ヌル

第ニ章 伯爵(10)


 ヌップ、ヌップ、ヌップ……

 湿った音を立て、ダイル自身がネリスの胎内に出入りしていた。 ダイルはうつろな目つきでネリスにしがみ付き、ただ腰を

動かし続け……そして一声呻き、蕩けた自分自身をネリスの中に放った。 ダイルの情熱を受け止めたネリスの体に、女の

歓喜が湧き上がる。

 ”あァ……ソコ……”

 ネリスは熱い吐息を漏らすとダイルの体を強く抱きしめ、ダイルの体に自分を摩りつける。

 「うぉ」

 ”アアッ……アアアッ……”

 ダイルの胸板には胸毛が密生していた。 そこに自分の乳房をすりつけたネリスは、乳首を刺激されてしまったようだ。

 ”イイ……イイーッ!”

 巨大な乳房がダイルの胸板の上をフニャフニャと形を変えながら這いまわり、見え隠れする乳首がヒクヒクと蠢いている。

 ”ア……イクーッ!”

 一拍おいて、ネリスの乳首からトロリとした透明な液体が勢いよく迸り、ダイルの顔から胸をぐっしょりと濡らした。

 「ぷわっ……おっ!?」

 ”ウ……ウゥゥゥ……”

 ネリスは全身をフルフルと震わせて、乳房を揉みしだいて悶える。 興奮したネリスの白い肌が、吹き出る汗に濡れていく……

いや、ネリスの体を濡らすそれは汗ではなかった。 『それ』は、汗の様に滴り落ちることなもなくネリスの肌にねばりつき、彼女を

覆っていく。 

 ”ハァ……”

 僅かの間にネリスの全身がヌルヌルになってしまった。 彼女の『変身』を唖然として見ていたダイルにネリスは妖しい笑みを

見せると、そのヌルヌルの体でダイルを抱きしめる。

 「うぁ……」

 ネリスの『汗』は『湯』よりも粘り気があり、彼女の体と同じ温もり、同じ匂いがした。

 (まるでこいつに……)

 ”包マレテイクミタイ……クククッ……”

 ネリスは喉の奥で笑って見せた。

 ”サァ……オイデ……ボウヤ……”

 小馬鹿にしたようなネリスの声をダイルが理解する間もなく、再びあの蕩けるような快感がが湧き上がってくる、但し今度は……

 「と……溶ける……体が……」

 ダイルの全身が男のシンボルと化し、ヌルヌルしたネリスは巨大な舌、女性の神秘だった。 体を襲う妖しい快感にダイルは

震撼し、次の瞬間屈服する。

 「た、たまらない……あは……」

 ”ウフフ……イイ気持デショウ……サァ……ジックリと味わって……そして蕩けてしまいなさい……”

 忘我の表情のダイルにネリスが抱き着き、ヌルヌルの体を擦りつける。 恐ろしくやわらかなネリスの体が、ダイルの体を半ば

までめり込ませ、グチャグチャと卑猥な音を立てて摩りあげる。


 「セリアさん……」 ぼーっとした表情でボブが口を開いた。 「ダイルさんはどうなっちゃったの?……」

 「ダイルさんはね、ネリスの魔法の虜になったのよ……貴方みたいに」

 答えたセリアの右手がボブの幼いシンボルを弄んでいた。

 「ボクみたい……うん……」

 ボブはうつろな表情で応えた。


 ダイルとネリスの交わりに、少年のボブは少なからぬショックを受け、茫然自失の状態に陥ってしまった。 背後からセリアが

彼を捕え、弄び始めても何の抵抗もできないほどに。


 グチュ、グチュ、グチュ……

 細く白い女の指にシンボルを弄ばれていたボブは、全身に気だるい様な、暖かいような奇妙な感覚を覚え始めていた。

 「セリアさん……なんか変……」

 「そぅ?」

 軽く笑ったセリアは、ボブの頤をつまんで自分の方に向かせ、彼の唇を奪った。 そして少年の口の中に自分の舌をさし入れた。

 「……」

 クチャクチャと濡れた肉が絡み合う音がし、口の中にセリアの味が広がり、甘いセリアの息が体の奥まで染みとおる。 ボブは

自分が何をされているのか理解できず、セリアにされるがままになっていた。

 「……はぁ」

 解放されたボブは、大きく息を吐いた。 体が汗ばむほどに熱くなり、胸が早鐘の様に鳴っている。

 「ボブ……ねぇ」

 セリアの甘ったるい声に顔を上げると、ボブの目の前にセリアの乳房があった。

 「舐めて……」 

 柔らかな乳房がボブの顔を包み、ふわふわした感触とセリアの匂いがボブを誘う。 ボブは、意識しないままセリアの乳首を唇で

咥え、舌先でそれを舐めていた。

 (甘い……)

 ボブがそう感じたのは一瞬だった。 すぐに彼の舌が勝手にセリアの乳首を舐め、舌先を尖らしてそれを突く。 セリアが軽く

あえぐと、トロリとした甘い迸りがボブの口腔にあふれた。

 「ふぁ……ああ……」

 セリアに弄ばれていた彼のシンボルが、突如として猛り狂う。 といってもボブ自身がその意味を知らないので、固く反り返った

自分自身に戸惑うだけであったが。

 「セ、セリアさん?」

 ボブの問いかけにセリアは不思議な笑みを返し、ボブの頭を自分の胸に抱いた。 そして、反り返ったボブのシンボルを自分の

神秘の谷間に滑らせる。 ヌルヌルした感触がボブのシンボルに纏わりつき、糸を引くように感触が消えない。

 「な、なんか変……」

 「ボブ」

 セリアはボブの名を呼び、かれの瞳をまっすぐに見た。

 「もっと変になるわよ」

 そう言うと、セリアはボブのシンボルを自分の中に迎え入れた。

 「!」

 ボブの先端が、セリアの淫肉に包まれた。 熱くヌルヌルした襞がそれに吸いつき、言葉にならない感覚を伝えてくる。

 「あぁ……あぁ……」

 言葉が途切れ、意識がシンボルへと集中する。 セリアの肉の感触に、他のすべてが奪われていくかのようだ。

 「胎内へ……おいでなさい……さぁ……」

 柔らかくヌルヌルした襞が、ボブのシンボルを優しく、そして心地よい感触で誘っていく。 ボブは、うっとりとその感触に身を

ゆだねる。

 「セリアさん……暖かくて……柔らかくて……ヌルヌル……」

 セリアは薬と笑い、忘我の表情のボブに耳打ちする。

 「……気持ちいい?」

 ボブの頭の中で、セリアの言葉が反芻された。 そして、その言葉が口を突いて出る。

 「気持ち……いい……いい……気持ち……」

 蕩けた表情のボブが、セリアにねだる。

 「もっと……気持ちいいこと……して……」

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