ヌル

第ニ章 伯爵(12)


 チュウチュウチュウ……

 セリアに胸を吸われるボブは不思議な感覚に酔いしれ、軽く目を閉じてセリアにされるがままになっていた。 セリアの柔らか

い唇が、少年の胸板をゆっくりと官能の桃色に染めていく。

 「は……」

 身じろぎする少年の動きに湯気が揺らめき、二人の姿を幻のようにあいまいにする。

 「……あっ」

 セリアが乳首を強く吸い、ボブがその刺激に声を上げた。 胸が痺れ、続いて甘い疼きが体へ溢れていく。

 「あ……ああ……」

 得も言われぬ感覚にボブは体をよじり、足を動かして『湯』を波立たせる。

 トプリ……トプリ……

 粘り気のある『湯』がボブの形を波紋に写し取り、四方へと散っていく。 その様はボブの感じている悦楽が形になったかのよう

であった。


 「……はぁ」

 セリアに抱き起されたボブは、彼女の胸の中でため息をついた。

 「どう? 気持ちよかった」

 ボブはセリアの顔を見上げた。 上気したセリアの顔が彼を見ている。

 「はい……とっても」

 ボブはうっとりと答えた。 乳首を舐められ、吸われると信じられないほど気持ち良く、夢を見ているようだった。

 「素直なのは良いことよ、ボブ」

 そういってセリアは、ボブの胸を手の甲でなでる。

 「ひゃあ……?」

 小さく声を上げたボブは、胸に違和感を覚えた。 そっと目を落とし、自分の手で触ってみる。

 「う……」

 手の甲に柔らかな感触、さっきまでに比べて、明らかに胸が大きくなっている。 驚いたボブは顔を上げてセリアを見た。

 「せ、セリアさん! ボクの胸がなんか変です」

 「そう? 少しかわいくなったようだけど」

 セリアはくすくすと笑いながらボブの胸に触れた。 セリアの手がボブの胸に軽く沈み、ボブの体がピクリと震えた。

 「セ、セリアさん!……あ……駄目」

 『湯』の中をくぐったセリアの手が、ヘビのようにボブのシンボルを捉え、白く細い指が少年のシンボルに絡みつく。

 「あぁ……」

 先ほどセリアの中で放ったとき同様に、シンボルがじんわりと蕩けていくような快感に包まれる。 ボブはセリアに抗うことをやめ

彼女にされるがままになる。

 「どうしたの?ボブ……うふふ」

 含み笑いをしながら、セリアはボブを抱きしめた。 ふくよかな胸の先端がボブの乳首と密着し、柔らかな感触を伝えてくる。

 「セリアさん……柔らかい……」

 呟いたボブの唇をセリアの唇が奪った。 セリアの舌がボブの舌を絡め取り、甘い息をボブの肺腑に送り込む。

 チャ……チャ……

 ボブは薄目でセリアを見ながら、彼女の舌に弄ばれる感触を味わう。

 「くふぅ……」

 「はぅ……」

 しばし後、唇を離した二人は深い息をつく。 陶然とした表情で息を継ぐボブを、セリアは妖しい微笑を浮かべて見つめ、ゆっくり

と口を開いた。

 「ボブ……いい気持ちでしょう……」

 そう言ってセリアはボブを自分の胸に深く迎え入れる。 固くしこったボブの乳首が、セリアの胸の上にくすぐったい。

 「はい……セリアさん……乳首が……疼いて……」

 うっとりと答えるボブは、自分の胸がじわじわと甘く疼き、その都度胸が膨れていくのを感じていた。

 「胸が……おっぱいが……ああん……」

 ボブの胸をセリアが強く擦り上げると、ボブの喉から甘い声が漏れた。 もともと高い少年の声が、さらに高くなっている。

 「気持ちよくて……変になりそう……ひゃ」

 今度はセリアの指が、ボブのシンボルを握りしめた。 もやもやとした感じていた少年のシンボルが、熱い圧力に身もだえする。

 「そこ!……ああ……セリアさんボクどうなっちゃたんです?……」

 ボブの耳にセリアは唇を近づけた。

 「気持ちいいでしょうボブ……もっと気持ちよくなって……貴方は女の子になるのよ……」

 ボブが、セリアの言葉を理解するまでに、しばらく時間がかかった。

 「……女……女の子!?」

 陶然としていたボブの顔が真顔に戻った、大慌てでセリアに向き直るボブ。

 「じ、冗談ですよね?」

 「いいえ……」

 セリアは無情に言い放ち、抱擁から抜け出そうともがき出したボブの体を、しっかりと抱きしめた。 そして、固くなっているボブ

のシンボルの愛撫を再開する。

 「わ!……セリアさん……」

 「わたしのおっぱいは……ミルクはおいしかったでしょう?」

 「は、はい……それはとっても……」

 「あのミルクが体に回ると、とっても気持ちよくなって、他のことなんかどうでもよくなるの……ね?」

 セリアはボブに囁きかけながら、彼のシンボルを揉み解す。 ボブの眼がぼんやりとしてきた。

 「ほら……また良くなってきたでしょう?」

 「ええ……」

 「気持ちよくなって……体が蕩けるように……なっていくのよ……」

 セリアの言う通り、ボブは体が柔らかくなっていくような気がした。 蕩けるような快感に力が入らず、意識が朦朧としてくる。 

 「蕩けそう……気持ちいい……」

 「そうよ……ボブ……そのまま気持ちいいのに浸っていればいいの……」

 セリアはボブのシンボルを再び迎え入れた。 固くなった少年のシンボルが、柔らかいセリアに襞に包みこまれ、フニフニと

揉み解される。

 「セリア……さん……」

 「ボブ……すぐに気が変わるわ……判るでしょう……女の子の心が染み込んでくるのが……」

 「あ……」

 柔らかく蕩けたボブの心に、セリアのミルクが染み込んでくる。 甘酸っぱく心地よい波がボブの心をゆっくりと変えていく。

 「ひにゃぁ……切なくて……変……」

 「いいのよボブ……そのまま……浸っていれば」

 セリアの中で、ボブのシンボルが再び男の精を吐き出す。 そして、ボブのシンボルは中身を吐き出しているかのように、精を

放つごとに縮み始めていた。

 「ああ……僕のが熱い……熱いよ」

 「ボブ……感じる……私も」

 ボブの熱い奔流を受け止めたセリアの体が、快楽の極みで激しく痙攣した。 同時に、ボブの少年のシンボルは最後の奔流を

吐き出すと同時にギュッと縮こまり、その勢いでボブの体にめり込むように消えた。

 「きゃぁ!」

 その瞬間、ボブは脳天を突き抜けるような熱い衝撃を受けて失神した。 くたりと力を失った少年の体をセリアは優しく抱き留め

そっと『湯』に横たえる。

 「いい子ねボブ……完全に女の体に変わるまでここにいなさい……そして、貴方もヌルに……」

 セリアの呟きに重なるように、ダイルとネリスの絶頂が響き、やがて湯殿は静寂に包まれた。

【<<】【>>】


【ヌル:目次】

【小説の部屋:トップ】