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12.Round 2−2:ミスティ VS 恵布六郎


「どっこらしょ」恵布はミスティと彼女のリュックサックを床におろした。 この部屋もベッドが有って寝室には違いないようだ。 しかしエミと井伊が入った部屋より少し広く、ライティングデスクが置いてあり勉強部屋のような雰囲気がある。

「まったく…なんだってこんな縛り方をしたんだ?」と忌々しそうに言う。 なにしろミスティには十字に紐がかけられ、『お持ち帰り』の札までついている。 首をひねりたくなるのも無理はない。

「ねぇ、おじさん」

「お兄さん!!」と恵布が訂正を求める。

「じゃぁ…お兄ちゃん♪」ミスティは鼻にかかったような声で言った。

「お…お兄ちゃん?…」恵布が少々面食らう。

「うん♪ ねぇほどいてぇ♪」甘えるように言うミスティ。

「立場判ってるのかよ…まあ、これじゃ解かなきゃなにもできねぇが…」ぶつぶつ言いながらミスティの紐を解こうとする。 しかし、結び目がみつからない。 引っ張ってみるが解ける気配もない。

「ちっ」舌打ちする恵布。「鋏か…ナイフは…」傍の机を探る。

「あの〜」

「なんだぁ?」

「その『お持ち帰り』の札を取って…」

「は?」恵布は目をしばたかかせた。「なんだって?」

「お願い♪」ニッコリ笑うミスティ。

恵布はぶつぶつ言いながら手を伸ばし『お持ち帰り』の札を引きちぎる。 同時に紐がバラリと解ける。

「お?」恵布は驚きの呟きをもらした。 紐を摘み上げて首をひねる。

一方、ようやく解放されたミスティは、「うーん♪」凝り固まった体をほぐす様に、手を突き上げて伸びをした。 そして、まだ首を捻っている恵布を妖しい目つきで見た。


「ありがとう♪」そう言ってミスティは恵布に抱きついた。 ミスティは恵布より少し背が低く、上目使いで彼の顔を見る格好となった。 つられて恵布もミスティを見る。

カラーコンタクトでも入れているような濃いピンク色の瞳に戸惑う自分の顔が映り…そこに光る渦が…

「目玉がぐ〜る、ぐ〜る…脳みそく〜る、く〜る…〜♪」

「お?…お…お…お…」目が回るというか、頭の中身が回っていくような奇妙な感じに襲われる。「おい?…」

「なあに…『お兄ちゃん』♪…」

お兄ちゃん…お兄ちゃん…お兄ちゃん… 恵布の頭の中でミスティの言葉が反響し、現実感が希薄になって…


「お兄ちゃん?」

「え?…あ…ああ悪い。えーと…」戸惑う

「ミスティよ。 再婚したママの連れ子だからって、いい加減名前ぐらい覚えてよ」

とベッドに腰掛けた金髪外人の美少女が言う。

「え?…ああ、そうだったんだよな」六郎は、目の前の美少女に言われるままに記憶がはっきりしてくるのを感じた。

自分は高校3年生のガキで、目の前の金髪美少女は…

(『義理の妹』だよ〜)と頭に滑り込むささやき声… ゾッ…六郎の心で微かに黒いものが動いた。

「そうだった。で、何をしていたんだっけ」何かを払うように頭を振りながらきく。

「しっかりしてよぉ」ミスティが口を尖らす。「ママの誕生日のパーティの相談をしていたんじゃないのぉ」

「おう、そうだった…んだよな…」とやや釈然としない様子の六郎。

「家族になったんだから、こうやってお互いの垣根を取り払うのが良いんだって言ったのは『お兄ちゃん』だよぉ」

「そうだけっか…」首を捻りながら手に持った紅茶を口にする。 

「あっちぃぃ!!」紅茶のあまりの熱さに、六郎は紅茶をカップごと放り出してしまった。

「キャァッ!!」紅茶は狙い済ましたようにミスティのスカートを濡らす。

「しまった!ミスティ!」慌てて六郎はミスティのスカートをむしり取る。 少女の下半身が六郎の眼前にさらけ出された。 抜けるように白い肌、控えめな陰りを覆う白いショーツ…

「ご、ごめん!!」大変な事をしてしまったと気がつき、六郎の手が止まる。 その頭の中に再びささやき声が…

(何をしているの?急いで取らないと『義理の妹』の大事なところが大変なことになるよぉ♪)


ミスティは顔を真っ赤にしてショーツの辺りを手で隠している。 

「…やだぁ…『お兄ちゃん』…見ないで…」

しかし、もじもじしているのは熱いからではないのか?

「ごめん…でも火傷しちゃうといけないから…」

「見ないで…見ないで…」ミスティが何度も…何度も…繰り返す。

目がミスティの隠しているところに吸い付けられる。 知らず知らずのうちに六郎の手が伸びていく。

「早く…早く取らないと…」うわ言のように言いながらミスティの手を掴み、引き剥がす。 そしてショーツに手を掛け…一気にむしり取った。

「!」ミスティの秘所が六郎の目に飛び込んできた。 細いスリットにしか見えない少女の神秘…ときおり弱々しく震えるそこに六郎が指を伸ばす。

フニャ… まるで赤熱する鉄板か何かに触れたように、彼は思わず指を引っ込めた。

「『お兄ちゃん』…だめぇ…だめぇ…」弱々しいミスティの声が、逆に六郎を誘っているかのように聞こえる。

再び手を伸ばす六郎。 指でミスティを嬲りだす。 

相変わらずミスティの声は六郎を拒絶しているが…

「いっ?」蕾が開くように、ミスティの女陰が口を開けていく。 秘所をなぶっていた指を捕らえ、手を丸ごとくわえ込んだ。

ピチャ…ピチャ…ヌルヌルした感触と淫猥な響きが六郎の心に生まれた黒いものを育てていく。 六郎の股間が次第に固く…固く…固まっていく…

「『お兄ちゃん』…やめて…やめて…」壊れたレコードのように呟くミスティ。 が、その言葉を聴いていると、反対に欲望が抑えられなくなっていくようだ。


気がつけば自分もミスティも裸だ。 ふっくらした乳房に顔を埋め匂いを嗅ぐと、我慢できなくなった。

「いくよ…いくよ…」「だめぇ…だめぇ…」ひねりも何もないセリフを呟きながら、六郎はミスティの秘所に硬くなったイチモツを宛がった。

「ううっ!!」ビチャ…ビチャ… ミスティのソコが特別なのか、ソコは飢えた獣の顎のように涎を流しつつ六郎自身をくわえ込み、おいしそうにしゃぶり出した。 思わず腰を引こうとする六郎。

「だめぇ…だめぇ…」 しかしミスティの呟きが聞こえると抜くことが出来なくなり、六郎は先端だけを入れた姿勢で固まってしまった。

その間に、ミスティの女陰は六郎を舐め上げ、奥へ奥へと誘う。

「う…ううッ…」うめき声を上げると同時に、全てを忘れて欲望に身を任せる。

六郎はミスティの乳房を荒々しくつかみ激しくもみしだく。 白く柔らかな乳房が手に纏わりつき、指が沈み込む。

腰を揺すると、ヌラヌラとした淫壁が六郎自身を捕まえようとしているのが判る。 六郎自身とミスティ自身の望みが一つとなっていく。


「駄目だ…ミスティ…いく…いくよ」「だめぇ…やめてぇ…」相変わらず拒絶するミスティ。 しかしもう六郎にその声は届いていない。

「くっ…!」ズッ…ン… 六郎は一気に腰を突き入れた。

「お…『お兄ちゃん』!!…私…私…」ミスティが呟く。 同時に六郎の目に見えていた金髪美少女ミスティが、ピンク色のパンク娘(と恵布は思っている)に変わる。

「ミ…ミスティ!!」驚愕する六郎…彼の意識の中では彼女はまだ『義理の妹』なのだ。

「…『お兄ちゃん』…みんな『お兄ちゃん』のせいよ♪…」どこか楽しげに言うミスティ

「あ…お、俺は…なんて事を…なんて…」六郎は罪悪感で押しつぶされそうになる。

ミスティが邪しまな笑みを浮かべる。 (ぬっふっふっ。 『お兄ちゃん』が『義理の妹』を犯した。 『妹』が『悪魔』になった。 それとも『悪魔』と交わった? ぬっふっふっ、どうとっても罪の意識からは抜けられないっと♪)

「もみすぎて妹がペチャパイになってしまったぁぁぁぁぁ!!」絶叫する六郎。

「でっ!!」のけぞるミスティ。

そして恵布六郎はミスティの手に落ちた。


「はぁ…あへ…いい…」うつろな目でミスティと交わる恵布。

彼の魂は半分ほどミスティの胎内に吸い出され、悪魔の子宮で直に愛撫されている。 そのまま交わり続ければ魂が蕩けだし、生ける屍と化してしまうだろう。

一方のミスティはむすっとした表情で、恵布に絡み付いて腰を揺り動かしている。

「どーせミスティは胸がないですよぉ。 こんちくしょうめ…ネズミかゴキブリにでも魂を入れて…と」ミステイはあることに気がついた。

ミスティが『おば様』と呼ぶ女悪魔『ミストレス』は人間の魂を『玉』の形で抜き取り、自分の胎内(子宮)に納めてゆっくりと『食べる』事が出来る。 しかしミスティは…

「んーと、精気はここで…」そう言って腰を揺する。 「…吸えるんだけど…」

ミスティも性行為によって人間から『魂』を抜き取る技術は持っているが、そのままでは『食べる』事が出来ない。 

「ミスティは『魂』は経口摂取しないと駄目なのよねぇ…」と呟く。

よって、ミスティが『魂』を『食べる』には、抜き取った『魂』を一口サイズの生き物に押し込んでから丸呑みしなければならない。

手間もかかる上、適当な生き物の準備がないと抜き取った『魂』が無駄になってしまう。

「食べ物を無駄にすると『おば様』に叱られるし…」ミスティは考え込んでしまった。


「あ…」恵布の体が細かく震えだした。 異様な心地よさが全身を襲う。 そして、彼のイチモツがビクッ、ビクッと脈動し始めた。

「あん…」ミスティは生きたバイブの感触を楽しんでいたが「…一時停止!…」と恵布に命じた。

哀れにも恵布は、絶頂の最中に金縛りにあった状態となり、ミスティと抱き合ったままブルブル震え続けている。

「あはぁ…これも素敵♪ と、仕方ない。精気だけで勘弁してあげる。 再開!」

そう言ってミスティは、ゆったりと体をすり合わせ、恵布の快楽をコントロールする。

恵布は魂があわ立ち沸騰するような快感に襲われる。 素直に魂を抜かれたほうが楽だったかもしれない。

ミスティの命じるままに、恵布の体はその『精気』を激しくミスティに吐き出していく。 みるみるやせ細っていく恵布。

「あん!…熱い!…熱いよぉ」 ミスティは恵布の様子に頓着せずに、若い男の精気を存分に楽しむ。


ドクッ…ドクッ…ドロロロ…げっそりとやせた恵布は最後にひときわ濃い何かを吐き出すと、ミスティを離してベッドに倒れこんだ。 息はしているがしばらく動けそうもないようだ。

「…あれ?少し魂がでちゃったかな?」ミスティは恵布が最後に魂の一部を吐き出したのに気がついた。 おそるおそる恵布の顔を覗き込むと、以外な事にやつれているものの寝顔に全く邪気がない。

「?」ミスティは首を捻り、お腹に手を当てる。 なにがドロリとしてたちのよくない感じがする。

「これは…悪い心? ふむ…迷っている間に『魂』が分離して『アク』が出たみたい。 ぬふ『魂のアク』だけに『悪心』が出た…なんつって♪」

ミスティがそう言うと、失神していた恵布がむくっと起き上がり、プラカードに何か書いて持ち上げた。

そこにはこう書いてあった。

「判定:あんたの勝ち。 でもシャレは0点。 ついでに胸も…」

バキッ…ミスティの右ストレートが恵布の顔面にめり込み、恵布は今度こそ完全に意識を失った。


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