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27.番外戦 巨大『スライム』幼女 VS ああこんな奴もいたっけ


ズムッ!…ズムッ!…

地響きを立てて巨大『スライム』幼女が林道を進む。

道幅は狭いのだが、柔らかい彼女の体は杉の枝をすり抜けてしまい、まったく苦にならないようだ。

エミは後ろ向きで、バスでも誘導するように巨大『スライム』幼女を手招きする。

ミスティはエミの脇をブラブラ歩いている。

「ねぇー」

「なに?」

「さっきに比べて『操縦』に手間がかかってない?」

エミはちらりとミスティを見た。

「そうね…リンクが少し弱まっているみたい?どうしてかしら?」

ミスティは背後の巨大『スライム』幼女を一瞬見て、視線を前に戻した。

なんでもない風を装って歩を進めながら、記憶の底から『ある魔女』との会話を探し出す。

(確かミレーヌちゃんは…精気と一緒にいろいろコピーするって…『知識』や『職能』だけコピーするようにしようとしたら

『性格』やら『心』やら余計なものもコピーしてるようだって言ってたよねぇ…)

腕組みをしてうんうんと頷く。

(…きっとコーモリ女ちゃんの精気を吸ったせいでリンクしてのたが、『組長グリーン』から吸い取った『杉の精気』の方が

濃くなってきたんでリンクが弱く…あれ?…じゃあ『杉の性格』になって『杉の心』が生まれる?…)

妙な考えに残り少ない『知力』を使ってしまうミスティだった。

「ミスティ!」

「なーに?」

「ヘッドライト!」

木々の間を貫く一陣の光にはっとするミスティ。

「しまった…忘れてた」臍を噛むエミ。


ガロガロガロ… 砂利を踏みしめながら、一台のパトカーが林道を登ってくる。

「やれやれ。夜も遅いのにこんな山奥で指名手配犯の捜索とは…因果な商売だ」

「全くだ…本庁だってこっちに逃げてきたとは思ってないだろうさ。 もし確実なら人手をだして山狩りをするか、その

ログハウスを包囲してるだろうさ」

中に乗っている警官がぶつぶつと文句を言う。

「しかし…さっきの人影は何だったんだ?」

「人とは限らんさ。猿か熊だったんじゃないか…と…この空き地を過ぎれば…あれ?」

ハンドルを握っていた警官が妙な声を出した。

「どした?」

「いや道幅が狭く…なんだあの柱は」

ヘッドライトが照らし出す林道は、ライトに照らされた2本の緑の柱が道幅を狭めている。

助手席の警官はハンドライトを点灯し、窓から身を乗り出して柱の上のほうを照らす。

「…」「…」

柱はYの字を逆さにしたような形で、上の方に何か丸っこい張り出しがにひさしのように出ている。

助手席の警官は、首をひねりつつドアを開けようとした。

ミュー!!! 突如、頭の上から声が降ってきた。

「でっ!?」「な…!!」

警官たちは驚き、反射的にパトカーをバックさせた。

ガッコン!! 大きく揺れたパトカーのヘッドライトが、緑の柱を上から下までなめ、その正体が明らかになった。

「…だ…」「…でぇだらぼっちだ!!…」

ガッ…ガガガガガ!! すさまじい勢いでパトカーは走り去っていった…後ろ向きに…


パトカーが去ると、巨大『スライム』幼女の足元にエミとミスティが姿を現した。 どうやら近くの杉の木の陰に隠れてい

たらしい。


「…見つかっちゃった…」

「そうね」エミは意外に落ち着いている。

「いいの?逃がしちゃって?」不思議そうにミスティが聞く?

「あの調子なら大丈夫よ…少なくとも朝まではね。 あの二人が見たままを報告しても誰も信じないわ。 黙っていれば

誰も来ない。 何れは誰かが確認には来るでしょうけど…明るくなってからだわ」

「そっか♪」ミスティは頷いた。


エミは二人の先頭に立って空き地に出た。 数時間前にミスティが花粉まみれにしたままだ。

ミュ?…ミュー! 巨大『スライム』幼女が嬉しそうな声を上げた。 ご馳走に気がついたようだ。

「よし…さぁ召し上がれ!」エミが言うまでもなかった。 巨大『スライム』幼女は小山のように盛り上がった『杉花粉』に

両手を突っ込み…そのままじっとしている。

「あれ?」「ほら…先に『手』の方が食べているのよ」

エミの言うとおり、水が砂地に吸い込まれるように『杉花粉』の小山が一つ巨大『スライム』幼女の手に吸い込まれて

しまった。

ウンメー!

一声満足気に叫び、巨大『スライム』幼女は隣の『杉花粉』の小山をすくい取り今度は口に持っていく。

緑の口から真っ赤な舌が伸び、両手にすくった『杉花粉』をベロリとすくいあげた。

うひゃひゃ!!

「おー…今度は男の声みたい♪」「…いえ…今のはあの子じゃない?…見て!」

エミが、巨大『スライム』幼女の口元を指差す。

赤いゼリーのような下に巻きつかれ、ばたばた暴れる一人の男。どうやら杉花粉の小山の中にいたらしい。


「あれは!」「あいつよ!」エミとミスティは声を合わせ…そして…

『誰だっけ?』


英だ!英一郎だー!!…ひゃぁぁぁ!!

英は赤い舌に足をとられ、巨大『スライム』幼女の口に引きずり込まれた。

ひゃひゃひゃ!!…ひゃめれ…くすぐっ…ひぇぇぇ…たふけてぇ…


「…どうなったの?」

「『杉花粉』は細かいわ」

「それで?」

「多分…全身…毛穴の一つ一つまで入り込んだ杉花粉を舐め取っているんじゃ…」


エミの予想通りだった。

外から見れば口だが、中身は精気を求めるスライム娘の群体… それが『杉花粉』を求めて、毛のような触手を突っ

込んで、英一郎の穴と言う穴を嘗め回していた。

ひぐっひぐっひぐっ… 英が奇妙な声を上げる。

スライム娘達はもともと人間の精気を吸い取る為に、人間の性欲を刺激する動きをするようになっている。 それが

遠慮会釈なく全身一度に襲い掛かかっている。 

(ぶばらてばさきすなずりり…) まともな思考が出来ない。

股間のものは張り詰めているらしいのだが、全身を嘗め回すヌラヌラとした襞の感触で、どこが本来の性器か自分で

もわからない。 このままいってしまったら、『逝ってしまう』ような気がする。

ギュギュギュ… ガチガチになった男根んがいっそう固くなった。 続いてナメクジが亀頭をもて遊ぶような感触…

びきゅええええ! どうやら、尿道に侵入されたらしい… 直接奥の奥を撫でられ目から火花が飛んだ…

ぎぎぎぎぎぎ…ぎぇ!

ヒクヒクヒクヒクヒクヒク… 今の刺激で男根が勝手に反応した。 止め処もなく噴出す『精気』… しかしこれは巨大

『スライム』幼女のもとめる物ではなかった。


くちゅくちゅ…ぺっ… 巨大『スライム』幼女の口から英一郎の服が吐き出された。

彼女は口に指を突っ込むと裸の英一郎を引っ張り出し、手のひらに載せてじっと眺める…

彼は、フニャフニャした緑のマットの上でヒクヒクと幾何学的に震え、プルプルと緑色のさざなみを起していた。


ミュミュミュ…ミュー!

巨大『スライム』幼女は意味不明の雄たけびを上げると、英をつまみ上げ花粉の山に突っ込んだ。 花粉まみれとなる英。

そして、彼を再び口元へ…


「何をしているのかな?」

「あの動きが気にいったんじゃないの?」


英はこれ以上しゃぶられてはたまらないと、足を振って暴れた。

足が巨大『スライム』幼女の乳首(?)にめり込む…と…

ズニュ… ひっ…

『乳首』が花粉まみれの足首を咥えた。 一瞬の間の後。

モニモニモニ… ひぃぇぇぇぇぇ!!

今度は『乳首』が英を咀嚼しながら呑み込んでいく。


「…自分から喰われてる」

「いいおもちゃだわ」

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