5:瞳


−マンションの地下駐車場 自動車出口−

コートの女が出てくる、夜だというのにサングラスをしている。
「わぁ…」
夜なのに、昼間のように見とおせる。

”ツギノ、ツギノエモノヲ…”
「…次の獲物」
心に浮かんだ考えのままに、獲物を探す獣となる。

辺りにいくらでも男はいるが、逆に人通りが多すぎる。
マンションの隣には、かなりの広さの公園があった。
こちらの方が人影はまばらだ、物陰も多い。
フード付きのパーカーを被った男が、小走りに走っているのを見つける。
精気に溢れている。
”アレガイイ”
「…あの人にしよう」
人通りのない小道まで来たところで、恵美は男の前に回りこむ。
パーカー「?」
「すみません、お尋ねしたいことが…」
「はい、何でしょうか」
いぶかしげな響き、何せコートはともかくサングラスの女に夜道で離しかけられて、怪しまない
人はいない。
これが男なら、間違い無く痴漢であろう。
”まさか、痴女か?”
当たりである、但し…
恵美は目を閉じて、サングラスを外す、そして目を見開く。
パーカー「!」
パーカー男は身動きできなくなった、だが、その目には意思の光がある。

恵美は身動きできない男の前でコートを開く。
男の目が白い肌に釘付けになる。
”何だこの女、体が動かん、妖術使いか…うむ、でもいいオッパイ、やわらかそう、
いいにおい…ああたまらない…何でもいい、抱きたい”
パーカー男のズボンが膨らんできた。
恵美は男のズボンの前を開き、物を出す。
かるくさすると、警備員の時と同じように恵美の思い通りになる。
パーカー男は股間が勝手にそそり立つのに気づかない。
”***が、…ああいい…”
恵美は男をおし倒そうとしたが、硬直していて上手くいかない。

辺りを見る、ベンチがあった。
恵美はベンチにあお向けになり、手を広げ、足を開き男を誘う。
「さあ…来て…」体の方の呪縛を解く
体が動く、逃げるなら今だ、しかし…結局、男の性が勝る。
怪しい女だが、女は女、どうとでもなるという思いがあった。
男は恵美に覆い被さる、一物に手を添え女にあてがおうとするが。
そこで、はじめて一物が勝手に動くことに気づく。
驚くまもなく、一物が女を求め、柔肉に触れる。
恵美の女がぱくっと、亀頭を飲み込む。
「うあ!あ!」
外陰部がウニウニ動き、縦向きの唇であるかのように亀頭をなめしゃぶる。
じりっ、じりっと奥へ、また奥へと男を飲み込んでいく。
男の意思は関係ない。いや、一物に意思が宿り、男はその付属物になっている。
もっとも、恵美もそうなっているかの様だが…

恵美は男の目を見つめる、男の体が再び呪縛される。
「おいで…かわいいあなた…奥へ…もっと奥へ…」
呼びかけ、誘うその声は、男の耳ではなく、股間の物に向けられている.
その呼びかけに答えて、男の物が喜びに打ち震えながら、恵美に沈み込んでいく。
男の体のほうは、一物から伝わってくる快感に浸っている。
男と恵美の腰が密着する、恵美の足が男の腰の後ろでXの形に組まれる。
女性器は睾丸まで飲み込み、クチャクチャもみ始めた。
もう耐え切れる状態ではない。手が空をつかみ、ヒクヒク痙攣を始める男。
苦しいのではない、信じられない程良いのだ。
だが、恵美は冷たい表情で、男を凝視している。
女性器の中と周りの動きだけで、男をいかせようとしている。
「あ!あ・!・!…」
声を上げようとするのを、眼の輝きで止める。
ドック、ドック、ドック、ドック、ドック、ドクン
激しく精を噴出す。
恵美の下腹部がごくり、ごくりと動き、それを飲み込んでいく。

男は恵美の胸に突っ伏して、息耐えた。
恵美は男を押し剥がして立ち上がる。

深い満足感があった。
目の光が深くなている。
と、こみ上げて繰るものがあった。
喉までせりあがり、口から溢れ出す。
恵美「げはっ!」
耐え切れずに吐き出して、口からぶら下がるものに感覚があるのに気が付く。
長い、とても長い舌であった。
恵美は魔物の舌を得た。


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