一色のスカーレットの体は水を入れた革袋の様な感触で、抱き心地はも悪くはないのだが、『女』を抱いているという気になれない。

 (ライムの時は、あの子がはやたらに積極的だったからなぁ……)

 などど考えながら、ドドットはスカーレットの胸へと愛撫を移した。

 ンンー……

 スカーレットがため息を漏らしているところを見ると、少しは感じているのだろう。 しかし乳首のないふくらみは、ドドットにしてみれば『水の入った革袋』

以外の何物でもない。 このままだと、スカーレットが感じてくる前に、ドドットのやる気が尽きてしまいそうだ。

 (うーん……お?)

 スカーレットの乳房を吸っていたドドットは、舌先に違和感を感じた。 横目で自分が咥えていない方の乳房を見ると、胸のふくらみの先端が盛り上がって

乳首の形になっている。

 「あ、すごーい。 スカーレット姉が感じてる」 とライムが感心したように言った。

 「ば、ばか……」

 「なに? どういう意味だ?」

 「他のスライム娘は知らないけど、私たちはもともと形がないでしょ。 だからものの『形』に意味を求める傾向があるの」

 「はぁ?」

 「詳しい説明は省くけど……要するに、Hな気分になればなるほど、それが形になっていくのよ。 乳首が出てきたり、胸が大きくなったり、大事なところが

……ってね」

 「あー……そうなのかい」

 気のない返事をするドトットだったが、確かにスカーレットの乳房は、次第に揉みごたえが出てきているようだし、はっきりと乳首が出来ている。

 「……まぁいいか、その気になってきたってのが判るだけでも」


 ライムの場合はドトットの精気が必要だったが、スカーレットは、いかせればいいらしい。 ドドットは、スカーレットの乳房を舐めながら、彼女の下腹に手を

伸ばす。

 ビクリ

 スカーレットが身を震わせた。 ドドットは、彼女を怖がらせないようにへその辺りへ手を宛がい、ゆっくりと手を横に滑らす様に愛撫した。 

 「……」

 スカーレットの緊張が解けるのを掌で確かめつつ、次第に秘所へと近づけていく。 その間も唇と舌を乳首這わせ、リズムをつけて吸ったり舐めたりしている。

 チュル……

 指先が、秘所の割れ目を探り当てた。 幼子の様につつましい溝を、ドドットは慎重な手つきでなぞった。 手前から奥に、また手前に、そして奥に。 何度も

、何度も、指先が往復する。

 チュル……ヌルリ……

 蕾が開く様に、スカーレットの秘所が開き、なまめかしい花弁が感じられる。 奥の泉から湧き出す愛の滴が、ドドットを誘うように指に絡みつく。

 (よーし、もう一息……っ!?)

 グチャァ……

 突然、スカーレットの秘所から大量の蜜が溢れ出しドドットの掌へと零れ落ち、開きかけていた花弁が一気にはじけ、ドドットの手を捕まえる。

 「どうし……わわっ!?」

 腰を落としていたドドットの肩をスカーレットががっしと掴んだ。 驚いて上を見ると、スカーレットが荒い息でこちらを見ている。 やばい!と思った次の瞬間

ドドットはスカーレットに押し倒されていた。

 「おい、落ち着け!」

 「はぁ……なにをいまさら!」

 さっきまでの頑な態度はどこへやら、完全に戦闘モードに入ったスカーレットが、押し倒されたドドットにむしゃぶりついてきた。

 「むぅぅぅ」

 引きはがそうにも、2割り増しほどグラマラスな体形になったスカーレットが、ドドットの体に粘りついてくる。 『水の入った革袋』だった体は、『粘液にまみれ

熱く火照った女体』に変わり、ドドットの手と言わず、足と言わずに絡みついてくる。

 「ああっ……もう……」

 ドドットを拘束したスカーレット、その腰がドドットに密着する。

 「んむぅ!」

 グチャグチャとした愛液だか、スカーレット自身だかよくわからないものが、ドドットの息子の辺りにへばり付いた。 そして、生暖かい粘液の中へとソレを

呑み込む。

 「うおっ……!」

 その瞬間ドドットがいかなかったのは、ライムに根こそぎ精気を抜かれていたせいだろう。 だがそれゆえに、スカーレットの中はライム以上の粘りを持って

ドドットを責め上げる。

 「ああっ……あああっ!!」

 「ぅぅぅ……」

 夢中になったスカーレットは、容赦なくドドットを抱きしめ、その結果、息子どころか本人がスカーレットに埋まっていく。 歓喜に震えるゼリーの愛撫に包ま

れながらドドットは思った。

 (こ、こういうのも『女に溺れる』って言うのかな?)

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