月光蝶

17:蝶は魂を奪う


美しく成長したルウが木の下で少女を捕らえていた、獲物にするにはやはり若すぎた。

ルウは羽の魔力で少女を捕らえる。

少女「いや…体が動かない…殺さないで…」

少女は恐怖に震えている。

「死ニタクナイ?」

「お願い…助けて…言うことを聞くから…」

「ジャ、キスシテ」

少女は、びくっとする。

”女同士で…でもキスで助けてもらえるなら…思ったほど怖くないのかも…”、

近づくルウの顔、何とかその頬にキスしようとする。

寸前で、ルウが向き直り少女の口を捕らえる。

「!」あわてて離れようとするが、舌が滑り込んできて、蜜を飲ませる。

「けほっ、けほっ」かわいい声で咳き込む少女。

少女の表情が蕩けたものになる。

ルウ「オイシイ?アタシノ蜜」

少女「はい…とても…お姉さま…」少女は夢見心地で答える。

ルウ「アナタノ成長ヲトメテアゲル、アタシノヨウニ…イッパイ勉強シテ森ニモドッテオイデ…

生キテイタラ、アナタヲ仲魔ニシテアゲル…ソレマデコノコトハ忘レルノヨ…」

少女「はぁい…必ず戻ってきます…お姉さまの所に…」


ルウも同じことされた。

女王になる前だった王女に捕らえられ、蜜を飲まされた。

そして魂を奪われた。

だから、森に、女王のもとに戻ったのだ。


月光蝶は、人を惑わし、魂を奪い、命を食らう。

森で月光蝶と出会って、帰ってこない者は命を食らわれてしまったのだ、

帰ってきた者は、魂を奪われ、その魂は蝶となって蝶の森を彷徨うという…

[月光蝶 終]

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