マニキュア2 〜ビースト・ウォーズ〜

22.偵察


 ミスティとスーチャンが動物園で騒ぎを起こした日の夜、麻美は一人でマジステール高校に忍び込んでいた。 夜間は警備装置

が作動し、不法侵入者を警戒している。 もっとも警備装置が設置されているのは窓や入り口だけなので、中に入ってしまえば、

あとは自由に動ける。

 「エミさんなら、もっと簡単に……せめてミミが使えたら……」

 ため息交じりに厚みは呟き、ミレーヌとの会話を思い出す。


 『二度と会わないって……そんな、どうして……』

 『彼女が私達と関わるのは……それなりのメリットがあると認めているから……しかし、デメリットがそれを上回るならば……

つき合う理由はないのでしょう……』

 『メリット? デメリット? そんな……それだけで』

 『……むしろ……態度がはっきりしている分……信用できるでしょう……』

 ミレーヌは、そう呟くと、麻美に鷹火車保険医の調査を勧めた。

 『わ、私が!?』

 『……貴方がやるべき仕事でしょう……最も関係が深いのですから……傍観するのも勝手ですが……受け身だと、手遅れに

なる事もあります……』

 ミレーヌは、何がと言わなかったが、麻美にも流石に言わんとすることは判った。

 『仕方がないか……もう一度ミミを偵察に出して……』

 『それはおやめなさい』

 珍しく、ミレーヌが強い口調で静止した。

 『使い魔は……貴方の切り札でしょう……それに、猫は偵察には向いない事が……判ったばかりでしょう……』

 結局、麻美が自分で偵察に行く事になった。


 「しっかし、こういうのって面倒よねぇ……いままで、エミさんや使い魔に甘えていたって事になるのかな」

 ぶつぶつ言いながら、暗い廊下を忍び足で歩く。 魔女として麻美が使える魔法は、『呪紋』と呼ばれる赤い筋を生き物の体に

刻み、変身させたり、力や感覚を強化するものだった。 今は夜目が効くように、自分に『呪紋』を刻んでいた。

 「あら、向こうが明るい?」

 廊下の先が明るくなっていて、その先の照明がついているのが見えた。

 「変ね、外から見たときは、灯りはついていなかったのに」

 近寄ってみると、その辺りの廊下には、暗幕の様なカーテンが掛けられて、光が外に漏れるのを遮っていた。

 「意外と用意周到ね」

 灯りがあるのでも、麻美の姿も丸見えだ。 見張りでもいれば見つかっているはずだが、辺りは静か……いや?

 いや……やめてください……

 おいでなさい……さぁ…

 「お約束ね」

 廊下の教室側の壁には、窓のある個所が幾つかあり、中から廊下が見渡せる。 麻美は身をかがめて、鷹火車保険医の

職場である保健室に近づいていく。


 「や、やめて」

 怯えた声を出しているのは、マジテール高校一年生の男子だった。 所謂、帰宅部である彼は、下校のチャイムとともに廊下に

出て、校門から外に出たはずだった……が、そこからの記憶がない。

 「他の子たちが、体力ダウンしちゃてね……フフ」

 鷹火車保険医は、およそ学校の備品には見えない豪華な椅子に身を沈め、目の前に突っ立っている男の子を愛でている。 

どちらも既に一糸まとわぬ姿だ。

 「ここは……いやがってないみたいよ?」

 そう言いながら、鷹火車保険医はつま先で男の子のモノをつーっと撫でる。

 「ヒッ!」

 つま先の感触が、異様なほどにはっきりと肌に残り、モノが素直に反応し、ヒクッヒクッと震えながら、鎌首をもたげる。

 「あらあら……?」

 今度は、つま先が裏スジに沿って下に滑った。 後を追うように、裏筋を痺れるような感覚が走る。

 「ヒイッ!」

 痺れるような感覚が、男の宝玉に絡み付いた。 ジンジンとした痺れに、股間が縮み上がっていく。

 「せ、先生……ひ……ひ」

 疼くような痺れに纏わりつかれ、股間の物が蠢き、モノがそそり立って震えている。 幼さを残すとはいえ、彼も木石ではない。 

その表情に、抑えきれない欲望の影がじわじわと現れてくる。

 「フ……クックックッ……」

 鷹火車保険医は、男の子をねめつけた後、その腕を握り、思いっきり引いた。 突然の事に、男の子はバランスを崩して

鷹火車保険医に倒れこむ。

 「わっ! す、すみません!」

 慌てて立ち上がろうとするが、柔らかい鷹火車保険医の体に、若い男の体が半ば埋もれており、思ったように動けない。

 「アアン……おっぱいがあたってるわ」

 「す、すみま……すみ……」

 鷹火車保険医の乳房は、ひしゃげながら男の子を受け止め、そのまま吸い付いて離そうとしない。 じたばたと男の子が動くと、

彼女の乳首が固くしこってきた。 それが、狙っているかのように彼の乳首に食い込み、フニフニと不思議な感触で彼を責める。

 「せ……先生……乳首が……」

 男の子の言葉遣いが怪しくなり、目がトロントと曇ってきた。 さっきまで体を離そうとしていた動きは、いつの間にか逆に体を

摺り寄せている。

 「アン……おっぱいがいいわぁ……」

 「ぼ……ぼくも……」

 ペタペタと擦れ合っていた乳房が、ベタベタ、ヌトヌトに変わってきた。 どうも乳首から、何か出ているようだ。 むわっとした

甘い香りが漂ってくる。

 「せ……先生? 乳首が濡れて……」

 「吸って」

 「はい?……」

 「吸って、さぁ」

 男の子は、言われるままに乳首を咥えすった。

 「イ……イイッ!」

 鷹火車保険医が身を震わせ、のどをのけ反らせた。 同時に、乳房がビクビクと震え出した。

 グブッ!……クックッ……

 男の子の喉が妙な音を立てた。 その体が一度大きく震え、その後小刻みに震え続けている。 コクコクと喉が鳴っているのを

見ると、乳を飲んでいるらしい。

 「アフッ! スッテェ! モットォ!」

 甲高い声を上げてよがる鷹火車保険医。 男の子に乳首を吸われる事で、ひどく感じているようだ。 対照的に男の子の方は、

静かに乳を吸い続けている。 が、その瞳はトロン曇り、顔は深い陶酔感に沈んでいることを示していた。

 「アフッ! アハッ!」

 嬌声を漏らし、激しくよがる鷹火車保険医は、戸の隙間から麻美が覗いていることには気が付いていなかった。

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