マニキュア3

10.黒い『男根』


 ルゥは、エルサの『魔女』の証こと、『黒い男根』をしげしげと見つめた。 ビクビクと脈打つそれは……

 ”電動なんだ……”

 やや間の抜けたルゥの言葉に、エルサは苦笑する。

 ’『大人のおもちゃ』に見えるかしら?’

 ”うん”

 あっけらかんとした表情のルゥ。 いくら、最近の『大人のおもちゃ』が高機能になってるとはいえ、『液体』から『男根』に変わる訳はないのだが、そこ

までは頭が回らないらしい。

 ”良くできているんだ”

 ’ええ……よく見てみて’

 言われるままに、ルゥはその『男根』を凝視する。 さっきまで自分にも同じモノがあったが、形は似ていても印象が随分違う。

 ”なにか……迫力がある……”

 真っ黒く、ビクビクと力強く脈打つ『男根』は迫力があり、目を引く何かが感じられた。

 ハァ……ハァ……

 (なに?……ああ、ボクの息か……)

 額を手で拭い、そこで初めて自分が汗をかいていることに気が付く。

 ”ええと……触っていい?”

 ’どうぞ’

 ルゥは、エルサの『黒い男根』に手を伸ばす。 エルサの秘所から下向きに顔を出したそれは、急な角度で上向きになり、鎌首をもたげた蛇のようだ。 

しかし、ルゥはそれに触りたいという欲求を押さえられない。 亀頭のすぐ下を軽く掴む。

 キュッ……

 途端に。

 ビクビクッ!

 それは、ルゥの手を振りほどくかのように大きくうねった。 しかしルゥは驚かず、手を放そうともせず、自分の手が握っているソレをじっと見つめ……顔を

近づける。

 ペロリ……

 ビクン!

 ルゥに舐められ、『黒い男根』が大きく震えた。 しかし、ルゥもエルサも驚く様子はない。

 ’ご挨拶はすんだ?’

 ”ん……ええ……”

 ルゥは上を見上げ、エルサと視線をかわす。

 ’じゃぁ……繋がりましょう’

 
 エルサは、ルゥにベッドに横たわるように指示した。 ルゥは言われた通りにし、足を開き気味にしてエルサを見る。

 ’上になるわ’

 エルサがルウに覆いかぶさる。 豊かなエルサの乳房が、わずかに膨らむルゥの胸にのった。 ルゥがくすぐったそうに身じろぎする。

 ’あら? さっきはあんな激しくしたのに。 まだ、慣れないの?’

 ”だって……ソレ”

 ルゥが指さしたのは、エルサの『黒い男根』だった。

 ”入れるんでしょう?”

 ’ええ……怖い?’

 ”ちょっと……でも、さっきまで、ボクにも生えてたし”

 クスクスとふたりは忍び笑う。

 ’でも……今は入れられる方にまわっている’

 ルゥは微かに頷いた。 なにについて頷いたのか、自分でも判らなかったが。

 ”……きて”

 
 女の尻が、少女の腰の上で蠢く。 女の両手は、少女の肩の脇で女自身の体重を支えている。 この体勢では、『男根』で少女を『女』にするのは無理が

あるはずだった。

 ’力を抜いて……’

 女の尻が、小さく動いた。 その秘所から伸びた『男根』は、鎌首をもたげ少女の秘所へ『亀頭』を擦り付ける。

 ”きゃ……”

 ’いまさら?’

 ”だってぇ……”

 女と少女の会話には、緊張は感じられない。 しかし、そこからわずかに離れた場所では、『男根』が少女に対して淫靡で爛れた行為を行っていた。

 ”あ……”

 『男根』は、秘所の上に先を擦り付け、こじ開けるかのようにぐりぐりと小さく動いた。 亀頭の下、発掘されたばかりの少女の『真珠』が、テラテラと光を

反射する。

 ’ふ……’

 薄紅色の肉の幕がしずしずと開き、一筋の愛液の流れが奥からトロトロと流れ出す。 誘っているのだ、『男根』を。

 ”はっ……”

 ルゥは息を吐いた。 今の自分は少女の体で、『女』の人に『女』にされたばかり……そしてこれから、得体のしれない『男根』が自分を犯そうとしている。 

なのに、自分はそれを望んでいる

 (なんて……夢……)

 夢? そう、ルゥはこれを夢と認識していた。 もっとも、現実と認識できるようなものでもなかったが。

 ヌルリ……

 ”はっ!”

 秘所の肉襞に、『男根』が頭を擦り付けている。 当然だ、自分の秘所が誘っているのだから。

 ヌリュ……ヌリュ……ヌ……

 ”あ……あぁっ……あ……”

 あれが、あの『男根』が入ってくる…… その感触は、『男』にとっておぞましく、嫌悪しか呼ばない。 ルゥの『男』が目覚め抵抗を始める。

 ”あうっ?……ああっ?……うあっ?”

 混乱するルゥ。 頭の中で嫌悪が渦を巻き、体が下半身の感覚を否定しようとする。 そのルウの顔を見つめな、エルサは笑う。

 ’ふふ……さしずめ拒絶反応かしら?……さて……拒めるかしら?’

 エルサは、ルウの唇に自分の唇を重ね、舌を出してその顔を舐める。 そして耳元に唇を寄せ、囁く。

 ’……あなたは……女……あなたは……女よ……ほら……判るでしょう……熱いモノが……貴女の中に……入ってくる’

 ルゥの目が見開かれる。 天井を見上げるその目は、何も見ていない。


 (ボクは……男だ!)

 ルゥ胸の中で『魂』が叫ぶ。 その『魂』を、いやらしい手つきの女の手が捕まえ、優しくも淫らな愛撫を咥えていく。

 (そんなに嫌がらないで……ほら……可愛らしい『女の子』に……綺麗な『女の人』に……淫らな『女』に……なりましょう)

 熱く叫んでいたはずの『魂』は、いつの間にか甘い喘ぎをあげていた。

 
 (入ってくるな!)

 下半身が嫌悪に震える。 少女のモノが、少年だった時を思い出そうと激しく震え、元に戻ろうとする。

 (そんなに嫌わないで……入るのではないは……貴女が受け入れるのよ……ほら……熱いモノが……擦れて……感じるでしょう……)

 『男根』の見た目が禍々しく黒かろうと、『女』の部分に視覚はない。 『男根』は見た目とは裏腹に、優しく、時間をかけ、少女の秘所を慰め、愛していく。 

その感触に騙され、いつしか少女の秘所はとめどなく愛液を流し、襞を震わせて『男根』を愛そうとしていた。

 
 ”ああっ!……ああっ……ああ……はあ……はあん……”

 次第に艶を帯びてくるルゥの声に、エルサは満足そうな笑みを浮かべる。

 ’元が男の子の体だから……『これ』を受け入れるかは賭けだったけど……どうやら、本物の『女』にな……いえ、侵されてるわね’

 エルサの見立て通り、ルゥの中で男の体と男の魂が、女の体、女の魂に犯され、奪われつつあった。

 ’どんな気分?’

 ”あは……最高……よ……たまんない……”

 『男根』は、ルゥの入り口近くで、じれたようにうねっていたが、ルゥの体はそれを受け入れる為の準備が整ったようだった。

 ’さて……最後の仕上げ……’

 エルサは笑みを消し。 ルゥの唇に優しく口づけする。

 ’いくわよ’

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