月光蝶

11:打ち止め〜♪


翌日、戦士蝶は相変わらずすわっている。
ルウの悲鳴(?)も聞こえてくる「くすぐったい、うひゃひゃ…」
よくみると、戦士蝶のこめかみがピクピクしてる。
ボソッとつぶやく。『えーかげんにせい…しかし、そろそろか…』

「あーーーーーーーー」
ルウの悲鳴が響く。
なんと、玉袋がぺしゃんこになっていた、中身が無い。
『出しすぎちゃったのね、打ち止めになっちゃった…』
嘘である、しかし、ルウは知らない。
「そんなー」泣き出しかねないルウ。
『情けない子ね…代わりをあげるわ…うけとって…』
ルウの干上がったペニス、その尿道に触手の一本が入っていき、精巣のあった所に達する。
空になった男の袋に、トロリとした何かが流し込まれる。
「や、いや、や、や、や、なにこれ、気色悪い…」
精巣の在るべき部分に異物を積めこまれ、ルウは身悶えする。

「何なのこれ…」
『いいものよ、うふ、ね…感じてこない…』

何が起こるのか、自分の袋に注意を集める。
袋の中に注がれた異物に動きはない。
そう思ったとき、股間からルウの体に奇妙で暖かい波が伝わってくる。
ツン、キン、ツン、キン、キン。
音にするとそんな感じだろうか、
ペニスがつっつっと立っていくような、何か出たがっているような感じだ。
「なななななななななななな」
おかしな声をあげるルウ。
妙な感覚に戸惑いを隠せない。
股間に暖かいものが溜まっていく、それがペニスを昇ってくる。
亀頭まで来ると、亀頭が痺れるような快感に変わってくる。
ツン
「は…」
キン
「やん…」
ツン
「あ…」
キン
「あは…」
先ほどまでと違う、内から突付かれていくような快感。
気が付けば男性器がだるーくなっているような感覚に囚われている。
妙な感じだが苦痛ではない、いやむしろ気持ちいい、そう…気持ちいい…ゆっくり…だんだん…良くなってくる…
ルウは快感に酔わされていく。
『…ねえ、気持ちいい?…』
「…はい…なんだか…」
『…もっと、感じていたい?…』
「…はい…ずっと…こうしていたい…」
『…委ねなさい…心を…いいわよ…とっても…いいわよ…』
「…はい…いい…もっと…あ…」
女王は甘く誘う、ルウは快感に反比例して思考力を失っていく…
亀頭のしびれは、鈴口にまで達している。
間もなく達してしまうだろう。
「ああ…いい…もう直ぐだ…あは…ふぁ…」
『…たまらないでしょう…さあ…いって…』
ルウは全身を満たす快感に身を委ねた。

トクン、トクン、トクン、トクン、トクン、トクッ。
「でない…」。
達しているのに射精していない。
いや、下腹部に暖かいものが感じられる?
「あ…外じゃない…体の中に出ちゃったんだ…変なの・?」
ぼうっとした感覚に囚われていて、頭が働かない。

余韻に浸っていると、次の波がやってきた。
股間に溜まっていた、暖かな違和感が、下腹部から体の中に広がっていく。
暖かいものが広がる、広がっていく、…止まらない、止められない…
吐き気がこみ上げて来る、いや、吐き気とは違う。
慣れない感覚なので戸惑ったが、なれてくるとむしろ心地よかった。
一度そう認識すると、違和感だったものが急速になじんでくる。
かすかに耳鳴りがする、頭の中にまで暖かいものが染み込んでくる。

『どう…悪くないでしょう…』
「はい…何か、体の中が…とろーとなっていくような…だんだん…」
ルウは物を考えることができない、ただ蕩けるような感覚がゆっくり、ゆっくり体の中を満たして行く。
『うふふ…あたり…そのまま浸っていなさい…とろとろに溶けちゃうから…心が…』
「はい…女王様…眠い…どうして…起きたばかり…」
『いいのよ…お休みなさい…ルウ…甘い夢をみなさい…』

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