3:卵


恵美「これを、アソコに…?」
赤面しながら問い返すが、もう割れた鏡の向こうにサキュバスの姿はない。
”どうしよう…”逡巡する。
下腹部の、物足りない感じは続いている。
時間が立てば収まりそうだが…このまま寝てしまうのも寂しい。
どうなるのか、興味もある。
迷った挙句、サキュバスの言うとおりに、そっと卵を股間にあてがう。

「!」
動いた、卵が、ではない、恵美の女の部分が、生き物のように卵をくわえ込む。
ごくりという感じで、卵が膣に飲まれていく。
あわてて、卵を取り出そうとするが、指が届く前に奥深くに滑り込んでしまった。
「!?」
子宮の奥に卵が到達し、敏感な部分を刺激した。
「ハアッ!」
一気に達してしまう、はずみで子宮が収縮した。
ブシュ…バチャ。
卵が潰れてしまった。
硬い殻ではなく、中身のつまった柔らかい薄皮だったようだ。
安心(怪我しなくて良かった…)、後悔(卵が…)、不安(何なのこれ?)
感情が交錯する。

”これと遊べといったけど…?!”
女性自身がピリピリしてきた、むず痒さに、そして痒みが強くなる。
”かぶれ?アレルギー?、変なもの入れちゃったから…かゆいっ…”
痒みで股間をすり合わせている。
そーっと、自分の股間に手を伸ばし、掻く。

またビリッとくるかと警戒していたが、どうということはない。
ほっとして、ポリポリ掻き始めた。
”なんか…ばかみたい…からかわれたのね。”
掻く場所が、外陰部からクリトリスに移っていく…
”悪魔まで…ふっ…馬鹿にして…はっ…あの人も…あはっ…みんな、みんな…”
恵美の指は敏感な芽を刺激していた、左手がすっと胸に伸びる。
”私なんて…あ…なんて…ああ…なんて…欲シイ…あふ…オトコ…うん”
恵美は夢中で股間をまさぐりつつ、ベッドに身を預ける。
手は、意思のあるものの様に、恵美を悦楽に引き込んでいく。
”は…欲シイ…ああ…男ノ精気…ああ…吸イタイ…”
恵美の両手は激しく動く、なのに満足できない。
恵美の心に、異様な欲望が刷り込まれていく。
それを、異常と認識できない。
”あはあああああ…男ヲ吸イタイ…ドコカニ男、男、男、…”
”!ーーーーーーーー”
絶頂に達し、くたっとベッドにくずれる。
横向きでぐったりとして、荒い息を吐いている恵美。
むくっと体を起こす。

”……………ふ”
”…………ふふ”
”…………ふふふ”
”うふふふふふふふふふふふふふふ”
よっと、床に立つ、クローゼットを空けて、服を選び始める。
「頭悪いはね、私は、ふふっ、男ならどこにでもいるじゃないの…どこにでも…」
恵美の顔には妖艶とな笑みが浮かんでいる。
恵美の心に魔性が住み着いた。


【<<】【>>】


【鏡:目次】

【小説の部屋:トップ】