マニキュア3
9.『女』に……
豊満なエルサの肢体の下、少女ルゥがぎこちなく悶える。 ほんの僅かな胸の膨らみ、小さい腰、しっかりした骨格のルゥの体は、裸になっても
『女らしさ』は感じられない。 当然だろう。 『彼女』は、少し前までルゥは『彼』だったのだから。
”あ……”
白い喉を反らし、喘ぐルゥ。 その『彼女』に覆いかぶさるエルサの体は、『女』そのもの……その二人がベッドの上で絡み合う光景は、観客がいない事が
惜しまれるほどの、淫靡と背徳に満ちたものだった。
’可愛いは、アナタ……’
エルサの白い指は優美な曲線を描き、指先の黒い爪は禍々しく尖っている。 その妖しい指先が、生まれたばかりの少女の下腹を蜘蛛のように
這いずっている。
”うん……”
ルゥはいやいやをするように、首を左右に振った。 エルサは微かに笑い、赤い唇をルゥの唇でふさいだ。
”ん……”
ルゥの頭の動きが止まる。 そのすきを狙い、エルサの手がルゥの下腹を走り、一気に少女の神秘へと迫り、尖った爪先が割れ目の先を引っ掻いた。
”んふっ!”
ルゥの体が未知の感覚に跳ね上がり、エルサの体をわずかに浮かせる。
’いいわ、その反応’
エルサの人差し指が溝の中へ入り、残りの指が溝の周りを弄る。 人の手にあり得ない動きで、エルサの指がルゥの神秘を犯していく。
”んんー”
ルゥは、エルサの手からから逃れるように腰を動かした。 しかしエルサの手はルゥの股間にピタリと張り付き、離れようとしない。
”ん……はっ! あっ……ああっ!”
ルゥの唇が、エルサから逃れた。 エルサは舌先でルゥの唇をなぞっている。
”ふ……フイ……”
’……なあに?……うふ……’
”い……ク……!”
ルゥは体を硬直させ、大きく息を吐きだす。 数秒後、その体は力を失い、ベッドの上に横たわった。 エルサは、ルゥの脇にうつぶせに身を沈め、
愛しそうにルゥの体を撫でている。
”ふぅ……”
’良かった?’
”うん……”
ルゥがぼんやりした様子で答えた。 目は潤み、天井を見上げてゆっくりと息を吐いている。
”体が火照って……まだ……ふわふわしてるの……”
’でしょうね……’
エルサは、ルゥの手首を軽くつかみ、ルゥの股間へと導いた。 指先が、柔らかいモノに触れる。
”ひゃっ!”
股間にピリッとした刺激、思わが走り身を縮めるルゥ。 が、それだけではなかった。
”これ?……”
体を起こし、自分の股間を覗き込むルゥ。 さっきまで『溝』だった秘所は、『襞』が露出して濡れていた。 ルゥは思わずエルサの秘所と自分のモノを
見比べていた。
’フフ……大分、『女』になってきたわね……ほら……ここも……’
エルサがルゥの胸に手を伸ばし、手の甲で乳房の下からから乳首を撫でた。 膨らみがはっきりして、優しい曲線を形作っている。 ルゥは、くすぐった
そうに身をよじった。
”どうして? 急に変わったの?”
’気持ちよくなることをしたからよ……ほら……’
エルサは、指先でルゥの秘所を探り、『女の真珠』を露出させた。 そこを指先で撫でるように動かす。
”あ……”
ルゥが溜息を洩らした。 股間から、甘い疼きが広がり体に広がっていく。
’ね……こうすると……良くなってくるでしょう?’
”うん……”
ルゥの瞳がトロンと曇り、焦点が合わなくなってくる。
”そこから……蕩けていく……みたい……”
’そう……こうしていると『女の快感』が湧き上がり……蕩けて……『女』に変わるの……’
”……女に……”
ルゥがエルサを見た。
’ええ……’
エルサがルゥに手を差しだした。
’さぁ……オイデ……’
ルゥはエルサに体を預けた。
ルゥとエルサの肢体が絡み合う。 そこにはもう『少年』は、そして『少女』も存在しない。 二人の『女』が、性の獣となって、互いを貪りあっている。
”はぁ”
’かはっ!’
二人の女の息が部屋を満たし、むせ返るほどだ。
”ここね?”
’そう……ああっ!……そうよ……いいわ……’
エルサはルゥを女にするだけで無く、もてる性のテクニックを全て伝授していた。 ほんのわずかの間に、ルゥは『少年』から『少女』を経て『女』に、それも
淫靡で妖しいに肉体の『女』に変貌していた。
’あっ!ああっ!!’
”い、いくっ!”
熱いう喘ぎを放ち、ルゥとエルサ、二人の女は果てた。 激しい絶頂で体を硬直させ、数舜の後そしてベッドの上に崩れ落ちる。
’私は……運がいい……’ エルサが呟いた。
”エルサ? どういう意味?” ルゥが尋ねる。
’こんなに早く、後継者が見つかるとは思わなかったから……’
髪をかき上げ、エルサは身を起こした。
’私は『魔女』なの’
”『魔女』?”
’ええ。 そしてあなたは私の後継者。 『黒い爪の魔女』の’
エルサはルゥの右手を持ち上げ、自分の手と並べて見せる。 ルゥは、二つの手の漆黒の黒い爪を見比べる。
”これ……エルサが塗ったの? この黒いマニキュア”
’ええ’
”ふーん……これだけで『魔女』になれるの?”
’これだけじゃ無理……貴女には『魔女の技』の知識がないでしょう’
そんなものかとルゥは思う。
”じゃあ、これから魔法の勉強が必要なの? 変な『夢』だなぁ……これ”
ルゥの呟きに、エルサはくすくすと笑った。
’貴女はこれを『夢』だと思っているのね’
”違うの?”
’さぁ……『夢』かも知れないわね……覚めることのない夢……’
エルサは遠い目をし、ルゥは怪訝そうな顔をした。 エルサは、視線を戻してルゥの顔を見る。
’さ、じゃぁ『魔法』の使い方を伝授するわ’
”これから? ここで?”
ルゥはぐると周りを見た。 ラブホテルの陳腐な雰囲気は、『魔法』の勉強にふさわしいとは思えなかった。
’『伝授』はすぐよ……んふ……’
エルサは、自分の股間を弄り出した。 体を痙攣させながら、足を開く。 と、開いた秘所から黒い『液体』が流れ出した。
”え?”
黒い『液体』と見えたものは、すぐに棒状にかたまり、ググっと上を向き、ヒクヒクと震え出した。
”えええっ?”
エルサの股間に男根が生えた……と思ったが、『黒い男根』はエルサの秘所から突き出しているが、その体とは独立していた。 所謂、ディルドーと
呼ばれる女性用の性玩具、それも女性同士で使う物のだった。 ただし……
ビクン、ビクン……
脈打つ震える『黒い男根』、それは生き物のように見えた。
”な、なにそれ……”
’これが『魔女』の証……ふふ……クフッ……’
エルサが舌なめずりする。 その顔は、獲物を狙う獣の様だった。
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