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21.Round 4−決着:ミスティ&エミ VS 鶴透&英一郎


やっとの事で立ち上がった鶴組長にエミは正対する。

チ… (これは?…)角がかすかに疼いた。

エミは不審げに眉を潜めたが、それ以上何も起こらない。

(気のせいね…おっと)

ドテッ、ドテッ、 今にも倒れそうな足取りで鶴組長はエミに近寄って来た。

エミは肩をすくめると、組長の両肩に手をかけた。

「ていっ!」「おうっ!」ドテン!!

鶴組長は床の上に仰向けに倒され、裏返しにされた亀の様に無様に手足をバタバタさせる。

「はーい。今よくしてあげるから…慌てないで、ぼ・う・や・♪」

舐めきった態度のエミは、女性上位の69の体勢に入った。


「くそっ!くそっ!」鶴組長の口は元気を取り戻したようだが、肝心のモノはすっかりやる気を失ってダラリとしている。

「手数のかかる事」エミは鶴組長の股間を撫でてみたが、やはり反応が鈍い。

「ちょうどいいか…新開発の秘儀『フェイス・ハガー』 ご堪能あそばせ…」口元に淫靡な笑み湛えつつエミが呟く。

「ふぇーすはが?」と鶴組長「なんじゃい、そりは」

「フェ…『フェース・ハガー』? エイリアン?」と部屋の隅で英一郎。


ずっ…ずずっ… エミは腰を左右に振りながら、じわじわと尻を鶴組長の顔にかぶせていく。

鶴組長からは、白いふくよかな太ももが、そして微かに香るエミの『女』胸板を這いずって迫ってくるように見え、視線

はついつい深いスリットの奥の方に…

(むっ…むむっ?)       エミの秘所の形が前に見たときと少し違う。

(はて?まるで小娘のようだ…) 鶴組長が思ったとおり、エミ『女』は少女に戻ったようにスリットがあるだけ…熟れた

女の『花びら』も濃厚な香りもない。

それが若い女の控えめな香りを漂わせながら、するっするっと顔に近づいて来た。

目の前が軽く左右に揺れるスリットが、『娘』の香りをふわりと鶴組長の顔に吹き付けた。 それに吸い寄せられるよう

に顔を上げ、スリットを覗き込む鶴組長。 


バクン! 「!」 細いスリットが突然開き、ヌラヌラと濡れる肉襞を広げる妖花となった。 

「ひっ…」息を呑み硬直する組長。 エミの秘所から逃れようとするかの様に首を動かす。 しかし、エミの太もも両足が

組長の頭を挟み込みじわじわと秘所に近づけていく。

ピチャ…ビチャ… エミの秘所は、獲物をねらう獣の顎のようにタラタラと粘る液体を組長の顔に滴らせる。

ズチャ… 「むぐぅ…」 鶴組長の頭がエミの女陰に押し付けられた。 次の瞬間、大きく広がった陰唇が組長の顔を覆

う。

ズッチュ…ズッチュ… そのまま、鶴組長を呑み込もうかというように激しく吸う。

鶴組長は抵抗するが、一息ごとに濃密なサキュバスの淫蜜が肺の奥の奥まで行き渡り、甘い悪夢を約束する。

ビクッ…ビククッ…鶴組長の両手が空を掴み、無意味にわななく。 

「うふっ…」ペロリと舌を出して笑うエミ。 腰をゆっくり振る、何かをせがむように。 鶴組長としても、エミを堕とすつもり

だったからやることは大して変わらないはずだが…

(くっ…や…やられっ放しじゃ…うう…) 

頭がくらくらする、強烈に。 意識が闇に…赤い闇に呑み込まれ…

ベロリ…鶴組長の舌がエミの中を舐めた。 二人の体が激しく震えた。

エミの下で鶴組長の胸が、そして腹が…その下で蛇でも飼っているかのように激しく脈打つ。

ビクビクビク…震えは組長の下腹へ…そして

ビン…組長のモノが飛び出さんばかりの勢いでそそり立った。

ピクリッ…ピクッ… 震えながら鎌首をもたげるそれは、生まれたばかりの生き物が辺りを伺っているようにも見える。


フッ… エミは口元だけで微かに笑い、それを白く細い指で絡め取った。

「ほら…『チェスト・バスター』が飛び出してきた」 そして指で男根をあやし始めた。

「くくっ…いかが?この技は?」 とエミに懐いてしまった亀の頭に話しかける。

もごもご… 返事はエミの尻の下から返ってくる。 そちらも不満を訴えているようではないが。

「お気に召していただけてうれしいわぁ♪ では、いただきまーす」

鈴口を人差し指で擦りながら、親指でカリをなぞる。 組長の陰嚢を左手に収め、てのひらですりつぶすような動きを

しながら、禁断の門まで躊躇う事無く弄り回す。

「ぶぶっ!ぶぶぶっ!」エミのお尻に顔を突っ込んだまま、鶴組長が下品な音を立てる。

太い腕はエミの腰をがっしりと抱え込み、求められるままにエミに奉仕していることは間違いない。

「あん…もっと…ほら…もっとして…」呟きながら組長の陰茎を咥える。 OKというかのようにピクンと動く組長の『チェ

スト・バスター』。

「今度こそ…天国の門の間近まで行かせてあげる…」

白い魔性の女体は、けなげな親父の体と魂を思うがままになぶり続ける。


「うわー…」顎を落としたまま鶴組長とエミの痴態に釘付けになっている英一郎。

ヒクヒク震えながら互いの性器を貪り続ける二人の姿は性の獣… 英一郎の男根はガチガチに固まってズボンから

飛び出していた。

「お…親分を助け…い、いやここは涙を呑んで逃げ出して助けを…いや俺も参加して…」

逃げ出したいやら、参加したいやらで混乱している英一郎だった。


「すごっ…」ミスティもエミ達の迫力に圧倒されていたが、さすがに自分を見失ったりはしない。

英の呟きが耳に入り、彼がうろたえているのに気がついた。

(うーん、コーモリ女ちゃんに任せっぱなしじゃミスティちゃんの沽券に関わる!)

ミスティはソファの陰に隠れ、そのままキッチンを経由してベランダに出た。 ベランダ伝いにリビングの反対側、英一

郎の背後に回る。

そして、目の前の光景に気を取られている英一郎の肩をポンと叩いた。

振り向いた英一郎の眼前に、目を光らせたミスティがいた。

「あっそ〜れ、目玉がぐ〜る、ぐ〜る…脳みそく〜る、くる…」

「おっ…おおおっ」あっさり倒れる英。「うっ…か、体が動かねぇ」

まぐろ状態になった英をミスティが覗き込む。

「ぬっふっふっ。さてどう料理しようか♪」楽しげに言いながらセータを脱ぐ。

鮮やかなピンク色の胸…そのささやかな膨らみが英の目に入った。 英の視線が横を向く。

ぬふっ、ぬふっ、 鶴組長とエミの間柔らかな音を立てる乳房に目がいく。 じーっと眺める英。

「むっ」ミスティが英の視線に気がついた。 顔を手で挟んで、ぐぎっと音がするほどの力でこちらを向かせた。

英はミスティの胸をもう一度眺め…はーっ…ため息をつく。

Gパンを脱いでいたミスティのこめかみに赤紫色の筋が浮かび上がり、ピクピクと痙攣する。

が、なぜか表情だけは笑顔を取り繕うって、床に横たわる英の脇に、ピンク色の裸身を晒して立ちあがった


英のイチモツを凝視しながらミスティが呟く

「顔はこっちでアソコで顔を攻める…よし!新開発の秘儀!」

「どうせやられるならエミ姐さんの方が良かったよなぁ…」

「『チェスト・バスター』!!」


ミスティは、ピョンと飛び上がり、ボディプレスのような感じで英の体に飛び乗る。

ドグッ! 「ぐええっ!!」 鈍い音がして、英が悲鳴を上げた。

彼女が英の体に『着地』したとき、体は水平に伸びていたが足が曲がっていたのだ。 理想的な形に曲げられた膝は

ダブル・ニー・ドロップとなって英の胸に食い込んでいた…

「ぐぅぅ…げっ…」一声呻いて気を失う英。 ギンギンに立っていた彼のイチモツもガクリと頭を垂れた。

「あれ〜?」英一郎を振り返ってニタリと笑うミスティ。

「初めてだから失敗したかな〜♪ドンマイドンマイ♪」


判定:…ミスティは反則…いや、英一郎は不慮の事故で昏倒しミスティの不戦勝…


教訓:…彼女とベッドインする時、他の女性と比較するのはやめましょう…不慮の事故で万一の事態が発生しても

     責任はもてません


ふぐぅ…ううう… エミは、ミスティ達に構う事無く鶴組長を貪り続け、いまは正常位でその体を抱き締めていた。

鶴組長は至福の表情を浮かべ、涎を垂らしながらエミの胸に顔を埋めている。

エミは気にした様子もなく、ふっくらした腰を動かして体の中深くに鶴組長を迎え、虜にしていた。

「ええ…ええ…」うわ言のように言う組長。 

男根は根元まで…それどころか陰嚢までもがエミの中に呑み込まれ、極上の温もりと滑りに包まれてヒクヒクと脈打ち

精を放ちたがっている。

「もう少し…もう少し…最後の一匹ぐらいは残す程度に吸い尽くす…加減が難しいわね…」

エミの中に呑み込まれた部分は、彼女の思うがままに出来る。 男性器を丸ごと呑み込まれた鶴組長に抗う術はない

…抗う気もなかったが。


エミの目が光った。

「うっ!」組長が一声吼えた。 体を貫く熱い衝撃。 そして熱く猛る衝動。

うぉぉぉぉ!… ドクドクドクドク…ピタリ… 鶴組長の股間のモノは熱い迸りをエミの中に注ぎ…体がじわじわと

痩せていく。

鶴組長の目が白目になり、ガクリと頭が後ろに倒れた。

同時にエミの目から金色の光が消える。

エミは組長の体を離すとそっと床に横たえ、心臓が鼓動しているのを確かめる。

チチ… (また?…)角がかすかに疼き…すぐ消えた。


「へー。いちいち生死を確かめるんだ」背後からの声にエミは振り返った。 ミスティが肩ごしに覗き込んでいる。「コー

モリ女ちゃん、妙なところでやさしーの♪」

エミは立ち上がりながら応える。

「違うわよ。 変死体は解剖されて警察の記録に残るわ」そう言ってさっと髪を払う仕草をする。「多分、原因不明の衰

弱死と鑑定されでしょうけどね」

「じゃあ構わないんじゃないの?」あっけらかんとして言うミスティの言葉を、エミは首を横に振って否定する。

「数が増えれば疑念を招く危険が大きくなるわ。 それに『死体』っていうは物理的な『痕跡』を残すことになる。でも…」

そう言ってちらりと干物もどきと化した美囲(部屋の隅に放り出されていた)に目をやった。

「生きていれば解剖はしないし、いずれ回復するから『痕跡』も残らないわ」そう言って軽く笑う。

「ふーん」納得していない様子のミスティ。「姿を見られているのに?」

「人によるけどね。背中にコウモリの羽のある女に襲われたなんて話、相手にしてもらえないわよ。 それくらいなら幽

霊や宇宙人の方がましね」

ミスティは、どうでもいいやという態度だった。


「さて…何してるの。 とっとと自分の携帯を取り返しなさい」とエミは、辺りをキョロキョロ見回しているミスティに言った

「いや…ボスキャラを倒したんだし…ファンファーレが鳴るとか、伝説のアイテムが湧いて出るとか…」

「貴方ねぇ」腰に手をあてて睨みつけるエミに構わず、ミスティはTVをつけた。「これかな?」

デロデロデロデロ〜 不気味な音楽が流れ、ホラー映画の1シーンが映った。丁度棺おけからゾンビが出てくるところ

だ。

二人は顔を見合わせた。 なんとなく不吉な予感がする。


チ…チチチチチチ…

「!?」 二人の角に異様な疼きが走った。 振り返る二人。

ふごー…ふごー… 荒い息を吐きながら少しやつれた組長が起き上がって来る。 しかし…

「緑色?」エミが呟く。 彼女の言うとおり、組長の全身が濃緑色に変わり、目は上と下を互い違いに見ていて正気な

ようには見えない。

ミスティは目を見開いて組長を見つめ、次に額に手を当てて考え込む。 そしてポンッと手を叩いた。

「命名!『組長グリーン』!…あれ?」ミスティは勢い込んで言ったが、隣のエミが無反応だったので肩透かしをくらっ

た。 

エミの方を見ると何やらブツブツ言っている。

「色は…植物みたいにも見える…精気はほぼ吸い尽くしたから意識が戻るのはもっと後…原因は今までの事象の中

にあるはず…」

エミはミスティのことなど目に入らない様子で、興味津々で怪人『組長グリーン』を観察している。


ぐふっ…ぐふっ… 怪人は笑っているような声を上げていたが、突然両手を振り上げ叫んだ。

グミヂョー!! グリーン!!

ミスティの命名が気に入ったようである。

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