VS
26.決着! 勝者…そんなのあり?
もこもこと動く巨大『スライム』女の下腹部。 鶴組長の顔がゆがんで見えるのは緑色のゼリーを通しているせいか、
はたまた想像を絶する快楽に浸っている為か。
ほぇぇ…ふゃぁぁ… 情けなく響く親父の声は間違えようのない答えを教えてくれる。
「アン…ン…」と艶っぽい声をあげてよがっていたエミ。 その瞳に意志の光が戻ってきた。
「お?『正気度』が戻ってきた。 そろそろいいかな♪」
「オイッ!」(私の目は計器じゃないわよ!)エミ心の中で文句をつけた。
ミスティは視線を巨大『スライム』女に移した。 鶴組長の動きがぎこちなくなっている。 どうやら『杉の精気』も打ち
止めが近いようだ。
「うふっ♪じゃ最後は景気よく…」ミスティは左手でエミの下腹部を撫でながら、右手でエミの陰核をなぞり出した。
「ヒッ!」 ヒッ!
エミと巨大『スライム』女が背筋を突っ張らせて硬直する。
ツッ…ッッ… ミスティは指を滑らせ、エミの真珠をむき出しにした。 軽く咥えると舌を尖らせてつつきまわし、情欲に
濡れていた真珠を信管として熱く痺れる快感を二人の体で破裂させる。
『ヒッ…イィィィィィィィ!』 二人の女が悪魔の舌業によって絶頂に押し上げられた。 人ならざる身であればこそ到達
できる『魔の絶頂』に。 そして…
ふんげぁぁぁぁ… 鶴組長の絶叫が響く。 初めての絶頂に巨大『スライム』女の子宮(?)は喜びに震え、中にいた『
妖怪親父もどき』にも、ご親切にその快楽をおすそ分けしてくれたのだ。
鶴組長は硬直し、残っていた『杉の精気』を全て『ヘチマ』…もとい『バナナ』サイズまで縮んでいたイチモツから吸い
出されてしまった。
「ひぇ…ひぇ…ひぇぇ…ぇぇぇぇ」 弱々しい声を最後に鶴組長の動きが止まる。
「ハァ…ハァ…はぁぁぁ…」エミはベランダの手摺に背中をあずけて荒い息を整える。
と、同じような姿勢で杉の木に背中を預けていた巨大『スライム』女の股間がビクリと動いた。
緑色の陰唇がヌチャリと動き、すっかりスマートになった鶴組長を『出産』した。
ぃ…ぃ… 死にそうな声を出しているが、息はあるようだ。
「あれ?まだ生きてる?」とミスティ。
「…当然よ…『人の精気』は残していたし、『あの子』は『杉の精気』に惹かれていたんだから…」と息も絶え絶えのエミ。
「ふむ」とミスティは首を傾げる「『組長グリーン』転じて『絞りかす』か」とひどいことを言う。
すると、その『絞りかす』が突然起き上がり、ミスティをビシッと指差す。
「ひえっ!?」「うそっ!?」驚く二人。
鶴組長は二人に向かって言葉を搾り出す。 「き…き…今日のところは…ひ…ひ…引き分けにしておいてやる…」
そして背後にひっくり返り、今度こそ完全に目を回してしまった。
「なんというか…」「ある意味たいした奴よね」
チーン… ミスティはどこからか仏壇用の鐘を取り出して鳴らし、二人して鶴組長を拝んだ。
「さて…」ミスティはなんとなく夜空を見上げる「ボスキャラを退治したんだし…では勝利判定を!」
彼女の求めに応じて、どこからともなくファンファーレが響く。
パンパカパーン!!
『判定:電脳小悪魔ミスティが、ついに鶴組長を退治しました!! ボーナス点として100点が与えられます』
「いぇーい!」と喜ぶミスティ。 しかし…
「…い?」 …ミュ?… 怪訝な顔のエミと巨大『スライム』女。
「ちょっと! 何よその判定は!? 実際に戦ったのは私達でしょう!」 ミュー!!
『追加判定:『操縦者』はミスティだったので点数は彼女に与えられます』
「やったー!」「ひどい!インチキ!」 ミュミュー!!
誰に文句をつけているのか、エミと巨大『スライム』女は天に向かってぶうたれるのであった。
ミュミュミュー!! ミュ… ミュミュミュー… 「あれ?」
巨大『スライム』女の様子が変わってきた。 なにか訴えるように鳴いている。
「ねぇ、どーしたの?」とエミに向かって聞く。
「…精気が足りなかったみたい…」
「ありゃ…あの体だもんねぇ」腕を組んで頷くミスティ「しょーがないなぁ。まぁまわりに幾らでも杉の木はあるし…」
「まだ早春よ。杉花粉の季節まで一ヶ月はあるわ」にべも無く言い放つエミ。
二人は顔を見合わせた。
ミュミュミュ ミュミュミュー… 指を咥えて何かをねだる仕草をする巨大『スライム』女。
「えーと…えーと…」「このままだとどうなるの」困り果てるミスティにエミが尋ねた。
「多分…見境無く『杉花粉』を求めてうろつき回ると思う」残り少ない『知力』を振り絞るミスティ。「でも『杉花粉』は見つ
からないから…無理やり『精気』を吸おうとして…杉を枯らしていくかも…」
「それで満足するの?」とエミ。
「無理」即答するミスティ「『この子』はもう『杉花粉』じゃないと満足できないはず」
「うーん」頭を抱えるエミ。
「ね…」「うん?」「ほっといて逃げるのは駄目?」
無責任なミスティのセリフだが、エミもそれは考えていた。 しかし…
「このままじゃ騒ぎが大きくなってしまう。緑の化け物が山を荒らしていますなんて事になったら、警察どころか自衛隊が
出て来てくるわよ」
「でもぉ…あたし達はそこにはいない訳だし…」
「そして徹底的な調査がされるわ。忘れたの?英一郎が逃げたのよ。あいつが捕まればあたし達の事を話すわよ」
「…」
「『この子』が見つからなければ、英一郎やここの連中が何を言っても誰も信じない…」
ふぅ… ミスティはため息をついた。 「じゃあ…『この子』を?…」その後の言葉を飲み込む。
エミはチラリと巨大『スライム』女を見る。 まだリンクが繋がっているので迂闊な事は考えられない。 もっとも…
「…それが出来る相手じゃないから苦労しているんでしょう…」そう言ってエミもため息をついた。「ミスティ。 貴方
いろいろ持っていたけど、何か他に役に立ちそうなものは無いの?」
ミスティは両手を広げた「ぜーんぶ使っちゃったよぉ」
「そう…最初の『媚薬一号』でもあればこの辺りの杉の木から『杉花粉』が取れる…!」エミが顔を上げた。「あの空き地!
あそこには山ほど『杉花粉』が!」
「あー!そうか!」ミスティが手を叩く。「あれだけあればきっと十分だよ!」
「よし!」エミは大きく頷き、巨大『スライム』女に向かって念を凝らす。
(おいで…いい子だから一緒においで…『ごはん』があるから…)
…ミュ…ミュ?… 巨大『スライム』女が反応した。 赤い目でエミを見る…期待を込めた目で。 そして手を突いて立ち
上がろうとして…ベチャリ…形を崩す。
「あれ」「えぃ!もぅ。形なんかどうでもいいからついてきなさい!」いらだつエミ。
ズルズル…ズチャズチャ… 巨大『スライム』女はアメーバのようにあっちこっち動こうとするが、どうもうまく動けない
ようだ。
ミュー…ミュー… 情けない声を上げる。
「え?このサイズでは人型を先に覚えたんから?スライム型の動き方がよくわからない?」困惑するエミとミスティ。
「どーする?」半ば非難するような目つきでエミを見るミスティ。
エミは辺りをキョロキョロと見回し、庭の隅に積んである杉の丸太に目をつけた。
「あれだ!…いい!あれを取り込むのよ!あれを骨組みにして体をささえるの!」
巨大『スライム』はエミの指示通り、杉丸太を包み込み、それを骨格代わりにして再び女型を取る。
そして、近くの杉の木にすがって何とか立ち上がった。
「そう!関節の所で力をこめて!」緑の巨人女に指示をとばすエミ。 どうもふらふらして、今ひとつ不安定だ。
「え?力が入らない?…手足が細いのかしら…もうちょっと足を太く…うーん腕も太くしないとバランスが…」
エミの指示に従っているうちに、8頭身の『スライム』女は段々等身が縮み、最後には4等身の巨大『スライム』幼女に
なってしまった。
しかし、どうやら安定して立っている。 エミは庭を横切るように彼女を誘導する。
ズン…グラリ… ミャー!
一歩踏み出したところで、巨大『スライム』幼女はそっくり返りそうになった。
「なに!?」慌ててエミが後ろに回る。
「貴方、髪が重いのよ!」
彼女の体形は幼女だが、髪の毛は腰まである。 彼女の場合そこも『身』なので、かなりの重量物を背負っている事に
なりバランスが悪いようだ。
「髪を短く整形なさい…え?」ブンブンと首を横に振る巨大『スライム』幼女。
「…それはいやだ?うーん…」額を押さえるエミ。
「仕方ない…前にカウンターウェイトを…そうそう」
ムックムック… 巨大『スライム』幼女の胸が膨らんでいく… そしてDカップまでいってやっとバランスが取れた。
「はぁ… 巨大『スライム』で幼女体形のうえに巨乳…」エミは何度目かのため息をつき、再び彼女を誘導し始めた。
その背後でミスティが思いっきりむくれていた。
「お母さんは…お母さんは…そんな子に育てた覚えはありません!!」
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