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20.Round 4−3:ミスティ&エミ VS 鶴透&英一郎


エミに押された勢いで、てってってっと前に出るミスティ。

たたらを踏んで立ち止まり、顔を上げると…油でてかる親父の顔…

「ひぇ〜!」小さく叫ぶと、顔を背けつつ両手を突き出してあっちへ押しやる。

ピチャ… 両手にでこぼこした滑る肌の感触…ミスティの手の甲にぽつぽつとジンマシン、そのままざざーっと手首

から二の腕に水玉模様を作り出す。

「いっ…」ミスティは手を引っ込め、手のひらを目の前にかざした。

物凄く嫌そうな顔になり、応接テーブルの上にあったティッシュを10枚ほど一気に引き抜くと、両手をごしごしと擦った

そして鶴組長に背を向け、いつの間にかソファの後ろに退避したエミにつかつかと歩み寄る。

「コーモリ女ちゃん!」怒った口調で言い、次に泣き声で「あれ触れないよぉ…」

エミは笑いかけ(ミスティに睨まれ)あわてて顔を引き締める。

「あなた悪魔でしょう?電撃を飛ばすとか直接触らないでなんとかできないの?」

と自分が鶴組長ら触りたくないものだからミスティをたきつける。

「うーん」唸りながら振り返って、鶴組長に歩み寄るミスティ。

この間、鶴組長は余裕の表情を浮かべ、部屋の真ん中で腕組みをして一歩も動いていない。


ミスティは鶴組長と一歩の距離で対峙した。

「…やいハゲ〜!」

「なんじゃい」

「これから電脳悪魔のミスティちゃんがお前を退治してくれるぞ!」

「それは頼もしい。がっはっはっ」

そう言うと、組長は両腕で胸を叩き、油でにちやにちゃする手を握ったり開いたりする。 それを見て及び腰になる

ミスティ。

「ファイト!ミスティ!」「組長やっちまてくだせぇ!」二人の背後から、エミと英が声援を飛ばす。

ミスティは意を決し、ぐっと胸をそらすと両手で顔を覆った。

「?また泣くのか、おじょうちゃん」からかうように言って、ミスティに顔を近づける鶴組長。

と、急にミスティが顔を覆った手を開き、くわっと両目を開く。 つられてミスティの瞳を覗き込む鶴組長。 ミスティの

瞳が輝く!


「ぬおっ!?」「あっそ〜れ、目玉がぐ〜る、ぐ〜る…脳みそく〜る、くる…」

鶴組長は強烈なめまいに襲われた。 足がふらつき立っていられない。 がくりとミスティの前に膝をつき頭を垂れた。

ミスティは容赦なく床に屈み込んだ組長に向けて『ぐ〜るぐる』視線を注ぎ…急によろけると、ペタンと尻餅をついた。

「ミスティ!?」「親分!」

ミスティはエミの、鶴組長は英の方に這いずって逃れる。

「どうしたの?何かされたの?」エミが尋ねた。

「ハ…ハゲ頭で反射したぁ」

「阿呆!」エミはミスティの頭をはたく。


「親分、大丈夫ですか!」英がミネラルウォーターとタオルを差し出す。

「お、おう。 小娘め、意外にやりおるわい」そう言ってボトルを一気に飲み干す。「今度はお前が行け」

「い、いえ俺では役不足で…」英はうろたえ、そしてはっと顔を上げた「お、親分!」

鶴組長が振り返ると、エミがソファを乗り越えてこちらに出てくるところだった。

「ふむ、選手交代か」にたりといやらしく笑い、鶴組長は立ち上がる。


エミは部屋の中央で立ち止まり、つま先で足元に転がっていたベビーオイルのビンを引っ掛けた。 そのまま足を

軽く振ってビンを投げ上げ右手で受け止める。

「結局私が相手することになるのね…」ぼそりと呟く。

「む?」エミの呟きを耳にし、鶴組長が身構えた。 一瞬の静寂がリビングに流れる。


エミは自分の胸を抱くようにし、胸の谷間にオイルを貯めた。 そして…

ブオッ… 「うおっ?」 エミの背中から二枚の翼が広がり、彼女自身を抱き締めるように巻きつく。 まるで黒いシーツ

を体に巻いたような姿になるエミ。

そして、鶴組長に熱っぽい視線を送ってからゆっくりと翼を開く。

「おぅ…」「うへぇ。」「ありゃ」三人が感嘆の声を漏らす。

濡れて光る裸身を晒すエミは美しく、かつ色っぽかった。

「うむ!」やる気充分で一歩前に出る鶴組長。

脂ぎった親父の肉体は見苦しく、かつ暑苦しかった…


バフッ… エミは翼を軽く振った。

(上から来るか?)鶴組長は足を開き、腰を落として身構える。 

が、それはフェイントだった。 エミは翼をしまいながら、鶴組長の足の間に足から滑り込み、軽く彼の足を払った。

すとんとエミの鳩尾に鶴組長が座り込む。 

エミはすかさず胸の谷間に鶴組長のイチモツを迎え入れた。

「うおっ!?」

油で濡れた皮膚は敏感になり、しっとりと柔らかいエミの…サキュバスの乳房の感触をあます事無く伝えてくる。 

「くそっ…負ける…ううっ?」

エミの胸を掴もうとした鶴組長の手が止まる。

男根に柔らかく纏いつき、ほんのりと暖かいエミの乳…トクトクと脈打つリズムで彼自身を包み込み、じわじわと支配

していくようだ。

「くっ…くっ…」呻きながらエミの乳の頂に毛虫のような指を伸ばしていく鶴組長。 そして、ごつい手が白い丘に着地

した。

「あ…おおおっ」再び呻く組長。 

油で滑りやすくなっているはずの互いの肌は、触れた途端に吸い付いて離れない。 手のひらを胸の頂がチュウチュ

ウ吸っているようだ。

「て、エミ…この間は…このサービスはなかったぞ!」

「あら、ごめんあそばせ…じゃあ今日はたっぷりとサービスいたしますわよ」

そう言って胸を押さえていた手をゆっくりこね出した。

ぎっ… 一声鳴いて硬直する組長。 股間から伝わって来る感触に五感の全てが支配されている。

ずるんと、鶴組長の亀頭が白い谷間から飛び出す。

すかさず赤い蛇のようなエミの舌が亀頭に巻きつき、エミの口へと誘う。

のっ…はっ… 奇声を漏らし百面相をしている当人の顔とは対照的に、はちきれそうな亀の頭は素直に、自分を貪ろ

うとしている紅色の地獄の門へ入っていく。

おぅっ…おうっ… エミの赤い舌と唇はゆっくりと、しかし粘りつくように亀頭を撫であげる、何度も…何度も…

そして、胸の谷間は鶴組長の陰嚢はしっかりと包み込み、蕩けるように柔らかく揉み上げ…揉みしだき…

こ…こっ… 呼吸がままならない。 陰嚢が膨らむ…膨らむ…トロリトロリと体がが蕩け…陰嚢につまっていくようだ…

いつしか鶴組長の両手はエミの手の動きと同じリズムで動き、白目をむいた顔には愉悦の色一色…


ついに股間が圧力に耐え切れなくなった… 甘酸っぱい熱さが陰茎を膨らまし、亀頭をじわりと突き上げる。 

ヒクリ、ヒクリとイチモツが脈打ちだし、鶴組長の意思を無視して魔性の絶頂を受け入れてしまった。

で…でる… ボソリと鶴組長が呟き、ドロリとした迸りがゆっくりとエミの口に注がれていく。

アフン… エミの喉が人ならざる者の喜びの声を上げる。

グビリ…グビリ… 白い喉が脈打ち、赤い口は組長の精を淫らな体の糧とする為に貪欲に吸い続ける。


ぐぼぉ… 口から空気のかけらを吐き出して、鶴組長が仰向けに倒れた。

エミはスルリと鶴組長の下から抜け出し、冷たく言い放つ。

「口ほどにもない…加減したから自分で歩けるでしょう」

そして、食い入るように二人の『戦い』を見ていた英に言う。

「上の連中も連れてとっとっと消え…?」背後の気配にエミは振り返った。

鶴組長がよろよろと起き上がる。

「ま…まだだ…」

「へぇ…」感心したように言うエミ。 その目が金色にキラリと光る。

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