携帯

10.ローション


”ところで…”聞くヒロシ。
「はい?」
”魂を一度吸い出して、卵にしたのは何でだ?…”
「ここ(女性自身を指差し)でないと魂は吸い出せないのよ…」
”そのまま食べられないわけ?…”
「あなた…チンチンで物が食べられる?…」
”…無理です…”

「さて、最後のサービスしてあげる、あなたの魂を完全にミスティのものする為に、ウフフ…」
ミスティは台所から、サラダオイルを持ってきた。
”?”
「こうするの…」
ミスティはエプロンを外し、ベッドから、ヒロシの体を床に蹴落とし(いてっ)、ベッドの上に横たわる。
ヒロシをベッドの端に置いて、サラダオイルを手にこぼし、自分の体にタラタラ流し始める。
「アフーン…ハァーン…」
見せつけるように胸に、腹に、足に、背中にオイルを塗っていく…いや、見せつけているらしい…
ヒロシの体が興奮で硬くなる。
”かたゆで卵になっちまった…”。

体をオイルでテラテラ光らせたミスティは、ヒロシを慎重に拾い上げ、胸の谷間に落とす。
つるりと谷間を滑り降り、くるくる回りながらお腹のほうへ滑っていく。
ゆで卵にされたヒロシは、全身性感帯になっているようなもの、全身で油でヌルヌルするミスティの感触に、たちまち夢中になる。
”ひゃ〜〜、あへあへ”くるくる、”うひゃひゃ”
へそにはまって回されている。
もし、人間だったら、とっくにいっている程の快感が持続して加えられる。

ミスティのお腹がプルンと動いて、ヒロシはへそから送り出され、股間の淡い茂みに滑り込む…と思ったら器用にコースを変えら、右足の太ももへ…
ミスティは右足をベッドから突き出し、ヒロシを太もも、ひざ、すねと送りつま先で止める。
”あへあへあへあへ…はぁ…はぁ…はぁ…”
つま先で小休止、いきっぱなしだったのが、やっと落ち着いてきた。
”ゆ、ゆで卵が…こんなにいいとは…想像できなかった…”普通は想像しない。

ミスティは、右足をすっと立て、つま先のヒロシを落とさないように、バランスを取りながら、体を捻ってうつ伏せになる。
そして、右足をじりじり背中にまげて、ヒロシをうなじのにのせた、ほとんどヨガである。
ヒロシはまたミスティのうなじの甘い匂いに包まれて、幸せな気持ちになっていた。
”…ずいぶん…サービスいいんだな…”
「魂の奥の奥まで消化するにはね…心の底からミスティのものになりたい…て思ってもらう必要があるの…」
丁寧に説明するミスティ…悪魔もそれなりの苦労があるようである。

ゆっくり頭を上げていく、またヒロシが滑り出した…
今度は背中を一直線につーっ”うっひゃー”。
そしてお尻から尻尾…でポンと跳ね上げられる。
すかさず体を半ひねり、腰を持ち上げ、上方開脚。

ヒロシからはミスティの女陰が真下に見える。ぱっくり口を開いて自分を待っている。
すぽっ、ナイスキャッチ。
”うはぁ…あはぁ…これが…悪魔の…さっきより…すげえ…”
ゆで卵と化した剥き出しの魂で、悪魔の膣に潜り込むヒロシ…魂そのものが快楽に犯され言葉にならない。
ブルブル震えながら、自然に奥へ奥へと潜り込んでしまう。
ミスティも感じている。
「ア…ハァ…イイ…モット…モットオイデ…奥ヘ…奥ヘ…ソシテ全テヲみすてぃニ…誓イノ烙印ヲ…受ケナサイ…」
震えながら、ミスティに呑まれるヒロシ、そして子宮の奥に達する。ビリビリする快感の衝撃とともに、ヒロシの魂に「誓いの烙印」が押される。
”ひぃぃぃぃぃぃぃ…”
「ハァァァァァァァ…」

硬直した後、ベッドに体を預けてぐったりするミスティ。「ハァハァハァ…」
弛緩した女性自身から。トロリとした愛液に包まれて、ゆで卵(ヒロシ)が再び産み落とされる。
ヒロシの体にはくっきりと「誓いの烙印」が押されていた…
『品質保証・ヨード卵』…そう読める。

”あの…”
「何?」
”これが「誓いの烙印」?…”
「そうよー…悪魔の言葉で…『この魂はミスティのものであることを証明する』と書いてあるのー…」
”はー…もうどうでもよくなってきたー…”
「あらー、どうでもいいのー♪…じゃ、遠慮なくー」
”…しまった…”

ミスティは体を起こし、ヒロシを台所に持っていき、水道の水で丁寧に洗う。
そして、塩をぱっと振り、舌なめずりし、パク、あむあむ、ごっくん。
「ふぅー…ご馳走様でした…さーてと♪」
ピンクの携帯を取り上げどこかに電話する。
「もしもしー…あ、おば様ー…うん、日本について…住みかも確保したよー…住所は…はーい、荷物を宜しくお願いしますー…」
携帯を切った。

そして…ミスティはあなたに向き直り、ディスプレイの向こうから話し掛ける。
「次はあ・な・た・のお部屋にお邪魔するかも♪…その時は宜しく♪…」

<ミスティ・1 終>


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