月光蝶

9:拷問は楽し


ルウは幸せな顔で眠りこけていた、女王の触手の一本がルウの顔をピタピタ叩く。
「…ずっと…このままで…」
触手がさらにルウの顔を叩く。
「ふにゃ、あ、女王様…おはようございます…」
触手に挨拶するルウ。
『…あなた、自分の立場理解しているの…』
「…そのつもりですけど…」
『どう、気は変わった?』
「…お断りします」
『拷問再開!』
「いやー♪」

女王は急がない、触手でルウの体を丹念にくすぐりだす。
「こちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょ…」
「あははははははははははははははははははははははははははははははははははは…」
足の裏「あはは、やめてー」、臍「やんやん、」、耳「やはやは、」うなじ「いやーん」、背中「くすぐったい」、わきの下「だめー」
そしてペニス「あはは、いっちゃうー」
ドクッ、ドクッ、ドクッ、ドクッ、ドクッ、ドクン。
「はあっ、はあっ、はあっ、はあっ、はあっ、はあっ、はあっ、」
『ルウ、…』
「…お断りします」
『おしおき…』
「ひぇー♪」

女王の前、広場に真中に戦士蝶があぐらをかいてすわっている。
目を閉じ、触角、耳、そして羽で周囲を伺う。
ルウの悲鳴(?)が聞こえてくる「あはは、やめて、ひゃー♪」
ボソッとつぶやく。『何をやっている…』

今日は20回いかされた。
「はあっ、はあっ、はあっ、はあっ、はあっ、はあっ、はあっ、」
ルウは知らない、人間はそんなに精を出せないことに、ちっとも苦しくならない事に。
ルウは思い出せない、ガイとギーンがどんな死に方をしたかを。
何かがおかしい、でもルウは気づかない。

今日の拷問(?)が終わった。
女王が触手を差し出してくる『飲みなさい…』
ルウは素直に飲む、もう警戒していない。
「はぁ…あやや、眠くなってきた…もう…」
『おやすみなさい、ルウ…』
「おやすみなさい、女王様…」

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