ヌル

第一章 伯爵夫人(7)


 「おおミリ、お願い。 そこをもっと!!」

 子爵夫人は自分の胸にミリを迎え入れる。

 「ひぃ……」

 ヌルヌルしたミリの体が、子爵夫人の胸の谷間で滑り、乳首を巻き込んだ。 乳首の色が薄桃色から紅色へと

変わり、興奮に張りつめる。

 「奥様……」

 「こちらでしょうか?」

 ミリとセリアは、子爵夫人の様子を冷静に観察しながら、ベッドの上の子爵夫人に己の体を摺り寄せ、さらなる

深みへ彼女を誘おうと努める。

 胸を……

 うなじを……

 舌を……

 濡れて光る三人の体が、静かな歓びの宴を奏でる……


 しかし、ミリとセリアの思惑通りに事は進まなくなかった。 二人は遠慮のない奉仕で子爵夫人を慰めていたが、

攻めが進むにつれ子爵夫人の興奮がむしろ下がってきた。

 「……」

 二人を見る子爵夫人の視線に理性の色が戻り、子爵夫人が動きを止めた。 が、彼女は二人を拒絶する様子は

なく、されるがままになっている。

 「奥様……」

 セリアの声に子爵夫人に対する気遣いが加わる。 半身を動かせない子爵夫人は、もはや『女の歓び』を取り

戻すことはできないのかもしれなかった。

 ゴソリ……

 子爵夫人の下腹がかすかに蠢き、子爵夫人が眉を寄せる。 彼女の下腹に潜り込んだナメクジが動いたの

だろうが、それを感じることはできないはずだ。 しかし、彼女の表情に嫌悪感が走る。

 「セリア、助けて。 何かいるの。 おねがいよ、もうやめて」

 子爵夫人の上体には感覚がある。 下半身の奥深くで蠢くナメクジの動きを上体だけで感じているらしく、それが

相当に気色が悪く、彼女を正気に戻す一因になったようだった。

 「ミリ……」

 セリアがミリを見た。 ミリは子爵夫人の背中、背筋の辺りを舐めていたが、セリアま視線を受け止めると彼女に

頷いてみせ、どういうつもりか背筋の下の方、腰の辺りを熱心に舐め始めた。

 「ミリ……そこは感じないのよ」

 ミリを責めるというより、申し訳なさそうに言う子爵夫人。 と、彼女の反応が急変する。

 「え?……えぇ!?」

 ビクリと体を震わせた子爵夫人は、驚きの声を上げた。 

 「感じる? 足が、足が戻ってきましたわ!」

 彼女の言葉通り、子爵夫人の足が動いている。 試すように子爵夫人は足を曲げたり伸ばしたりしている。

 「足が治った! ミリ!?」

 喜んだ子爵夫人は、振り返って背中を舐めているミリを見た。

 「よろしゅうございました奥様」 ミリがニコリと笑う。 「奥様の中にいる子は人の体を変える力があるのです。 

奥様の体をその子が直してくれたのですよ」

 子爵夫人は喜んでミリを抱きしめた。

 「おお、ありがとうミリ……あ……?」

 ビクリと子爵夫人が再び震え、喜び表情が凍りついた……

 「あ……こ……これはなんて……」

 「奥様……よい心地でしょう?」

 子爵夫人の顔に、一瞬恐怖が浮かぶ。 が、その下から愉悦の色浮かび上がってきた。

 「なんて……中が……あぁ……」

 喘ぎながらベッドに横たわる子爵夫人に、ミリとセリアが寄り添う。

 「奥様……」

 「では……やり直しましょう……」

 
 ミリは小指を加えて喘ぎ、全身を子爵夫人に擦り寄せるようにして少しずつ位置をずらし、彼女の体をヌルヌルに

していく。 セリアはミリのヌルヌルで濡れたところに胸や手を擦り付けて、それを広げてていく。

 「ミリ……あなたの……いい」

 セリアの目がうつろになり、熱い喘ぎを漏らしている。

 「じきにセリアさんの全身も、ミリと同じになりますよ……そうなれば……」

 呟きながらミリは、子爵夫人の秘所に顔を近づけ、舌を伸ばして花びらを舐めた。

 「ひぁぁ……ぁぁ……いい……」

 子爵夫人は激しく悶え、遠慮のない嬌声をあげる。 ひさしく絶えていた『女の歓び』を取り戻し、そこに魔性と

化したメイド達の容赦のない奉仕で責められた彼女は、もはや抗うどころか自分からその身をささげ、快楽の沼に

沈んでいく。

 ビクリ、ビクリ……

 時折、子爵夫人の下腹が震え、その都度彼女の体が反応している。

 「あ……ぁぁ」

 セリアが突然呻くと、子爵夫人の上に崩れ落ちた。 瞳がトロンと曇り、体がヒクヒクと震えている。

 「くる、あっ……ああっ……」

 セリアの腰の辺りが震えている。 肌の下に何かがいるかのようにヒクヒクと蠕動し、それが胸の方へと動いていく。

彼女はしばらく子爵夫人の上で震えていたが、ほどなく体を起こすと子爵夫人に詫びた。

 「奥様、失礼いたしました」

 「いいのよセリア……ああっ……」

 セリアの様子が変だった間も、ミリと子爵夫人の宴は続いていた。 子爵夫人は興奮に濡れた瞳でセリアへ

視線を送る。

 「セリア……どうしたの?……」

 「はい……ご覧ください……」

 セリアの体、粘液で濡れた範囲が広がっていた。 さっきまでは腰から下だったのが、今は胸の下あたりまでが

ヌルヌルになっていた。

 「こうやって少しずつ変わっていくのです、私は……そして奥様も」

 「そう……ああっ……ああっ」

 ミリに責められている子爵夫人には、もうセリアの言葉を理解する力は残っていないようだった。 それとも、もう

受け入れてしまったのかもしれなかった……

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