ヌル

第三章 ルウ(7)


 陶然とした表情のルウが、伯爵夫人に頷くのを見てドドットは血相を変えた。

 「ルウ!気を確かにもて!」 

 ”人のことを気にしている場合かしら……”

 ”本当に……”

 メイドたちが笑いさざめく。 なにしろドドットはメイド3人がかりで責められているのだから。

 ”ほーら……”

 滑る手がドドットの後この証を優し撫でる。 ひと撫でごとにドドット自身がビクリ、ビクリと震え、猛り狂ってくる。

 「くぬぬ……うぐぐ」

 歯を食いしばるドドット。 逃げ出そうにも体がずっしりと重く、身じろぎするのがやっとだ。

 ”もう少し固くなったら……ね?”

 「な、何が固くなったらだ……」

 その後に何が起こるか、ミイラもどきになった仲間たちを見れば明らかだ。 しかしあせる心とうらはらに、体は彼女たちの愛撫に反応していく。

 「何か綯えるようなことを考えるんだ、何か……そうだ」

 ドトットは目をつぶり、ある男の顔を心に思い浮かべる。 げじげじ眉にでっかい目、品のない声に、聞く者の神経を逆なでするような歌声。

 (ル・トール卿……うう思い出したくない……)

 プシュゥゥゥゥ

 ”あら……”

 ”どうして……”

 いぶかしむメイドたち。 ドドツト自身を撫でたり、先端をくすぐったりしてみる。

 (……)

 ビクン、プシュゥゥゥ、ビクン、ブシュ

 ドドットの情けない抵抗が続く。


 「ふにゃあ……」

 一方のルウは完全に伯爵夫人の虜になっていた。 力を抜いて夫人の胸に顔をうずめている。

 ”甘えん坊さん……ふふ……”

 伯爵夫人は右手でルウを抱え、左手をルウの尻に這わせた。 白い蛇のような腕が、背後から少年の股間へと忍び寄る。

 「ふにっ!?……」

 初めてを終えて弛緩していた少年自身に夫人の指が絡みついた。 そして、獲物を咥えこんだ蛇のように、白い指が妖しく蠢く。

 「お、奥様ぁ」

 思わず口を開いたルウの口を伯爵夫人の乳房が塞ぐ。 一拍の間をおいて、甘ったるい乳が少年の口腔を汚していく。

 コクッ

 ルウののどを伯爵夫人の乳が滑り落ちる。 柔らかな温もりがお腹の中に生まれ、そして体の中へと沁みとおって行く。 

 「あ……暖かい……はぁ……」

 ルウはうっとりとした顔で夫人の乳房に口づけし、自分から乳をねだる。 伯爵夫人は慈愛に満ちた微笑みで、ルウを抱きしめつつルウ自身を弄る。

 「あ……」

 ルウ自身に絡みつく指の感触が、ネットリとした快感に変わっていく。 ルウは軽く目を閉じて、伯爵夫人の愛撫に身を任せた。

 ”ルウ……御覧なさい……”

 伯爵夫人に促され、ルウは薄目を開けて自分自身に視線を向けた。 伯爵夫人の足元に身を寄せたセリアが、ルウ自身に舌を這わせようとしている。

 「セリアさん……あ……」

 セリアの舌が、震えるルウ自身を舐めあげた。 甘い疼きに、ソコが震える。

 「蕩けちゃいそう……」

 ”そうよ……貴方は……溶けているのよ……”

 「え?」

 ”ほら……感じるでしょう……貴方の中の男が……気持ちよく……溶けていくのが……”

 伯爵夫人の囁かれると同時に、ルウは自分自身が蕩けていくのを感じた。 トロリとした快感の中で、股間のモノの内側が溶けていく。

 「あん……」

 灼熱の快感が宝玉を溶かし、熱い情熱がシンボルからほとばしる。 しかしその情熱には色がなかった。 熱く粘ついた透明な愛液が、少年の先から迸っ

ていた。

 「ああっ……あああっ……縮んでいくぅ……」

 ルウのシンボルが縮んでいく。 愛液を迸せ、宝玉を愛液で光らせつつ、ぎゅっと縮んでいく。 シンボルに感じる快感が、一点に凝縮されルウの脳天を

直撃する。

 「きゃっ」

 可愛らしい声を上げ、ルウは絶頂に達した。 しかし、彼の足の間ではさらに変化が続いている。 シンボルに引きずられるように、ニつの宝玉がルウの

胎内へと吸い込まれていく。

 「あ……入ってくる……ああっ」

 体の中に熱いものが入って来て、奥を突き上げた。 熱い衝撃が、女の快感に変わり、ルウの背筋を駆け上がった。

 「きゃぁっ……」

 か細い声を上げてウは硬直した。 初めての『女』の快感に全身が喜びに震えている。 甘く蕩けるような快感に漂っていた『少年』の体が、『女』の快感に

支配されて塗り替えられていく。

 「あぁぁ……」

 ぐったりとしたルウ。 その体はまだ少年の形をしているが、足の間にはもう少年のシンボルはない。 そしてそこから広がるように、彼の体はじわじわと

女に変わりつつあった。

 ”ルウ……気分はどう?……”

 「奥様ぁ……体が……ふわふわして……とっても……いい……」

 うっとりと答えるルウを伯爵夫人は優しくなでた。

 ”可愛いわよ、ルウ……2日もすれば素敵な女の子になって……私たちと同じになれるわ……”

 ルウを抱きしめた伯爵夫人は、視線をドドットに向けた。


 ”おかしいわねぇ……”

 ”ひょっとして……終わっているんじゃないの?……”

 ドドットはメイド3人を相手に善戦をしていた。

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